愛理の場合 〜レズビアンサークルの掟〜

本庄こだま

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5.El Dorado(エルドラード)

生殺しの2日間

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 午前9時過ぎ。都内某所。

 愛理はケイに指定された場所へと足を運んでいた。

 「この辺りのはずだけど……」

 El Doradoエルドラードの初戦──。

 愛理は勝利したものの、その内容は醜態の連続であり、とても「完全勝利」とは呼べないものであった。

 そこでサークルの絶対女王であるARISAの提案により、愛理は〝女王の側近〟ケイのもとで2日間にわたるの命が科せられたのだ。

 一体何が始まるのか、何をされるのか、愛理は何も聞かされていない。

 ふと、愛理の足が立ち止まる。

 「ここ……?」

 目の前に現れたのは天を仰ぐような超高級タワーマンション。その最上階で、ケイが待っているらしい。

 愛理は一歩ずつ毎に高まっていた緊張の鼓動を抑えるように、胸に手を当てて自らを落ち着かせる。

 やがて、フッ……っとひと息吐くと、意を決したように力強く歩み始めた。

 (何が待ち受けようと関係ないわ……絶対強くなってやるんだから……!!)



 「愛理よ、今着いたわ」

 「入って。3305室よ」

 カシャンッ

 オートロックの施錠が開く音が、煌びやかで広大なエントランスホールに反響する。

 (すごい……高級ホテルみたい。ケイはここに住んでるの……?)

 愛理は物珍しさに辺りを仕切りに見渡しながら、エレベーターに乗り込む。

 (最上階……)

 近付くたびに、また鼓動が早くなる。これから起こる〝ハード・セックス〟の興奮と不安に、膝が微かに震えだしていた。
 
 (でも……すべては勝つため……)

 侮っていた自分がいた。驕っていた自分がいた。所詮はキャットファイトの延長だと、高を括っていた自分がいた。

 そんな数々の弱い自分が招いた醜態と、危機的状況。

 そんな〝過去の愛理〟を、受け入れなければならない。そして、超えてゆかなければならない。

 (昇り詰めるため……そして、決着をつけるため……)

 気付くと、エレベーターは最上階に近付いていた。

 ガ……コン……

 エレベーターのドアが開く。

 白壁が眩ゆいほどに明るい廊下に、ウッド調の暖色のドアが等間隔に並んでいる。

 平日の昼間だからか、住人の往来どころか物音や気配すら感じない。まるで生活感の無い、映画のセットのような空間だ。

 「3305……あった」

 ケイの部屋の前に立つ愛理。この部屋で、一体何が待ち受けているのか。だが、もう後戻りはできない。

 ピン……ポーン……

 「……」

 チャイムを押す。応答までの数秒の静寂が、愛理には永遠にすら感じた。

 『……はい』

 「愛理よ」

 『そのまま入って』

 インターフォン越しのケイは、昨日と変わらぬぶっきらぼうな口調で淡々と愛理に指示を出す。

 (ホント無愛想な子、出迎えくらいしてくれてもいいんじゃない?)

 愛理は不満げに頬を膨らませるが、今から2日間は「レクチャーを受ける立場」である。

 いつもなら口をついて飛び出す文句も、ぐっと堪えて呑み込む。

 ガチャ……

 重厚感のあるドアを両手で引き開けると、甘く官能的なアロマの芳香が漂ってきた。

 玄関でブーツを脱ぐ愛理。丁寧に踵を揃えて、隅に置く。

 (うわ……すごい部屋……)

 目に映る照明や家具、インテリアオブジェ、彩飾の数々……。

 そのすべてが一見して高額と判る代物であり、それを見た愛理に緊張がはしる。

 (ケイって……何者?)



