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第2話バレてしまった?
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そして翌日から授業が始まった。筆箱を開けて唖然とした。
筆記用具はエリカが用意したのだが、なんと消しゴムが可愛らしいキリンの消しゴムだったのだ。
(エリカのやつ・・・絶対わざとだな・・・)
「どうかなさいましたか?」
千早さんが話しかけてきた。
「あ、いえ。ちょっと消しゴムが・・・」
「まぁ、可愛らしい消しゴムですわね。でもこれでは使えませんね。よろしかったらこれをお使いください」
そう言いながら新品の消しゴムを渡してきた。
「えっ?でも悪いですし・・・」
「予備の消しゴムですから大丈夫です」
「じゃあ、代わりと言ってはなんですがこれをもらってください」
私はキリンの消しゴムを千早さんに渡す。
「まぁ、よろしいんですか?」
「はい。消しゴムとしては役に立ちませんけど良かったら・・・」
「嬉しいですわ。大切にいたしますね」
思った以上に喜んでくれたみたいで良かった。
そして休み時間になり、私はトイレに行きたくなってしまった。
(しまった・・・今朝は慌ててトイレに行くのを忘れてた・・・)
しかたなく意を決して女子トイレに入ることにした。
(うう・・・緊張する・・・)
何とか用をたし、出ようとしたところで千早さんに出会った。
「千早さん!?えっと・・・」
(こういう時はなんて言うのが正解なんだろう・・・)
「あら、伊澄さん。偶然ですわね」
「そ、そうですね・・・じゃあ・・・」
そう言いながら通り過ぎようとした時だった。
「ズボンのチャックが開いていますわよ?」
「えっ?」
私はとっさに下を見てしまった。
「伊澄さん・・・あなた、やっぱり・・・」
二日目にしてもうバレてしまった。
そして、私は千早さんに連れられて屋上にやってきた。
私は千早さんに事情の全てを話した。
「そうだったんですね・・・」
「はい・・・騙していてすみませんでした。えっと、それで・・・」
「安心してください。わたくし、この事を誰かに言おうなどとは思っておりません」
「えっ!?いいんですか!?だって僕は・・・」
「伊澄さんが悪い人じゃないのはわかりますし、だって・・・」
「だって?」
「その方が面白そうなんですもの」
「そんな理由でですか!?」
「はい。そんな理由です。その代わりと言ってはなんですが、わたくしのお友達になってくださいませんか?」
「はい、私なんかでよければ喜んで・・・。でもどうして分かったんですか?」
「私、身体が弱いんです・・・」
「えっ?」
それと、一体どういう関係が?
「ですから、そう・・・なんていうのかしらね。その人の背負っている雰囲気・・・オーラみたいなのを感じる・・・と思っていただけたらいいのかしら。その人の立ち居振る舞いで何となくわかってしまうの」
「立ち居振る舞い・・・」
「わたくし、病気で入退院を繰り返してて・・・その中で色々な病気の方を見てきたから・・・。その人が隠そうとしていることや悩んでいることなんかが雰囲気から滲み出ているのを感じ取ってしまうの」
「雰囲気・・・」
確かに女性的な配慮とかが欠けていたとは思うけど・・・。
「でも、普通の人にはきっと分からないと思うわ。あなたが男性だっていうこと」
「千早さん・・・」
彼女は優しく微笑むと私の手をとった。
「仲良くしましょうね。困ったときはわたくしを頼ってくださって構いませんから・・・」
「はい、ありがとうございます」
「ふふ、楽しい学園生活になりそうです。私たち、きっと良いお友達になれますわ」
そう言って千早さんは悪戯っ子のように笑った。
こうして、私の秘密は千早さんに知られてしまったが千早さんとお友達になったのだった。
次の休み時間、私はエリカに千早さんの事を話した。
「千早さま、伊澄のこと秘密にしてくれてありがとうございます」
「ええ、わたくし伊澄さんにひと気のない場所に連れて行かれて『俺の秘密を知られたからにはお前の恥ずかしい写真を取ってやるぜ、バラされたくなきゃ言うことを聞きな』と無理矢理・・・」
「なっ!?」
私は思わず声を上げる。
