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1.愛理と恭子

愛理、覚醒。

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 誰もが褒めそやす美貌と肉体。その武器のみで、愛理は世を渡ってきた。
 この身体カラダの価値は、愛理自身が一番よく理解していた。この美貌で惑わせ、この肉体が金を産んだ。

 だが今、愛理は生まれて初めて〝惑わされて〟いた。

 その日初めて会った、長身でボーイッシュな出で立ちの「恭子」という女。
 対面した時から感じた「匂い」と「恐怖」。愛理が感じたその感覚は、おそらく〝雌〟の直感だった。

 逞しく隆起した陰茎ペニス。生殖能力を誇示する様にズッシリと垂れ下がる睾丸キンタマ

 その裏にある恭子本来の女性器よりも誇示されるそれは、「ふたなり」という男女両方の生殖器を併せ持つ性。
 愛理も言葉では理解していたが、ふたなりである人物に会うのは初めてだった。

 そのふたなりである恭子に買われ、ラブホテルで今まさにセックスをしている。

 「あぐッ❤︎うぉぉ……❤︎深いィ…❤︎」

 「ふふ…鳥肌立ってる……❤︎そんなに気持ちいい?もっと激しいのが好きかな?愛理、どうされたい?❤︎」

 頭ひとつ以上大きな体躯の恭子に正常位の体勢から体重を浴びせられ、愛理はまるで身動きが取れない。
 恭子は愛理の唇や頬、首筋を舌で舐りながら、ペニスの長さを活かしてゆっくりと腰を前後にストロークさせる。

 愛理の腕も恭子の差し込んだ両腕のパワーでガッチリと固定され、もはや何もできずに与えられる快感にひたすら鳴き声を上げる事しかできなかった。

 不意に両乳首を強くつねられる。それも、愛撫のレベルを超えた万力のような恭子の力で、グリグリと指先で擦り潰されるように引っ張り上げられる。
 突然乳首に奔った鋭い痛みに、愛理は思わず絶叫した。

 「あィッ!?痛いッ!乳首やめッ……いたいいたいィィ!!」

 「乳首イジメて欲しそうだったからグリグリしてあげる❤︎嫌いじゃないでしょ?……あッ❤︎あッ❤︎乳首引っ張るとマンコきゅんきゅん締まるよッ❤︎チンポイカせようと頑張ってる❤︎」
 
 痛みによる反射で全身の筋肉が硬直し、膣も自ずと包んだペニスを締め上げる。
 反射運動の不可抗力を「媚び」の様に指摘され、愛理は激しい羞恥に震える。

 「こ…の……ふざ……うぁぁぁッ❤︎❤︎」

 「ぢゅぅぅぅッ❤︎チュパッ❤︎チュ……パッ❤︎」

 手荒い恭子の責めに抗議の声を上げようとした矢先、今度は乳首を口唇で強く吸われる。
 先程抓られた影響でジンジンと疼く乳首は、まるで神経を剥き出しにされたように過敏になっており、激しく舐られた愛理は身体を退け反らせて善がり狂う。

 「あ"ァ"❤︎う"ぁぁぁッ❤︎ちくびダメェェェ❤︎❤︎吸っちゃダメェェ❤︎❤︎❤︎」

 呼応するように膣内が汁気を増してグイグイと締まり始める。その予兆を、恭子は見逃さない。

 「愛理イキそう?イク時はキスして❤︎繋がりながらイッて❤︎❤︎」

 「イッ❤︎…そんっ……イヤぁ……❤︎」

 恭子が愛理の両手を握り指を絡め、顔を愛理の鼻先まで近付けながら囁く。それと同時に、挿入したペニスの運動を早めて愛理を〝仕留め〟に掛かる。

 「ホラ愛理イッて❤︎イッて❤︎チンポで突かれておマンコイッて❤︎見ててあげるっ❤︎❤︎❤︎」

 「おッ❤︎あッ❤︎あッ❤︎おゥ❤︎イッ❤︎イッ❤︎イグッ❤︎イグッ❤︎んッ~❤︎チュパ❤︎チュ❤︎ふーっ❤︎チュッ❤︎……あ❤︎あ❤︎あ❤︎イグイグイグイグイグぅぅぅ❤︎❤︎❤︎」

 恭子が腰の動きを早めてものの数秒で愛理が恭子にすがるようにキスをする。
 性的絶頂への到達を、キスをもって相手に報告した、愛理にとって降伏を意味する屈辱のキス…。  
 