 奥のリビングへ行くと、一矢纏わぬ姿のケイが、背を向けて窓からの景色を眺めていた。

 肌は透き通るように白く、四肢はスラリと細く長い。
 引き締まった小尻はキュッと上を向き、背筋が薄っすらと浮き上がる。

 無駄なモノが一切ない、アスリートの身体だ。

 ふと、愛理の気配に気付いてケイは振り返る。

 「……来たわね愛理、ご苦労様」

 「ええ、お邪魔す……ッ!?」

 歓迎も、忌避もしない、ニュートラルなケイの表情。

 だが、ケイの股間を見た瞬間、愛理がの表情が固まる。

 美術刀のような、長く美しいペニス──。

 太さもさる事ながら、その全長は18cmの恭子のペニスさえ凌駕りょうがする程の長さだ。

 おそらく、20cmを超えている。

 (大きい……今まで相手した誰よりも……!)

 その〝生命力の象徴〟のようなペニスが、ケイの薄く縦に割れた腹筋に触れそうなほど雄々しく、勃起の角度を維持していた。

 「そんな、いきなり……」

 「愛理も脱いで。早速始めるから」

 窓からの陽光に照らされ、ケイの輪郭が眩く発光している。

 その、逆光に仁王立ちするケイの〝揺るがぬ姿勢〟と〝逞しいペニス〟のコントラストに、愛理は一種の神々しささえ感じていた。

 「分かった……待ってて」

 愛理は言われた通りに衣服を脱ぐ。

 愛理の鼓動が早まり、沸騰しそうな血液が全身をめぐって、肌がみるみる熱を帯びてゆく。

 愛理の中の〝オンナ〟が、臨戦態勢を整え始めた。



 黒のTバックを脱ぎ捨て、愛理は全裸になった。

 時間はまだ午前10時前。白昼堂々、オンナ同士が〝性行為〟に挑むため、生まれたままの姿で対峙する。

 目の前に立つケイは、およそ身長170cm前後。
 恭子よりは低いが充分な長身であり、153cmの愛理の目線は、ケイの円錐型でツンとした張りのある乳房の付近にある。

 脚が長い。ウエスト位置が高い。顔が小さい。

 美しいケイが、氷のような瞳で愛理を見下ろす。

 「今からセックス……するのよね?」

 愛理は不安な気持ちを悟られぬよう、幾分か語気を強めてケイに問う。

 「ええ、その前に……守ってほしい事があるの」

 ケイは愛理の顔をじっと見つめながら、眉ひとつ動かさずに話を続ける。

 「まず、今から私と愛理は2日間、この部屋でひたすらにセックスをする。食事と仮眠以外は、すべてセックスで時間を過ごす。その間は、服を着ることも、外出することも許さない」

 「えっ……!?」

 ケイの言葉に愛理は絶句する。言うなればそれはすなわち「48時間耐久セックス」である。

 「待って!そんな……」

 「次に」

 ケイが愛理の異議を目線で制する。反論などさせないという強い眼差しに、愛理は自然と黙ってしまう。

 「次にセックスの時のルール。とても簡単なことよ。私が〝イけ〟と言った時だけイキなさい。そして〝イクな〟と言ったら我慢しなさい。あと、セックスでは常に〝責める姿勢〟を止めないこと。以上」

