魔王の宝珠

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トラブル発生

人生初

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今日、会社で時々営業に来ていた子に告られた。

今までの人生で初めてだ。

彼女は浅井みゆきさん。

一度彼女が忘れ物をしてて、大事な書類だといけないから追いかけて届けたんだ。

彼女いわく、その時から気になってたとのこと。
今度、食事でもと話が進み、今度の休みはデートだ。
もう、今からワクワクする。

フリードもこのところ忙しそうにしてて、日中はいない。晩も少し遅くなることがあるから、デートに行っても文句ないだろう。何故か休みの時は一緒にいたがるからなぁ……


夕食は準備しててくれるんだけど、この日曜日はいらないことを伝えとかないとな。

同居生活には、だいぶとなれた。
初めはどうなることかと思ったけど、上手くいっている…と思う。

外国人だから、スキンシップ過多は相変わらずだけどな。

彼女も同居人がいる事は知っているようだ。

「聞いたんですけど、いつも同居されてる友人がお弁当作ってくれてるとか……」
「そう、祖父の知り合いで、外国人だから、一緒に住んでるんだ。これがイケメンでね……」

そんな会話をした。

会社から出て帰宅途中、フリードと会う。
久しぶりの偶然ぐわいだ。

「今から帰りですよね」
「フリードは?このところ忙しそうにしてたけど?」
「帰りですよ。寂しかったですか?」
「んなわけあるか!俺、男だよ。まぁ、いつも夕食作りおきしてくれて感謝してるけど。」

ん??何かフリードの様子が変だ。

「どした?」

フリードが何か思案している。

……この臭いは……

小声で呟いてるけど、大丈夫か?

「ユキ、今日知らない誰かと会いましたか?」
「ん?仕事のやつしか会ってないよ。」
「ふ~ん………」

何か言いたそうだなぁ。

この日曜日の件は明日でも話すか。
なんか、その方がいい気がする。
感だけど。

「それより、今日の晩何?」
「今日は豚のしょうが焼きですよ。好きでしよ?」
「楽しみ~」

フリードの作るご飯は美味しいから楽しみだ。
それに、何とかごまかせた気もするし……

さて、帰りますか。

2人で家路についた。

フリードから何か黒いものが出てる気がしたが…
気のせいか…
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