番になんてなりたくない！

そして…

我が子の成長を…(クロ)

「う～ん。子供って成長が早いなぁ…でも、こんな感じだった？？って、早くねぇ？？」

スクスクと成長する我が子を眺めながら、ウィルが呟いている。
まぁ、確かに早いような気もするが、子供の成長は個々に違うというし…
まぁ、遅いよりは良いのでは？と思いながらも、あえてその事は触れず、部下からの報告書を確認する。

可愛らしく戯れているなぁ…
この幸せを壊されるわけにはいかない…
ウィルには知られように考慮している事柄…
それらに対したら、そう問題ではないだろう…


生まれてまだそんなに月日は経っていない我が子。
気がつけば、ハイハイしだし、つかまり立ちし、ウィル達が作った子供用の玩具の積み木で遊んでいる。

生まれて半年の我が子。
健康的に健やかに育っている。
ウィルは少し疲れ気味だ。
そっと手助けはしてるのだが、極力自分で子育てしたいと言っていたしなぁ…

「我が君？」
「クロさん。もう夫夫なんだし、いつまでも『我が君』は英才教育上どうかと思うよ。名前で呼んで。それよりさ、クロさんも、この頃の子供はこんなに成長早かったかなぁ…普通は寝返りとか、ハイハイぐらいだと思うんだけど…」

コテっと首を傾げて私の方を見る。
可愛らしい。
いつになってもこの可愛らしさが…

ついついすぐさま抱きしめて、可愛がりたいが、あえて振り止まるために、あえて侍従のように振るまっているのだが、それは秘密だ。
主人として尊敬しているのもあるんだが…
まぁ、それは置いておこう。


「そうだな…エルビスは、他の子供よりは…」

ふむ…という感じで顎に手を置き考えるそぶりをしてみる。
こういう態度をウィルが好んでいるのも知っている…

「だが、我が君…ウィルの子供であるから、大丈夫だろう？成長が遅いと悩む親もいるらしいが、元気で育っているのなら良いだろう」
「まぁ、そうなんだけどね…」

そっと抱き寄せる。
可愛らしい表情に、朱が追加されて、これでまだ我慢するのは…


「そうだ。そろそろもう少し執務を増やそうと思うんだ。父上や兄上達の手助けもしたいし、領地の事もあるしね。本来自分がするべき仕事…ん…」

クルッと体の向きを変えて、唇を合わせる。
もういいだろう？

私の腕の中に閉じ込めるも、逃れようと身動ぐが、逃しはしない。
他の者達もそっと部屋を出て行ってくれたことだし…


「愛しい我が君。エルビスの手が少し離れ出したのであれば…」

合わされた唇の隙間から、入ってみる。
さて、どこまで可愛がっても良いだろうか…