 「……ッ!」

 一方的に告げられた、過酷なルール。

 だが、今の愛理に拒否権など無かった。

 負けないため……いや、〝勝つため〟にここに来たのだ。

 「……分かったわ、やりましょう」

 「よし……素直な娘ね」

 ケイは愛理を力強く抱き寄せ、真正面からキスを交わした。



 柔らかなシルクのシーツに、横たわった女2人の影が滲む。

 チュパッ❤︎ジュプッ❤︎チュッ❤︎チュッ❤︎

 愛理はケイの乳房を丹念にねぶりながら、右手でケイのペニスをしごく。

 突起した乳首をコリコリと舌先で転がしながら、不意に前歯で甘噛みしてやると、ケイの腰がピクンッ、と跳ねる。

 「んッ……さすがに舌使いは上手ね。緩急もイイ感じ……」

 「ジュプ……んふッ❤︎」

 愛理は上目遣いにケイの反応を見ながら、口内に溜まった唾液をケイのペニスに垂らす。

 もったりと重たい粘りの唾液が、きめ細やかなペニスの表面をヌラヌラと滑り落ちてゆく。

 「ここからが私の本領発揮よ❤︎」

 愛理は手のひら全体を使って、唾液をペニスに塗り込む。亀頭の先から陰嚢の裏まで、〝愛理印の天然ローション〟でネットリと表面をコーティングしてゆく。

 だがケイは平然とした口調で、愛理の目論見を牽制する。

 「ひょっとして、私を手コキでイカせるつもり?何分掛かる事かしら」

 小馬鹿にしたようなケイの態度が、愛理の闘争心に火を着けた。

 「……ふぅん、大した自信じゃない」

 うらめしい目線でケイを睨みつけ、ペニスを握る右手に力を込めた愛理。
 
 「後悔しないでよッ❤︎」

 手のひらに持て余す程に長いケイのペニスを、上下に激しくしごき始める。

 親指と人差し指で輪を作り、カリ首付近をキュウキュウと締め付けるように刺激すると、ペニスはより一層硬度を増してゆく。

 「ふふ、こんなカチカチに勃起して……今すぐ射精したくて堪らないんじゃない?❤︎」

 言葉でケイを挑発する愛理。

 だが、ケイは表情ひとつ変えず、呼吸すら乱していない。

 「愛理、陰茎コックに気を取られ過ぎ。もっと相手の反応を見ながら責めなさい。ほらッ」

 「あッ!?んむゥッ❤︎」

 チュプッ❤︎

 ケイは愛理の身体を抱き寄せ、強引にキスをする。突然のケイの反撃に驚き、愛理はペニスから手を離してしまう。

 「ジュパッ❤︎んンッ❤︎んむッ❤︎んちゅッ……❤︎」

 ケイに強く抱かれながら、舌をねじ込まれて口内を掻き回される。

 冷めた態度とは裏腹に、情を感じさせる深く甘いキスに、愛理の肉体と思考は瞬時にとろけてしまう。

 「んぷッ❤︎……はぁッ❤︎はぁッ❤︎」

 ケイが唇を離すと、愛理は惚けた目線で見つめ返す。
 先程までの勝ち気が嘘のように、キス一発で〝ただの雌〟にされてしまった。

 「だらしない顔……しっかりしなさいッ」

 そんな愛理をケイは叱責し、愛理の乳首を指で摘み、目一杯の力でつねる。

 「あィッ!?痛いッ!乳首ィッ!」

 「愛理、恋人同士のセックスじゃないんだからね?イクか、イカされるか、ここをEl Doradoエルドラードのステージだと思って……戦いなさいッ」

 ドォッ

 「あぅぅッ!」

 ケイが愛理の身体を押し倒す。ベッドに転がされた愛理は、痛めつけられた乳首を押さえてうずくまった。

 「さぁ、早く起きなさい。責め続けること……って言ったはずよ?愛理」



 愛理は表情に怯えを滲ませながら、ケイを睨みつける。

 「あぐッ……はぁッ、はぁッ……分かってるわよ……!」

 すぐさま愛理は飛び起き、今度はケイの後ろに回り込む。

 背後から、ケイのペニスと乳房の両方を責めていくつもりのようだ。

 (あれだけ硬く勃起していたチンポ……感じていないハズがないわ!)

 「んッ……プッ!!」

 愛理はもう一度手コキを試みるために、自らの手のひらに唾を吐く。

 「今度こそ仕留めてあげるわッ!」

 鋼の如く隆起したケイのペニスを背後から握り込み、手荒にゴシゴシとしごきあげる。

 シコシコシコシコシコシコシコシコ……❤︎

 唾液の潤滑を存分に用いたこの〝愛理のハンド・ジョブ〟は、1か月間のヤリ部屋生活で修得した、いわば愛理の必殺技だ。

 (この技をまともに食らって射精しなかった客はいないわ……ましてや背後からなら、私の独壇場よッ!)

