父は異世界で魔王してます。

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単身赴任中(異世界)から帰ってきた。

父が帰ってきた。

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毎日が平凡だったと思う。
私的には
飼ってる猫にたたき起こされ、ボーッとする。

な~おな~お…

頬を舐め、お腹の上に…

いつもの決まった時間に起こしにくる。
「もう少し寝かせて…」
布団に潜り込もうとすると、猫パンチがとんできた。
「起きるから~」

ムクッと起き上がる私に満足したのか、ひらっとベッドから飛び降りた。

簡単に身支度を整えて、下のキッチンに向かう。

「あ~っ、母さん今日夜勤は明けだった。帰ってくるのは10時かなぁ…」

あ~っ、自己紹介遅れました。
私、上條 美咲。18才
大学受験も無事終わり、大学生活楽しんでます。

我が家は単身赴任中(異世界の)父。
病院勤務の母。
私と高校生の双子の弟の5人家族です。

弟達は部活の朝練とかで、朝早く出掛けてます。
よって、今現在家に居るのは私と猫の『にゃんこ』です。
時々、弟達には『毛むくじゃら』なんて呼ばれてます。もっと可愛い名前にしたら良いのにね~

トーストとコーヒーで朝食を済ませていたら、父の書斎?から声がした。

「ただいま~。だれかいませんか~」
帰ってきた。

リビングからキッチンへとやって来る。
「お帰り」
「美咲ちゃ~ん。ただいま~。阿佐美さんは?」
「母さんは病院だよ。」
普通に会話したはずなのに、なぜ固まる父よ??

「阿佐美さんは…どっか調子悪いの??入院??」
「なわけないでしょ…仕事よ仕事。今日は夜勤明けだから、10時ごろ帰ってくるんじゃない?多分。」

少しほっとしたのか、床にへたりこむ父。大丈夫か??
過ごし冷たい視線を浴びせる。

「で、何しに帰ってきた??仕事忙しいんじゃなかったの??」
「阿佐美さん~美咲ちゃんが冷たいです。」
「どこに向かって言ってるのやら…」

はぁ…これで職業『魔王様』って、大丈夫なのか??

もう、ほっといて大学に行こう。

「にゃんこ、父さんよろしく!!」

猫に頼むのもどうかと思ったが、鳴いて返事したから、良いだろう。

ソファーに置いておいた鞄を持って家を出る。

「行ってきます!!」
「気をつけるんだよ。変な人についていったらだめだからね。忘れ物ない?大丈夫??パパついていこうか??」
「こんでいい!!」

あれでも、『炎を司る緋の魔王』なんだけどなぁ~
考えても仕方ないから、そのまま無視して学校に向かった。




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