魔王の宝珠

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魔界に連れ込まれ

護衛を持つことに

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まずはと言って、俺専属の護衛として、2人の男性が入ってきた。

といっても、1人は赤い髪に赤い瞳、頭に角がはえていた。まるで羊の角のようだ。
もう1人は黒い髪に黒い瞳だが、見た目、人と一緒だ。
「ユキ、髪の赤い方はガルシアです。魔神族です。髪が黒い方はアルホスです。吸血鬼族ですね。2人とも信頼がおける者なので、大丈夫ですよ。ね!」

フリードが2人に微笑む。

「お任せください。ユキ様、今後ともよろしくお願いします。」
「必ずやお守り致します。」

そう言って、2人ともが、俺に片膝をついて頭を垂れる。

「そうそう2人とも、ユキのために契約してもらってもいいよね。」

俺を見ながら、2人とも笑顔で頷く。
契約って何だよ?

ふふっ、ユキ、少し痛いけどごめんね。
そう言って、フリードに右手を取られ、ガルシアに左手をアルホスの掌の上に置かれた。
2人は各々その手をとり、

「「我は我が君を護る剣であり、楯。我が君のための指針であり、支える杖。我が君の一部を我が身に刻み、我が身技の全てを捧げます。」」

そう呟くと、手首を噛まれた。
鋭い歯が食い込み、血が滲む。

「ぐっ……」

2人がこくっと一口飲み、舐められた。 
舐められると、不思議と痛みが消え、傷口が消えた。

ガルシアとアルホスの首にはまるで首輪のように模様が浮かぶ。2人はなぜか嬉しそうだ。
どういう事だ???

「これで、契約成立ですね。」
「我が君。」

「ユキ、これで安心です。2人とユキは特別な繋がりができたので、ユキの身の危険がある場合はいつもの倍の魔力で護り戦うことができますし、ユキが迷子になっても直ぐに側に迎えに行くことができます。ユキより先に死ぬこともなく、ユキ死してこの世を去るときは2人も一緒ですよ。」

「そんな契約を…」
思わず呟いてしまった。
それに答えるようにガルシアが答えた。

「我が王の伴侶を護れる権利を頂ける、しかも、特別な権利です。誇りです。」
そう2人が笑顔で頷き、話してくれた。

「ユキ、私は少し仕事があるから席をはずしますね。寂しいですが…ガルシア、アルホスよろしくお願いしますね。」

そう言って、抱き締められ、口づけられた。
そして、部屋を後にした。

「我が君、少し城内を散策しませんか?」
「いいのか?」
「大丈夫ですよ。」

そう言って、2人を伴って城内を散策することにした。
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