 愛理はとっくに限界を迎えていた。

 「イ"ッ……グゥッ❤︎❤︎❤︎お"ッ❤︎❤︎❤︎」

 恭子の筋肉質な腕に抱かれながら、愛理は呆気なく果てた。

 レズビアン専門でウリをしていた女が初めて経験する「本物のペニス」とのセックス。プレイシチュエーションなど一切無い、裸の女同士の本気のセックス。
 責めるセックス、従わせるセックスだけをしてきた愛理を待ち受けていたのは、「パワーに蹂躙される屈辱」と「その中に芽生えた不自由の快楽」だった。

 「あ"ぁ"…❤︎ハァ…ハァ……おぉ…❤︎」

 汗をびっしょりと掻いた額や首、胸元や背中にまで長い黒髪がへばり付き、虚ろな眼は微かに潤み、唾液に濡れぽっかりと開いた口からは荒々しい吐息が艶めいた絶頂の余韻と共に漏れる。

 だらんと大股を開き、両腕を力無く放り出して脱力するが、姿勢を整える余裕すら今の愛理には無い。

 「派手にイッちゃったね❤︎我慢できなくてソッコーでキスおねだりしちゃう愛理、可愛かったよ❤︎」

 「あぅ……❤︎」

 恭子は愛理に軽くキスをすると、幼子を慈しむように頬を合わせて抱き締めて頭を撫でた。
 普段は尊大で自信に満ちた振る舞いを真骨頂とする愛理だが、今はただ恭子から一方的に与えられる〝愛〟の甘美な味に浸っていた。



 絶頂の余韻が肉体の芯に燻り未だ冷めやらぬ中、ベッドに横たわる愛理の上半身が恭子の腕の力でヒョイと起き上がらされ、恭子の膝上に向き合って座らされる。いわゆる対面座位の姿勢だ。
 愛理が絶頂を迎えた後も恭子のペニスは挿入されたままで、担ぎ上げらた愛理の体重がそのままペニスを再び深部へと呑み込んだ。

 「キャッ……あゥゥッ❤︎」

 「愛理?いつまでも膣内ナカイキの余韻に浸ってないで…私まだイッてないからね❤︎」

 「あッ❤︎深ァ……イッ❤︎」

 座位への移行の刺激だけで、またも愛理は小さな絶頂を迎えてしまった。肩や膝が震え、ヒクヒクと膣内のヒダがペニスを締め付けながら痙攣する。
 恭子の言葉などそっちのけで快楽に浸る愛理に、恭子は呆れたような苦笑を浮かべながら抱き寄せる。

 「イッてるのバレバレだよ?もうマンコがバカになっちゃったかな。一晩でどれくらいイケるか、試してみよっか?❤︎」

 「ふぁぁ❤︎いッ…一回…休ませて…❤︎」

 「まだダメ❤︎私がイッたら、休ませてあげる❤︎」

 そう言うと、今度は恭子がベッドに仰向けに寝転んだ。愛理はその上に跨がり、キョトンとした表情で恭子を見下ろす。
 正常位から対面座位、そして今度は騎乗位。目まぐるしく体位を変えるアクティブなセックスは、恭子の得意のパターンであった。

 「じゃあ、今度は愛理が責めてみて❤︎愛理のマンコで、私のチンポをイカせてよ❤︎」

 大の字になり、全くの無防備で挑発する恭子に、曖昧だった愛理の意識がにわかに呼び戻される。
 恭子から一方的に愛されてしまった愛理自慢の肉体は、まだ何も本領を発揮していない。ただ組み伏され、舐られ、ペニスを挿入され、恭子の胸に抱かれて果てただけだ。そんな無様なセックスで終わることは、愛理のプライドが許さなかった。
 
 「恭子……本気のセックスを見せてほしいって…言ってたわよね……」

 「うん。愛理、こんなもんじゃないでしょ?見せてよ、愛理の本気セックス❤︎」

 「だったら……愛してあげるわ……恭子……❤︎」

 愛理は不意打ち気味に恭子にキスをすると、ゆっくりと腰を動かし始めた。



 キスを交わす時も、二人が目を閉じることは無かった。

 猫のように潤んだ大きな瞳を一際見開き、相手を威嚇する様に睨みつける愛理。片や、切れ長の涼しい目線で愛理の瞳をじっと見据える恭子。
 キスと、視線と、性器で交じり合い、互いに一歩も譲らないという意志をぶつけ合う。
 どちらの〝愛〟が上なのか、言葉にしなくとも、二人はこのセックスに互いのプライドを懸けた。

 「ぷはッ❤︎……ねぇ恭子、私たち…似てるって思わない?」

 「え?…性格のこと?」

 「うん…今日初めて会って、お互い素性も分からないのに、何だかそんな気がするの…」

 「はは…確かに、負けず嫌いなトコは似てるんじゃない?」

 「もう……そういうトコよ……!」

 愛理は膣をすぼめるように下腹部に力を込める。ゴリゴリとした〝太い異物〟が腹の内側に当たり、膣壁を乱暴に撫でつける。
 先程までに無かった刺激に、恭子も堪らず声を上げる。