「ああ、かわいそうな千早さま。私も寮で毎晩伊澄に無理矢理・・・」
「ちょっ、エリカ!?」
すると二人が同時に笑いだした。
「ふふふ、冗談ですわ」
「あはは、何ムキになってるのよ」
「もう・・・」
私はとりあえず安堵の息をつく。
「まぁ、協力者が増えたってことで逆に良かったのかもね」
「ええ、わたくしもできる限り協力いたしますわ」
「千早さん・・・ありがとうございます」
そして、早速その時がやってきた。
次は体育の授業だ。
体育は隣のクラスと合同でやるためエリカも一緒だ。
「私が壁になるからさっさと着替えちゃって」
「こちら側はわたくしが」
「二人ともありがとう」
エリカと千早さんにガードしてもらい、何とか着替えは乗り切った。
今日の体育はバスケだ。
私にパスが回ってきたのでドリブルをしながら相手のディフェンスをくぐり抜けシュートを決めた。
「あのバカ・・・」
遠くでエリカの声が聞こえた。
次の瞬間、周りがキャーキャー騒ぎ始めた。
「宮村さん、今の動き何ですか!?」
「全く追いつけませんでしたわ」
しまった。ついいつも通りやってしまった。
「聞きました?転入生のお話」
「ええ、容姿端麗で成績優秀、運動神経も抜群だそうですわ」
そして何故か学園中が私の噂をするようになっていた。
(一体何が起きてるの?・・・あまり目立ちたくないんだけど)
その後、学園の至るところで物珍しいような視線を浴びることになった。
★★★★★★★★★★★★★★★★
生徒会室にて、ある女生徒達が話をしていた。
「聞きましたか?会長。例の転入生の話」
「ええ。何でも転入試験は満点だったそうね。おまけにスポーツ万能だとか」
「はい・・・それで彼女をエルダーにという声が・・・」
「エルダーですって!?」
生徒会長の伊集院瑞希と副会長の霧島貴子がそう話をしていた。
★★★★★★★★★★★★★★★★
筆記用具はエリカが用意したのだが、なんと消しゴムが可愛らしいキリンの消しゴムだったのだ。
(エリカのやつ・・・絶対わざとだな・・・)
「どうかなさいましたか?」
千早さんが話しかけてきた。
「あ、いえ。ちょっと消しゴムが・・・」
「まぁ、可愛らしい消しゴムですわね。でもこれでは使えませんね。よろしかったらこれをお使いください」
そう言いながら新品の消しゴムを渡してきた。
「えっ?でも悪いですし・・・」
「予備の消しゴムですから大丈夫です」
「じゃあ、代わりと言ってはなんですがこれをもらってください」
私はキリンの消しゴムを千早さんに渡す。
「まぁ、よろしいんですか?」
「はい。消しゴムとしては役に立ちませんけど良かったら・・・」
「嬉しいですわ。大切にいたしますね」
思った以上に喜んでくれたみたいで良かった。
そして休み時間になり、私はトイレに行きたくなってしまった。
(しまった・・・今朝は慌ててトイレに行くのを忘れてた・・・)
しかたなく意を決して女子トイレに入ることにした。
(うう・・・緊張する・・・)
何とか用をたし、出ようとしたところで千早さんに出会った。
「千早さん!?えっと・・・」
(こういう時はなんて言うのが正解なんだろう・・・)
「あら、伊澄さん。偶然ですわね」
「そ、そうですね・・・じゃあ・・・」
そう言いながら通り過ぎようとした時だった。
「ズボンのチャックが開いていますわよ?」
「えっ?」
私はとっさに下を見てしまった。
「伊澄さん・・・あなた、やっぱり・・・」
二日目にしてもうバレてしまった。
そして、私は千早さんに連れられて屋上にやってきた。
私は千早さんに事情の全てを話した。
「そうだったんですね・・・」
「はい・・・騙していてすみませんでした。えっと、それで・・・」
「安心してください。わたくし、この事を誰かに言おうなどとは思っておりません」
「えっ!?いいんですか!?だって僕は・・・」
「伊澄さんが悪い人じゃないのはわかりますし、だって・・・」
「だって?」
「その方が面白そうなんですもの」
「そんな理由でですか!?」
「はい。そんな理由です。その代わりと言ってはなんですが、わたくしのお友達になってくださいませんか?」
「はい、私なんかでよければ喜んで・・・。でもどうして分かったんですか?」
「私、身体が弱いんです・・・」
「えっ?」
それと、一体どういう関係が?