 愛理は右手でケイのペニスをしごきながら、左手でケイの乳首を責める。
 乳輪がプックリと膨らんだ色素が薄めのケイの乳首を、中指の爪を使ってカリカリと引っ掻いてやる。

 「んッ……はッ……❤︎」

 (?……効いてる……!?)

 ケイの口から吐息が漏れ、眉間に皺が寄る。
 プレイが始まって以来、初めてケイが見せた反応だった。

 (チャンスかもしれないわ……!)

 愛理は今を好機と見て、スパートを掛ける。

 「いくわよッ!やぁッ!」

 「うッ……」

 愛理はケイの腋下から腕を回し、そのまま後ろに倒れ込むと、仰向けになったケイの太ももの間にすかさず自ら両脚を滑り込ませて膝をガッチリと固定する。

 (よし!これでケイは動けない!)

 愛理はフィニッシュを果たすべく、ケイのペニスを激しく責め立てる。摩擦により唾液が泡立ち、クチュクチュと卑猥な音が部屋に響く。

 「ほらイけッ❤︎イけイけイけッ❤︎」

 〝数秒後に起こる射精〟を確信する愛理。

 だが、その目論見もくろみはあっさりと崩れた。

 「ふッ……うんッ!!」

 「きゃッ!?」

 ケイが勢いをつけて両脚を閉じると、愛理の足での固定はいとも簡単に外されてしまった。
 ケイはそのまま身体を捻って反転し、愛理の身体に覆い被さった。

 「ふぅ……今度は私の番……」

 「……ッ!?なんっ……!?」

 あまりにも鮮やかな形勢逆転に、愛理はパニックになる。
 だがケイは、困惑するばかりの愛理に対しても容赦は一切しなかった。



 ギュッ……!

 「かはッ!?」

 ケイは愛理の首に手を掛け、握力で頸動脈を圧迫する。

 「ほら愛理、逃げなきゃ死んじゃうよ?」

 「あぐッ!?くぁぁ……ぁ……ッ」

 愛理の顔から見る見るうちに血の気が引いてゆく。
 愛理は苦悶に表情を歪ませながらも、歯を食いしばり両手でケイの腕を振り解こうとする。

 (苦し……も……無理……ッ)

 意識が朦朧もうろうとして、視界が霞む。まるで強烈な微睡まどろみの中に堕ちてゆくような快感に、肉体が支配されてゆく。

 「……ふんっ」

 その時、ケイが愛理の首から手を離した。

 「んはぁッ!……あ……はぁ……」

 解放された愛理の顔にじんわりと愛理の血色が戻り、やがて意識も判然とする。

 「何……なにすんのよ……危ないじゃない」

 意識を失いかけた愛理はケイに抗議するが、ケイはまるで聞く耳を持たない。

 「愛理さ……あんた、マゾ?」

 「なッ、ちが……あぅッ!?❤︎」

 ケイが愛理の股間を指で弄ると、ネチャネチャと糸を引く粘着質な音が鳴る。

 「こんなにヌルヌルに濡らして……手荒くされて、興奮しちゃってんだ?」

 「違うッ!これは……キスで……」

 「キス?キスだけでこんな濡れちゃうの?勝手に期待して、どっちにしろマゾじゃない」

 「違う……違うの……!」

 ケイは濡れた指を舐めながら、愛理の恥辱を煽る。
 愛理はまともに反論できず、ただ両手で顔を覆って羞恥を噛み締める事しかできない。

 その時。

 チュクッ……ズ……プッ……❤︎

 「おッ……!?」

 一瞬の出来事だった。

 会話に気を取られ、ケイの動きから注意が逸れたその隙を突かれたのだ。

 「ほら、いきなり大ピンチだけど……どうする愛理?」

 愛理の膣内に、ケイのペニスが挿入されていた。



 愛理の膣壁を拡げながら奥へ奥へと挿入されるケイのペニスは、ゆっくりと、しかし確実に愛理の肉体の〝最深部〟を目指して突き進んでゆく。

 「ふーッ❤︎ふーッ❤︎んぐッ……くッ❤︎」

 まさに〝馬並み〟と言うのだろうか。 
 
 規格外の長さを誇るケイのペニスが、愛理の秘部を遠慮なしに犯す。

 (苦しッ……すごっ……太いッ……❤︎)