 「おッ❤︎締まるッ❤︎愛理それヤバイッ❤︎」

 余裕の表情が一変し、ペニスへの刺激に耐える恭子。
 その悶える大きな女の上に跨がり、ロデオマシンのように腰を前後にグリグリと押しつけるように動かす小さな女、愛理。
 恭子の反応を見て、先程のお返しとばかりに意地悪な笑みを浮かべ、ここぞとばかりに恭子のペニスを肉壺で扱く。

 「ほらッ❤︎あンッ❤︎恭ッ…子ォ❤︎チンポッ……気持ちいいんでしょッ❤︎」

 「気持ちいッ❤︎すごッ…愛理ッ❤︎あぁぁッ❤︎」

 愛理の膣は恭子のペニスを丸々呑み込み、亀頭の先の鈴口はピッタリと子宮口に〝口付け〟していた。
 それでも愛理は臆することなく腰を揺すり、グリグリと擦り付けるように恭子のペニスを責め立てる。
 それと同時に、恭子のゴム毬のように弾力のある乳房や、じっとり汗の滲む脇にむしゃぶり付き、絶頂への性感を昂めることに余念のない愛撫を魅せる。

 小さな身体で大きな恭子に必死にしがみつき、文字通り全身で懸命に奉仕する愛理だったが、先に絶頂へと昇り詰めたのは恭子ではなく責めていたはずの愛理であった。

 「あ"ッ❤︎あ"~~ッ❤︎あイクッ❤︎またイクッ❤︎おマンコまたイグぅぅぅぅぅぅ❤︎❤︎❤︎」

 一度性的絶頂オルガズムを迎えた愛理の性器は極めて過敏になっており、なりふり構わぬ騎乗位の責めは愛理自身の2度目の絶頂を促した。

 恭子の腹の上でガクガクと膝を震わせ、食い縛った口からは涎が垂れ落ち恭子の胸元あたりを濡らす。
 3回、4回と愛理の腰が跳ね上がり、丸い尻が上下に弾むと、愛理はとうとう耐え切れずに恭子の胸に顔を突っ伏してしまった。

 「お"ッ……お"ぉ"……ぉぅ……❤︎」

 「あはっ❤︎残念❤︎もうちょっとでイケそうだったのに…。頑張ってたけど、また愛理の方が先にイッちゃったね…❤︎」

 乱れたロングの黒髪と汗に濡れた背中を、恭子が労うように優しく撫でてやる。

 「うあ❤︎あッ❤︎……うぅ……今触っちゃダメぇ……❤︎」

 「イッたばっかで敏感になってる。愛理のカラダ、もう全身性感帯だね❤︎」

 恭子は満面の笑みで愛理の身体を強く抱きしめると、そのまま指先で愛理の臀部をくすぐる。だが今の愛理には、そんなささやかな感触さえ、まるで性器を舐られているかのような快感だった。

 「あンッ❤︎はぁぁ❤︎お尻ぃ…❤︎ヤバイぃぃ❤︎」

 「スケベなボディになっちゃって…❤︎愛理ちゃ~ん?勝手に気持ちよくなってる場合じゃないよ~?チンポイカせないと終わらないよ~?❤︎」

 ふざけた調子で問い掛ける恭子だったが、その次には平手で愛理の尻をピシャリと勢いよく叩いた。乾いた音の刺激に、快感に蕩けていた愛理も反射的に全身を強張こわばらせる。

 「いッ!?……うんッ❤︎」

 「あ、今キュッと締まった❤︎まだまだ愛理のマンコが咥えて離さないよね❤︎」

 「ちがッ……くぁッ❤︎!?❤︎」

 愛理の否定の言葉を遮るように、恭子はもう一度ピシャリと愛理の尻を打つ。先程よりも強く、鋭い痛みが愛理を襲う。

 「はぁッ❤︎うぅ…恭……アンタねぇ……!」

 「ほら、睨んでる暇あったらドンドン責めなきゃ❤︎それとも、また私が責めたげよっか❤︎」

 恭子はいきなり腰を真上に突き上げる。腹上の愛理の体重など物ともせず、いわゆる「ブリッジ」のような体勢で、愛理の身体を背筋力で跳ね上げた。
 肌と肌がぶつかる「パンッ」という音が響き、その後には叫びにも似た愛理の声が部屋にこだまする。

