魔王の宝珠

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魔界に連れ込まれ

散策途中

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ガルシアとアルホスを伴って、城内を散策する。

魔の国と言うから、薄暗い世界で、陰湿な雰囲気かと思ったが、違った。

城内は白大理石?のような物で作られ、床には絨毯が敷かれていた。
窓にはガラスのようなものがはめられている。
なぜ様なものか?
ひょっとしたら呼び方が違うかもそれないから……後で確認しようと思う。
昔読んだ何かの本で同じ物なのに全く呼び名が違った……なんてのがあったから。
何の本かは忘れた。
小説だったかもしれないな…

通路を歩いていくと、庭らしきものが見えた。

「バラ園ですね。我が王が入手されて植えられたものです。バラ園の中央には噴水がありますよ。見に行かれますか?」
「いいのか?それと入手って?」

ガルシアに案内されて、庭に降りる。
近づくにつれて、薔薇のいい匂いがする。

「こちらは、我が王が、100年ほど前に異世界から持ち込まれたものです。色んな種類があるようで、庭師が手入れしてるのですよ。年中花が見られるようにと…」

ガルシアいわく、代々の魔王の魔力で城内は守られ、しかも温度や湿度も一定になっているのだとか……チートか!?
それより、薔薇の入手が100年前って、あいつ何歳だよ。
てか、100年以上生きてるってことは、もちろん相手もいるんだろうな……何で俺なんかを?

一瞬胸がツキッと痛んだ。
俺以外に……いやいや、俺男だし、あいつは凄く綺麗で、カッコいいし(悔しいけど)背も高いし、スマートな物腰だからモテるだろうし…女性の一人や二人いてもおかしくない。俺にかまってるのがおかしいんだ!きっと……

「我が君、どうかされましたか?ご気分でも?」
アルホスが心配そうに覗き込んできた。
「ん?」
「お顔の色が悪いかと、お部屋に戻りましょう。」
そう言って横抱きにされた。
「ガルシア、医師を」
「あぁ、我が君を頼む。」
そう言って、ガルシアは走っていった。俺はアルホスに横抱きのまま運ばれた。
「大丈夫だから、おろせ。」
暴れるも、ガシッと抱かれているから、少しバタバタするだけだ。
「我が君、危ないのでおとなしくしてください。でないと、」
アルホスの瞳が輝き、眠気が襲う。
「軽い魔力行使ですのでお許しを」
アルホスの腕のなかでねてしまった。

寝室のベットに横たわらされ、着替えさせられ、シーツをかけられる。ガルシアが医師を連れ、診察し、魔力で癒される。
「この世界に来られたばかりなので、疲労でしょう。しばらくはゆっくり休ませてあげてください。我が王には、私からお伝えしておきます。でないと無理しそうですからの。ふぉふぉふぉ」

そう笑いながら、老齢の医師が部屋を出た。
「お疲れなら、少しそっとしておくか。」
「そうだな。隣の部屋で待機しよう。」

そう言って、部屋を少し薄暗くし、ゆっくりと休めるよう整えると部屋を出た。



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