父は異世界で魔王してます。

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父とアルフレッドと私

黒い犬

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アルフレッドが、学校やその他行くところず~っとついてくる。
なぜだ。どういうこと??

まぁ、姿や気配は消してはくれてるけど…

もう、気にするのがバカらしくて、空気と思うことにした。

父も何かやってるみたいなんだけど、よくわからない。
母に相談したら、放置しとくように言われた。

父さんの事だから、悪いようにはしないから……と。
魔族なりのプライドみたいなものがあるらしい。
よくわからんが……

学校では相変わらず男性人には避けられてる。というか、私の事が認識できないようにしてる?
これは、きっとアルフレッドのせいだろう。
ん?何か視線感じるんだけど、何だろう?
学校の敷地内に黒い大きな犬?
なぜに??
迷い犬?でも、他の人は気がついてない。
犬にしては、何か違和感を感じる。
何だろう?
こういう場合は…危険回避だよね。
無視無視…そして、避ける。

「アルフレッドいるよね…」
ちょっと心細くなる。
こういう場合は姿が見えるか、気配を感じてれば安心できるんだけど…
完璧に消されてたら危険…怖いような…

「美咲、いますよ。」
そう言って、姿を表した
思わず、アルフレッドの服の端を掴む。
だって、口からヨダレだらだらで、こっち見てるんだもの、あの黒い犬。
怖いよ……

そっと抱き締めてくれる。
「大丈夫ですよ。奴は使い魔ですね。美咲には指一本、髪の毛一筋さえも触れさせませんから」
耳元で呟いてきた。
いつもなら、恥ずかしすぎて、突っぱねたりするけど、今は怖すぎて、安心感が湧き出てくる。

「去れ!そして奴に伝えろ。何時でも相手になってあげますから、堂々と姿を現したらどうですか?と」

黒い犬は一瞬牙をみせ唸るも、姿を消した。
怖かった……

「美咲?」
「腰抜けた……」

クスクス笑いながら、抱き上げられた。

「いつもの強気はどうしたのですか?」
「うっ…うるさい!!」

頬に口づけして、そのまま移転された。
勿論我が家へ。

「他の者には気がついていないから大丈夫ですよ。」

そう言って…

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