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第3章 獣人族の町〈ヒュユク〉
第37話:依頼の旅【中編Ⅱ】
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恐る恐るソフトクリームを口に含んだチャタルさんと傍付きさん。
その直後、二人は硬直した。
「お、おいしい」
チャタルさんはそう言うとソフトクリームを一気に食べていく。
「何ですか?この甘いものは」
「これはソフトクリームと言って牛乳を使って作ったものです」
「あの臭みが嘘のようだ」
傍付きさんはソフトクリームを眺めながらそう言った。
「それは常温保存だからですよ。冷やせば臭みはそれほどありませんよ」
それでも牛乳は苦手と言う人は多くない。逆にバカみたいに牛乳好きな奴《おれ》もいた。前世では学校の給食で、よく牛乳をジャンケンで取り合っていたのを思い出す。
本当に懐かしい・・・・・・。
「この、ソフトクリームとゆうえんち?とやらで本当に繁盛できるのか?」
チャタルさんは少し前まで、「これなら繁盛できるぞ!」とか言っていたのに、もう不安になっている。
確かに100%繁盛する保証はない。ただ、繁盛するかどうかはやってみないと分からないものだ。
でも、前世では遊園地はいつになっても大人気だったから大丈夫だと思う。
「お~い!タクミ~!」
といいタイミングで帰ってきたのはロビン。ロビンはアルフの森の木々を持ってきている。
「お待たせしましたご主人様」
とクリハも帰ってきた。
クリハはイルーヴァタールに行ってトーリンさんと共に鉄鉱石を取ってきてもらった。
「さて、材料がそろったし始めるか」
そう言いながら、俺はこの日を始めに遊園地づくりを始めたのだ。
朝から晩まで必要最低限の量の食事と睡眠をとって、作っては食べて、作っては食べて作っては寝て、また作る。
その繰り返しが3日も続いたのだ。
しかし、3日も掛けたのにまだ8割しか完成していなかった。
思った以上に作業の進みと魔力消費が激しく、出来る作業は限られている。
そんな魔力を回復がてらに休憩を挿み、ロビンの元へ行こうとする。
「大変だー!」
そう思っていた時にロビンは俺のところに来た。
「どうかしたのか?」
「どうしたもこうしたもない!あんな大きなものを作ったら、周りの住民や、国の兵士が視察に来てるんだよ」
まあ、この世界の住人からしたらそうなるよな。
いきなり訳の分からない鉄の塊がでかでかと立たれたらそりゃあ、近くの人間は驚くわ。
しかし、ホワイト企業でサラリーマンとしての俺の血がこんな絶好の機会を逃すわけがない。
「なら、国の兵士、他国の人たちを入れてくれ」
「まだ、完成してないんだろ?」
「ああ、だけどこれは当日のお楽しみとして、宣伝してもらう」
視察に来た兵士が情報を広めたり噂が広まったりするだろう。そうなれば大儲け間違いなし。
「なるほど。そうなるとG|《ギガ》がガッポガッポ」
「「うッひッひッひッひッひっ」」
不気味な笑いが込み上げてきて、堪えられず漏れ出てしまう。
「さて、ロビンとクリハ、案内頼めるか?」
笑い顔さっまたころ、ちょうどクリハもいたので二人に聞く。
「まかせろ!」
「承知しました」
二人はそう言って案内役をしてもらう。その間俺はまだ完成していない物を完成に向けて作業を再開する。
それから数時間後、トーリンさんが様子見に来たのだ。
「あれ、もうやってるのか?」
「いえ、宣伝をしてもらうために」
「さすがだな。それはそうと、明日は貸し切りにしてくれないか?」
「どうしてですか?」
「国王が来る」
沈黙が流れる。
「どこの?」
俺はその沈黙を破るがトーリンさんが
「イルーヴァタールの」
とまた沈黙を作る。
「なぜ?」
「興味があるからだそうだ」
どう頑張っても現実は逃れないようだ。トーリンさんは「すまない」と言いながら俺に頼み込んでくる。
国王が言ったのだろう。逆らえないのは俺も一緒なのだろう。