 「あぁぁぁッ!?❤︎はンッ❤︎ふゥゥ❤︎❤︎❤︎」

 「はッ❤︎はッ❤︎はッ❤︎ほらッ❤︎愛理ッ❤︎しっかりしてッ❤︎」

 恭子の責めがいきなり始まる。ベッドスプリングの弾力と恭子自身の下半身のパワーで、下から愛理を激しく突きまくる。
 太い肉の杭が愛理の秘所を容赦なく内側から抉る。その圧倒的なパワーから繰り出される突き上げは、愛理の腰が浮くほどに激しく、しかし的確に愛理の〝弱い部分〟を刺激してきた。

 少し油断すればすぐにでも気をってしまいそうな、意識が脳から消し飛んでしまいそうな、そんな恐ろしいほどの大きな快感の波が押し寄せてくるのを愛理は感じ取る。
 1度目や2度目よりももっと大きな、今宵最大の、いや、ともすれば「今まで味わったことの無い程の性的絶頂オルガズム」が、愛理に襲い掛かろうとしていた。

 「ん"ッ❤︎ん"ぁ"ぁ"ッ❤︎イッ……ダメダメダメッ❤︎ヤバイヤバイヤバイぃぃぃぃ❤︎」

 心臓の鼓動が聞こえそうな程に心拍数が上がり、全身が震えて汗が噴き出る。目の前がチカチカと点滅し、ペニスを深く突き動かされる度に膣内で感じた快感が、まるで電撃のように身体中を駆け巡る。
 経験したことの無い身体の反応に愛理はいよいよ恐怖を覚え、恭子から逃れようと必死にもがく。だが、そんな愛理の抵抗は恭子の全力の抱擁を前にしてまるで無意味なものであった。

 「ひぃぃッ❤︎クるッ❤︎スゴイのクるッ❤︎嫌ァァッ❤︎無理ィィ……ム"リ"あ"ッ❤︎あァァァイグイグイグイグイグイグぅぅぅぅぅぅ❤︎❤︎❤︎」

 「まってッ❤︎イクからッ❤︎私もイクッ❤︎愛理ッ❤︎一緒にイこッ❤︎イクよッ❤︎出すよッ❤︎出るッ❤︎でるでるッ❤︎くォォッ❤︎イック❤︎イクイクイクイク❤︎❤︎❤︎」

 「「イ"ッ………グゥゥッ❤︎❤︎❤︎❤︎」」

 重なり合う二人の女の、獣のような共鳴と肉体の融合。全力で〝愛〟をぶつけ合った愛理と恭子は、今宵初めて同時に絶頂した。



 二人で昇り詰めたエクスタシーの余韻は、生臭い体液の匂いと、火照った肌の温度、そして嗚咽にも似た呼吸音だった。
 一足早く恭子は呼吸を整えると、未だ腹上で突っ伏したまま動けずにいる愛理の肩を揺さぶった。

 「ハァ…ハァ…❤︎あ~すっご…❤︎……愛理?大丈夫?」

 「ゼェ……ゼェ……あゥ……❤︎」

 片や愛理は返答すらままならない。余程の快感だったらしく、今なお全身は小刻みに痙攣し、時折弱々しい呻きを漏らしながら、甘く切ない絶頂の余韻に耽っている。

 そんな〝完全ノックアウト〟な愛理の身体を恭子は優しく押し除け、深く挿さったペニスを膣から引き抜く。

 「んんっ……んぁッ❤︎」

 ズルンッ、と抜かれた恭子のペニスは、射精によりやや角度は落ちているものの、未だ確かな硬度を保っている。
 装着したコンドームには白濁した濃厚な精液ザーメンがたっぷりと注がれ、恭子は右手で器用にそれを剥き取った。

 「うぉ…すっごい出た……❤︎」

 愛理の膣内で身勝手に吐き出された恭子の精液をしっかりと受け止めたコンドームは、確かな重量を感じさせるように恭子の指先で揺れている。
 満足そうにそれを見つめる恭子は、ペニスから吐き出されたばかりの温もりあるそのコンドームを、ベッドに突っ伏す愛理の顔の前で見せつけてクスクスと笑った。

 「ゴムあって良かったね❤︎こんなん出されてたら妊娠しちゃうよね❤︎」

 そんな恭子の軽口も、愛理の耳に届いているかは分からない。今はただひたすらに、全身を包み込む性的絶頂オルガズムの快感の波の満ち引きに肉体と精神を委ねながら、いつの間にか眠りに落ちた。

 愛理が初めて経験した〝支配されるセックス〟。

 それを与えたふたなりのレズナンパ師〝恭子〟

 愛理という一人の女の運命が、ゆっくりと動き始めた。
 
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