番になんてなりたくない!

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そして…

リリィからの手紙

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そんなこんなで穏やかな毎日が過ぎていった。
勿論、あらゆる面での事後処理や、その他、色んな仕事をこなしつつだ。

神殿から無事に戻った後、リリィは連れ攫われるが如く、慌ただしく帰っていった。
あの男のリリィに対しての執着の凄さを見せつけられたようだが、リリィも負けてなかったな…
なんやかんやと、仲良し似た者夫婦みたいな感じだった。
あの男がクロさんに何か言ってたけど、あれは何だったんだろうか?
シロさんにも久しぶりに会ったけど、いつの間にか恋人がいた…
ビックだよ。似合ってたけど…
2人ともがリリィの味方になってくれそうだから、安心だ。

それよりも………

「あ~~~っあふっ…」

思わず変なあくびがでる。
このところ、身体は重だるいし、眠気もよく襲ってくる。
仕事の効率が落ちそうなんだけど、そこはクロさんや犬達が良くしてくれてるから…
父上や兄上達のおかげも………

「ウィル。大丈夫か?ベットに行くか?」
「ん?大丈夫だよ。」
「この頃食欲も落ちてきているし、医師に診てもらった方が」
「大丈夫だよ。ただの疲れだよ。今まで色々とバタバタしてたしさ。それより、それ何?誰から?」

クロさんが手紙の束を渡してくれた後、午後のお茶をテーブルにセッティングしてくれている。
私は受け取った束から宛名を確認しながら、ソファーに腰掛け、お茶を……
ん??リリィからだ。何だろ。何かあれば通信してきたりするのに、改まって手紙なんて…

「リリィ様からですか?」
「うん。そう。改まってどうしたんだろう?何かあったのかなぁ…」

ペーパーナイフで封を切り、確認………

「えっえっえっ???」
「どうされましたか?」

慌てて立ち上がったため、ガタッと大きな音を立ててテーブルにぶつかってしまった。
すかさずクロさんがカップを非難させてくれたから、こぼれずに済んだけど…

「父上の所に行ってくる。もうご存知かもしれないけど…でも、行ってくるよ!」

慌てて部屋を飛び出て、父上の執務室に向かう。
本来なら、先にお伺いをたてるんだけど、そんな事…

走って行きたいのを我慢して、早歩きで向かう。
すぐさまクロさんが後ろから護衛も兼ねてついて来てくれてるのがわかりホッともしてるんだけど。
もう、リリィってびっくりなんだから。こんなに驚かせて…でも待て、この手紙に書かれてることって……
ふと身に覚えのある文章を思い出した。
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