「ついでになんだが、王女もくる」
「は?」
「皇太子も来る」
「はぁぁ⁉」
こうして、思わぬ来客が来ることが決まっていたのだ。
その直後、二人は硬直した。
「お、おいしい」
チャタルさんはそう言うとソフトクリームを一気に食べていく。
「何ですか?この甘いものは」
「これはソフトクリームと言って牛乳を使って作ったものです」
「あの臭みが嘘のようだ」
傍付きさんはソフトクリームを眺めながらそう言った。
「それは常温保存だからですよ。冷やせば臭みはそれほどありませんよ」
それでも牛乳は苦手と言う人は多くない。逆にバカみたいに牛乳好きな奴《おれ》もいた。前世では学校の給食で、よく牛乳をジャンケンで取り合っていたのを思い出す。
本当に懐かしい・・・・・・。
「この、ソフトクリームとゆうえんち?とやらで本当に繁盛できるのか?」
チャタルさんは少し前まで、「これなら繁盛できるぞ!」とか言っていたのに、もう不安になっている。
確かに100%繁盛する保証はない。ただ、繁盛するかどうかはやってみないと分からないものだ。
でも、前世では遊園地はいつになっても大人気だったから大丈夫だと思う。
「お~い!タクミ~!」
といいタイミングで帰ってきたのはロビン。ロビンはアルフの森の木々を持ってきている。
「お待たせしましたご主人様」
とクリハも帰ってきた。
クリハはイルーヴァタールに行ってトーリンさんと共に鉄鉱石を取ってきてもらった。
「さて、材料がそろったし始めるか」
そう言いながら、俺はこの日を始めに遊園地づくりを始めたのだ。
朝から晩まで必要最低限の量の食事と睡眠をとって、作っては食べて、作っては食べて作っては寝て、また作る。
その繰り返しが3日も続いたのだ。
しかし、3日も掛けたのにまだ8割しか完成していなかった。
思った以上に作業の進みと魔力消費が激しく、出来る作業は限られている。
そんな魔力を回復がてらに休憩を挿み、ロビンの元へ行こうとする。
「大変だー!」
そう思っていた時にロビンは俺のところに来た。
「どうかしたのか?」
「どうしたもこうしたもない!あんな大きなものを作ったら、周りの住民や、国の兵士が視察に来てるんだよ」
まあ、この世界の住人からしたらそうなるよな。
いきなり訳の分からない鉄の塊がでかでかと立たれたらそりゃあ、近くの人間は驚くわ。
しかし、ホワイト企業でサラリーマンとしての俺の血がこんな絶好の機会を逃すわけがない。
「なら、国の兵士、他国の人たちを入れてくれ」
「まだ、完成してないんだろ?」
「ああ、だけどこれは当日のお楽しみとして、宣伝してもらう」
視察に来た兵士が情報を広めたり噂が広まったりするだろう。そうなれば大儲け間違いなし。
「なるほど。そうなるとG|《ギガ》がガッポガッポ」
「「うッひッひッひッひッひっ」」
不気味な笑いが込み上げてきて、堪えられず漏れ出てしまう。
「さて、ロビンとクリハ、案内頼めるか?」
笑い顔さっまたころ、ちょうどクリハもいたので二人に聞く。
「まかせろ!」
「承知しました」
二人はそう言って案内役をしてもらう。その間俺はまだ完成していない物を完成に向けて作業を再開する。
それから数時間後、トーリンさんが様子見に来たのだ。
「あれ、もうやってるのか?」
「いえ、宣伝をしてもらうために」
「さすがだな。それはそうと、明日は貸し切りにしてくれないか?」
「どうしてですか?」
「国王が来る」
沈黙が流れる。
「どこの?」
俺はその沈黙を破るがトーリンさんが
「イルーヴァタールの」
とまた沈黙を作る。
「なぜ?」
「興味があるからだそうだ」
どう頑張っても現実は逃れないようだ。トーリンさんは「すまない」と言いながら俺に頼み込んでくる。
国王が言ったのだろう。逆らえないのは俺も一緒なのだろう。
「ついでになんだが、王女もくる」
「は?」
「皇太子も来る」
「はぁぁ⁉」
こうして、思わぬ来客が来ることが決まっていたのだ。
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