 コツッ❤︎

 「ん"ォォッ!?❤︎」

 腹の中から、内臓を突き上げられる感覚。

 ペニスが辿り着いた先は、オンナの最も弱いだ。

 「ほッ❤︎……しッ……子宮ゥゥッ❤︎」

 愛理が白目を剥き、口角からは唾が飛ぶ。

 それは、極めて〝苦痛〟に等しい〝快感〟であった。

 「チビっ娘だから膣内ヴァギナも浅いのかしら?まだしか入ってないけど」

 悶絶する愛理をケイは気にする素振りも見せず、身勝手に腰を振り始めた。
 
 ギッ、ギッ、ギシッ……

 ベッドのスプリングの反発を利用し、ケイのしなやかな腰と小さな尻が前後に動き始める。
 それはまるで機関車のピストンのように、ゆっくりと、なめらかに、そして次第に力強くなってゆく。

 「お"ッ❤︎ほォ"ッ❤︎まッ❤︎待ってッ❤︎ケイッ❤︎」

 愛理はケイの手首を掴んで引き剥がそうとするが、呆気なく振り解かれてしまう。

 「愛理?そうやってステージでも〝待って〟って相手にお願いするの?自分で抜け出してみなさい」

 「そッ❤︎そんなッ❤︎無理ッ❤︎無理よッ❤︎あンッ❤︎はァァッ❤︎」

 ケイのペニスが、愛理の〝オンナの尊厳〟を容赦なく突き崩す。

 ひと突きされる度に愛理は情けない嬌声をあげ、肉体の抵抗が瞬く間に脱力してゆくのを感じていた。

 たくましいペニスにカラダを愛され、身も心も〝メス〟に堕ちてゆく──。

 「くッ❤︎くァァッ❤︎イッ❤︎イクッ❤︎だめイクイクぅぅッ❤︎」

 抗えない性的絶頂オルガズムを宣告すると、ケイは腰をピタリと止めた。



 「イッ❤︎……??……ぉ……?❤︎」

 昇り詰めるはずの絶頂の快感が、あと一歩で辿り着けない。

 やり場のない、宙に浮いたような、切なく、歯痒い感覚に、愛理は苦悶に顔を歪ませてケイを見た。

 「初めに言ったはずよ。私が〝イけ〟と言ったらイクの。勝手にイクのは許さない」

 「そッ、そん……無理ィィ……❤︎イカせて……一回……イカせて……❤︎」

 愛理は瞳を潤ませ、首を横に振りながらケイに慈悲をう。

 「可愛い顔したってダメよ?私はね、甘くはないわ」

 ズンッ!ズチュッ、グチュッ!

 「おごッ!?❤︎ほォォォォォォッ!?❤︎んォォォォォォッッ!!❤︎❤︎」

 ほとんど暴力とも呼べるようなケイの腰使いに、愛理の小さな身体が激しく揺さぶられる。

 愛理は脳がひりつくような程の快感の波状攻撃を浴びせられながら、獣のような叫びで絶頂を必死に堪える。

 (おッ❤︎イキそッ❤︎イグッ❤︎イグぅぅッ❤︎無理ッ❤︎これ以上は無理ッ❤︎マンコが死ぬゥゥッ❤︎)