「ですから、そう・・・なんていうのかしらね。その人の背負っている雰囲気・・・オーラみたいなのを感じる・・・と思っていただけたらいいのかしら。その人の立ち居振る舞いで何となくわかってしまうの」
「立ち居振る舞い・・・」
「わたくし、病気で入退院を繰り返してて・・・その中で色々な病気の方を見てきたから・・・。その人が隠そうとしていることや悩んでいることなんかが雰囲気から滲み出ているのを感じ取ってしまうの」
「雰囲気・・・」
確かに女性的な配慮とかが欠けていたとは思うけど・・・。
「でも、普通の人にはきっと分からないと思うわ。あなたが男性だっていうこと」
「千早さん・・・」
彼女は優しく微笑むと私の手をとった。
「仲良くしましょうね。困ったときはわたくしを頼ってくださって構いませんから・・・」
「はい、ありがとうございます」
「ふふ、楽しい学園生活になりそうです。私たち、きっと良いお友達になれますわ」
そう言って千早さんは悪戯っ子のように笑った。
こうして、私の秘密は千早さんに知られてしまったが千早さんとお友達になったのだった。
次の休み時間、私はエリカに千早さんの事を話した。
「千早さま、伊澄のこと秘密にしてくれてありがとうございます」
「ええ、わたくし伊澄さんにひと気のない場所に連れて行かれて『俺の秘密を知られたからにはお前の恥ずかしい写真を取ってやるぜ、バラされたくなきゃ言うことを聞きな』と無理矢理・・・」
「なっ!?」
私は思わず声を上げる。
「ああ、かわいそうな千早さま。私も寮で毎晩伊澄に無理矢理・・・」
「ちょっ、エリカ!?」
すると二人が同時に笑いだした。
「ふふふ、冗談ですわ」
「あはは、何ムキになってるのよ」
「もう・・・」
私はとりあえず安堵の息をつく。
「まぁ、協力者が増えたってことで逆に良かったのかもね」
「ええ、わたくしもできる限り協力いたしますわ」
「千早さん・・・ありがとうございます」
そして、早速その時がやってきた。
次は体育の授業だ。
体育は隣のクラスと合同でやるためエリカも一緒だ。
「私が壁になるからさっさと着替えちゃって」
「こちら側はわたくしが」
「二人ともありがとう」
エリカと千早さんにガードしてもらい、何とか着替えは乗り切った。
今日の体育はバスケだ。
私にパスが回ってきたのでドリブルをしながら相手のディフェンスをくぐり抜けシュートを決めた。
「あのバカ・・・」
遠くでエリカの声が聞こえた。
次の瞬間、周りがキャーキャー騒ぎ始めた。
「宮村さん、今の動き何ですか!?」
「全く追いつけませんでしたわ」
しまった。ついいつも通りやってしまった。
「聞きました?転入生のお話」
「ええ、容姿端麗で成績優秀、運動神経も抜群だそうですわ」
そして何故か学園中が私の噂をするようになっていた。
(一体何が起きてるの?・・・あまり目立ちたくないんだけど)
その後、学園の至るところで物珍しいような視線を浴びることになった。
★★★★★★★★★★★★★★★★
生徒会室にて、ある女生徒達が話をしていた。
「聞きましたか?会長。例の転入生の話」
「ええ。何でも転入試験は満点だったそうね。おまけにスポーツ万能だとか」
「はい・・・それで彼女をエルダーにという声が・・・」
「エルダーですって!?」
生徒会長の伊集院瑞希と副会長の霧島貴子がそう話をしていた。
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