異世界に飛ばされたけどお兄ちゃんがいれば大丈夫だよね？最強魔術師兄妹の異世界冒険録

授業が始まるけど大丈夫だよね？

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　冒険者予備校に入学して1週間が過ぎた。唯一不満なのは全寮制でお兄ちゃんとは別々の部屋というくらいだ。

座学では冒険者の制度のことや魔法の使い方などを教わる。

実技ではお兄ちゃんは剣技を、私は魔法を教わっていた。

魔術ではない『魔法』というものは詠唱さえすれば誰でもきちんと発動するようだ。ただし必要な魔力と、持っている属性のスキルレベルに比例するらしいけど。

まあ、頭の中で魔術の術式を組んで発動する『魔術』の方が効率的だけど。とりあえず学校にいる間はみんなと同じように魔法を使っていた。

ちなみに使える魔法の属性というのは生まれつき決まっており、普通は一つ、多くても3つらしい。

火、水、風、土の基本4属性に聖・闇を加えた6つが存在する。

聖属性を単体で使えるのは勇者か聖女の称号を持つ者だけらしい。

あとは聖職者が10人くらいで発動することができるくらいだそうだ。

アンデッドタイプの魔物は聖属性でしか倒せないのでやっかいみたい。

まあ、魔物のアンデッドなんて逢いたくもないけど。

「今日は西の草原にて実戦訓練を行う」

先生にそう言われ私達は草原へとやってきた。

「この周辺にはラグーラビットが複数生息している。それをできるだけ傷つけずに討伐すること」

傷つけずに討伐とはなかなか難題だ。

「ラグーラビットは肉も毛皮も売れるからな。冒険者というものはそういうことも考えながら戦わなければならない」

なるほど、魔石だけじゃないのね。

そして私はお兄ちゃんとペアになり討伐を開始する。

「まずは・・・探索！」

サーチの魔術で周辺を調べる。

「お兄ちゃん、あっちに三体いるよ」

「よし、行こう！」

駆けつけると角を生やした兎が3羽いた。

「傷つけずにってことは・・・えいっ」

私は水の魔術で兎たちの顔を塞ぐ。しばらくすると兎は絶命した。

「なるほどな。陸上生物なら口と鼻を塞げば簡単だな」

こうして実戦訓練を10羽討伐で終えた私達は金貨一枚と換金できた。

きちんと血抜きをして肉と毛皮に解体した状態ならもっと高値になるらしい。

まあ、そんな面倒くさいことはしないけどね。

だって数倒すほうが楽だもん。

そしてさらに1週間が経過して、私達は無事に予備校を卒業してDランク冒険者として登録できたのだった。