番になんてなりたくない!

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怪しい気配

兄上が到着した

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リリィの熱も下がり、食欲も湧いて来たようだ。
良かった。少し安心。それに、ここの住人達も徐々に元気を取り戻したようだ。
油断は禁物だけど……

「みんなと話したんだけど、もうここの者達は、自分達でもどうにか出来そうだ。この病気に効く薬と治療法もわかったしね。」
「そうなんだ」
「まぁ、彼らがもう少し面倒見てくれるって言ってくれたしね」
「そうなんだ」
「でね、兄上が明日、つくらしいよ」
「そうなん………えぇ~~~~~!!」

私がニコニコ笑顔で微笑みながら話すと、リリィが思わず絶叫を上げた。
こらこら、女の子なんだから、それはどうなの?

「カラスがね、兄上が兄上率いる騎士団と共に、コチラに向かってるんだって。だから、治療してくれてる者達の護衛を、兄上にお願いしたら、彼らが無理やりこの地に留まらされることもないし、勿論拘束されることもない。でしょ?」

「確かに……」
「彼らは自由な民だ。自分で主人も決めるらしいよ。それが、兄上だったら言うことないのにね」
「えっと………ウィルっていう選択はないの?」
「私は皇族、皇子だけど、末だから……それに、モブだし……殺されるリスク高いし……」

そりゃ、そうしてくれたら嬉しいけどさ……モブだし……それなら、兄上の方が良いじゃないか!!
思わず落ち込んでいく~~~~

「でもさ、ゲームとは少しずつ展開がズレてるから、大丈夫じゃない?」

ジト~~っとした目でリリィを見つめる。
そりゃ……でもさ……
今後、変な奴に捕まったり、殺されたりの可能性がまだまだ続くんだよ~~

「彼ら、きっとウィルと主従関係結びたがると思うよ。私のカンは当たるんだから!!」

リリィはそう言ってくれる。
嬉しんだけど、喜べはい自分がいる。
まだまだだなぁ………

そうこうしていたら、翌日と思っていた兄上が到着した。
馬から降りた兄上が、私とリリィ抱きしめる……かと思ったら、拳骨が落ちて来た。

「「痛~~~~い!!」」

2人とも頭を抱え込み蹲りそうになる所を、抱きしめられた。

「僕の大切な弟と妹は、少し行動力がありすぎて心配だ。もう、みんなどれだけ心配したか、わかる?」
「「ごめんなさい……」」
「もう良いよ。元気でよかった。お前達のおかげで、国中に広がることもなく、多くの死者が出ることもなかった。よくやった!!」

今度は頭を撫でくりまわされた。

「さてと、リリィ、君のシロさんは?」
「??」
「詳しい現場説明と、今回の症状及びその対処法、薬の調合など聞かないといけないからね。メモとってくれてるよね」
「確か、シロさんが……薬のストックは、皆んなが作っておいてくれてるよ」
「上出来です」

そうして、リリィをさらに撫でくりまわした。

ん?何だか視線を感じる。
視線を探す。
兄が連れてきた騎士達に隠れるように、じ~~~っと見ている者がいる。
いるのはわかるのに、見え隠れして分からない……だれ??
だれがだれを見てるんだろう……それは私たちにとって危険人物?それとも??
そう考え込んでしまった。
視線は感じるのに、姿が見えない………
私を?それともリリィ?
兄上?
怖いんですけど……
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