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怪しい気配
どうしたら……
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前領主に会い、自分自身が調べた事や、今必要な事などを伝えた。
かなり困惑していた。
体調を崩し、家督を息子に渡して療養していたようだが、そんな事は言ってはおれない。
「そんな事が………息子に全て任せている間に…」
「広大な樹々の伐採を行ったことのより、自然破壊になったようです。それと、このところの異常気象もあり、農作物に影響があり、未知の病気を野生動物や、虫達を媒介にして発生したかも知れません」
「動物や虫が病気を媒介ですか?聞いたことありませんなぁ……。まぁ、確かに気候がおかしく、農作業や畜産にも影響が出ているのは否定できませんなぁ……野山の動物が人里におりて食い散らかしておるという話は聞き及んどりますが……」
「今回、実際にこの地で流行病が拡がっているのも事実です」
「領民を護るのも領主の務めではありますが……とりあえずは、私の方でも動いてみましょう。エンダを呼んでくれ!」
そう、側にいるものに伝え、暫くして白髪の紳士が現れた。
「ご主人様、お呼びで」
「あぁ、呼んだのは他でもない。殿下と共に薬と食料を隔離されている場所に届けるように手配してくれるか?」
「解り……」
そう、エンダと呼ばれた男性が返事をしようとしたところに、遮るような声が降り注ぐ。
「その必要はない。父上、このような子供の戯事に耳を貸してはいけません」
「セドリック。いつ戻った。」
「病気の元はきちんと隔離しておりますので、もう拡がることはありません。彼らがいなくなれば……」
「いなくなればとは、どういう意味だ!!」
「隔離したまま、病状が悪化したとして、あの中で死んだら、それ以上は拡がりません。多くの命を助けるのに、小さな犠牲に、目くじらたてる必要性はありません!」
「小さな犠牲とは……馬鹿な事を……」
「とにかく、神もそう伝えてきたようですし。大丈夫です。それよりも、お休みください。身体に答えますよ!!」
そう言って、前伯爵を休ませ、私たちは部屋から追い出された。
こんな事ではいけないんだ。リリィが、シロさんが待っている……
クロさんと作戦を練る為に取り敢えずは部屋を後にした。
かなり困惑していた。
体調を崩し、家督を息子に渡して療養していたようだが、そんな事は言ってはおれない。
「そんな事が………息子に全て任せている間に…」
「広大な樹々の伐採を行ったことのより、自然破壊になったようです。それと、このところの異常気象もあり、農作物に影響があり、未知の病気を野生動物や、虫達を媒介にして発生したかも知れません」
「動物や虫が病気を媒介ですか?聞いたことありませんなぁ……。まぁ、確かに気候がおかしく、農作業や畜産にも影響が出ているのは否定できませんなぁ……野山の動物が人里におりて食い散らかしておるという話は聞き及んどりますが……」
「今回、実際にこの地で流行病が拡がっているのも事実です」
「領民を護るのも領主の務めではありますが……とりあえずは、私の方でも動いてみましょう。エンダを呼んでくれ!」
そう、側にいるものに伝え、暫くして白髪の紳士が現れた。
「ご主人様、お呼びで」
「あぁ、呼んだのは他でもない。殿下と共に薬と食料を隔離されている場所に届けるように手配してくれるか?」
「解り……」
そう、エンダと呼ばれた男性が返事をしようとしたところに、遮るような声が降り注ぐ。
「その必要はない。父上、このような子供の戯事に耳を貸してはいけません」
「セドリック。いつ戻った。」
「病気の元はきちんと隔離しておりますので、もう拡がることはありません。彼らがいなくなれば……」
「いなくなればとは、どういう意味だ!!」
「隔離したまま、病状が悪化したとして、あの中で死んだら、それ以上は拡がりません。多くの命を助けるのに、小さな犠牲に、目くじらたてる必要性はありません!」
「小さな犠牲とは……馬鹿な事を……」
「とにかく、神もそう伝えてきたようですし。大丈夫です。それよりも、お休みください。身体に答えますよ!!」
そう言って、前伯爵を休ませ、私たちは部屋から追い出された。
こんな事ではいけないんだ。リリィが、シロさんが待っている……
クロさんと作戦を練る為に取り敢えずは部屋を後にした。
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