番になんてなりたくない!

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冒険者

クロさんとナヴィルさん

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ナヴィルさんの顔に、クロさんが重なる。
怖くて伸ばす手に、躊躇しながら伸ばされた手……
その手が届く寸前に、体に紐状のものが巻きつけられ、引っ張られて身体が一瞬空に舞った。
別に同植物があったのだろうか?

受け止められたのは、何故か知っている香りがした。

「このバカが、何やってるんだ!!」

巻きつけられたのはムチのようだ。
でも、痛くは無かった。
ムチを解かれ、抱きしめられる。

「どれだけ心配したと思ってる!こんな植物に襲われかけて、発情するとは……」
「クロ………さん?」
「人を放っておいて、何やっている。お仕置きだ!!」
「はぁ……ん……クロ……」

潤んでいるであろう瞳で、クロさんを見つめる。
会えるとは思わなかった…1人になって頑張ろうと思った矢先にこの醜態。
情けないけど……でも……

「ゔ……!!」

いきなり身体の力が抜け、心臓が早鐘のように感じられる……
ドッドッドッ……

「私は……死ぬの……??」

クロさんがグッと抱きしめてきた。

「私が……」
「クロ……」

そう言って、クロさんが唇を近づけてきた。

「ダメだクロ。ただ主従というだけで、こんな……」
「ウィル…」

クロさんが、額に唇を寄せる。
壊れ物を抱きしめるようにしながら…

「ウィル、私に任せて……」
「ダメだ……やめろ……っ…」

頬に唇がよせられる。
微かに抵抗するも、もう、力が入らない……

「私は、あなたを失いたく無い。主従というだけじゃ無い……」
「ク……ロ……」
「ウィル。ウィルバーン。あなたをずっと見てきたんだ。守ってきたんだ。主従というだけじゃ無い。愛しているんだ……」

そう言うと、唇を奪われた。
触れるだけのお互いの唇から、隙間を見つけて差し込まれ、逃げ惑う舌を追いかけられ、捕まり吸い上げられる。
散々に貪られて、どちらでも息苦しいのか分からなくなった。

「あ………兄上?」

離れた所で、茫然と立っていたナヴィルさんが声をかけてきた。
私をクロさんの胸に抱きしめられながら、ナヴィルさんの方に声をかけている。

「野暮だね、お前は。ナヴィル。」

クロさんは、ナヴィルさんに声を返しながら、私の背中を撫でてくる。
触れられただけでゾクゾクする……
でも、嫌じゃない……

「やはり、兄上……」

手を伸ばし、こちらに来ようとして、躊躇しているようだ。
恥ずかしい……けど、身体のうずきが止まらない…
  

「お前も、ウィルに気があるようだな。」
「…………」
「私達は双子だ。双子が同じ者を愛することはよくある。ナヴィル。お前、ウィルが欲しいんだろ?」

クロさん、何言ってるの……
ふわふわして、思考がまとまらないけど、聞いてはいけない事を言ってる気がする。

「今は、ウィルをイかせる事が先決だ。欲しいなら来い。私より先に触れるのは許せないけどな……」


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