 「あ"──────ッッ❤︎❤︎❤︎イ"グッ❤︎❤︎イ"ッ……ぉ……??」

 天井が割れんばかりに吼える愛理。

 だが無情にも、ケイはまたもや寸前で腰の動きを止め、今度はペニスを引き抜いてしまった。

 ケイは無言のまま愛理から離れ、ベッドから降りようとする。

 「はッ❤︎はぁッ❤︎……ウソッ、待ってッ!ヤダッ!、ヤダ、イカせてッ!お願いイカせてッ!もうおマンコ無理なのッ!」

 愛理も飛び起き、ベッドから去るケイの背中にすがり付いて懇願するが、ケイは愛理の肩を突き飛ばしてキッチンへと歩き出す。

 「愛理、その〝イキ癖〟を治さない限り、到底El Doradoエルドラードでは勝ち上がれないわ。少し冷静になりなさい、10分後に再開よ」

 ケイは冷蔵庫から取り出したペットボトルを一口飲むと、それを愛理に向けて投げ渡す。

 手のひらに感じるミネラルウォーターの冷たさが、愛理の意識を現実へと戻した。

 (私……弱すぎる)

10

 ベッドに背を向け、ソファに足を組んで腰掛けるケイと、ベッドの上で呆然とへたり込む愛理。

 性的絶頂オルガズムが許されない悶々とした苦しみと、〝セックスの途中で放置される〟というオンナとしての屈辱に、愛理の心は折れかけていた。

 うつむいたまま黙り込む愛理に、ケイが振り返らずに問い掛ける。

 「今まで随分と〝自分勝手〟にセックスをたのしんできたみたいね。プレイにもそれが現れてる」

 「!」

 ケイは煙草の先に火を着けると、紫煙を天井へ向けて吹きつける。

 『自分勝手なセックス』……。

 それは奇しくも以前、史織から言われた言葉と同じだった。

 ネットの出会い系でウリ専レズをやっていた頃、愛理はまさに〝女王〟であった。

 愛理はその美貌を武器にして、客も、条件も、プレイ内容も、自らがしたいことだけを選ぶ、まさに〝ヤリたい放題〟──。

 好きなだけイカせ、好きなだけイク。

 だが、そんな愛理の傲慢ごうまんなプレイスタイルを、初めて打ち破った相手が恭子だった。

 (私、あの時から全然変われてない……)

 洋煙草の甘怠あまたるい薫りが、愛理の鼻腔をほのかにくすぐる。

 愛理はボトルに口をつけ、ミネラルウォーターを頬一杯に含むと、それをゆっくりと飲み下した。

 ゴクッ、という喉の鳴る音を合図に、ケイがソファから立ち上がる。

 「……さぁ、続きを始めましょう」

 ケイは煙草を灰皿に押し付け、ソファの背もたれを長い脚で軽く飛び越えてベッドへと近づく。

 着地と同時に、ケイの肉竿が上下にしなる。

 中断から約10分強を経てもなお、ケイのペニスは硬く天を突いていた。

11

 「ケイ、待っ……キャッ」

 ケイは無言のままにじり寄ると、まだ心の準備が整わない愛理を突き飛ばして仰向けに倒す。

 「待って!また……我慢なんでしょ?」

 愛理の不安げな問いに、ケイは小さく頷いた。

 「そう、勝手にイク事はダメ。愛理も分かってるでしょ?El Doradoエルドラードはイカせた者が勝つの。だったら〝イキやすい体質〟なんて、圧倒的に不利なのよ?」

 「でも……そうだけど……!」

 長年のセックス経験で、愛理にとって性的絶頂オルガズムは〝排泄行為〟のようなものになっていた。

 イキたいからイク。気持ちいいからイク。

 もはや生理現象ともいえる性的絶頂オルガズム──。

 「自分で絶頂をコントロールできるようにならないと。快感に振り回されるだけなら、それは単なる自慰行為マスターベーションと変わらないわ……」

 ケイは淡々と愛理を諭しながら、硬く張り詰めた亀頭を愛理の陰裂に突き立てる。

 「さぁ、負けたくないなら……死にもの狂いで耐えなさい……」

 「ひぃッ!?……はッ、あゥッ!……ぅ……❤︎」

 生殺しの快楽地獄。

 決して抗えない〝本能の肉欲〟に、それでも必死に〝理性の誇り〟で抗おうとする哀れな女。

 愛理とケイのセックス漬けの2日間は、まだ始まったばかりである。
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