番になんてなりたくない!

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怪しい気配

不安から?

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またあの夢だ………耐えがたい屈辱の夢……

薄暗い建物の中で、鎖に両手足を拘束されている自分。

「素敵な姿ですね。あぁ、なんて神々しい……」

そう言って、素肌を撫でられる


もうやめて欲しい……
これは夢だ……分かっているが……


室内には怪しい香りが立ち込められ、身体が火照る。

「ふふっ、やっと……やっと手に入れました。我が神の愛されし子」

クイっと顎を掴まれ、上に向かされ、唇を貪られる

繰り返されるセリフ……
何度この夢を見た。

「や……はぁ……」
「ふふっ、争っても無駄です。」

口腔内に舌を入れられ、貪りすすられる。

「素晴らしい……なんて、甘くて魅惑的なんでしょう……」

眩しい光に当てられる。貪られる時に、同時に何かを飲まされた……
身体が熱い。そして、照らされることへの羞恥心により、更なる体温が上がる

「さぁ、皆さま。お待たせの、神に愛されし極上の身体をご堪能ください。まずは……」

そう言うと、数人の男性が現れる。
1人は首筋から背中を舐めるように唇を這わせてきた。

「跡はつけないでくださいね。傷もダメですよ。つけたい気持ちはわかりますけどね~~~」

そう言いながら、私の鎖骨から胸にかけて唇を這わし出す。

まるで、見せ物のショーのように仮面の集団に見られている。
どんなに暴れても、淫らに触れられ、喘がされ、辱められている自分……

そして、いきなり場面が変わるのも、いつもの夢と同じ

纏い付いていた男達が消え、1人の男性が前に現れ、私に対して、愛おしそうに口づけし、身体中を唇で這わされ、自信を撫でまわされ、舌を這い、先端を爪先で突かれ、しごかれる。
再度口に頬張るようにされ、弾けた物を飲み干された。
恍惚な表情のまま、後ろに回りこむ。
もう1人の男性が現れる、恭しく自信に触ると、唇を這わし出す。後ろに回った男と同じ顔。同じ声。

「「やっと手に入れた。私のもの……」」

そう呟き、後ろの男は私の背中に舌を這わせ、後ろから菊口に熱杭を打ち込んだ。

「やめて~~~~~」
「逃がしませんよ。逃がさない。もう、あなたは私のもの……」
「あっ……あぁ……」


だが、今日の夢には続きがった。
何時もは、もっと前に起こされ夢から逃れられるか、ここまでで目が覚めるかだったのに……

「あぁ、私達の愛しい番。見つけた。」
「違う……違……」
「違いませんよ。私達が望んだのですから……我が神もお喜びです。我らの理想郷のために、邪魔するものは消し去りました。もう、逃げられはしない」

異様な神殿の中、祭壇に設けられている場所で何度も絶頂に持ち上げられ、貪られ続ける。
黒い祭司の衣装に身を包んだ双子の顔は恍惚に浸っている。

祭壇下には私の大切な人達の屍……
「この国を乗っ取り、神の理想郷の……」
「…………………………」


そこで目が覚めた。
涙と汗で濡れている……

「ウィル!!」
「ク……ロ………生きて………夢を……」
「大丈夫だ。夢だ!!」

クロさんが、抱き締めてきた。
良かった。クロさん……生きている。夢だったんだ……

「また、あの夢か?」

そう声かけてきて、無言でうなずく。
あまりにも頻回にうなされ続けたため、シロさんを通して、夢の中を覗いたらしい。
生々しすぎて、ぞっとしたと言っていた。
しかも、夢の中だから、助けたくても助けることが出来ずかなり苛ついたらしい。

「ウィル。大丈夫だ。あれはあくまで夢だ。きっと起こらない……起こらさない!!!」
「何でそう言い切れるの?」

まだまだ子供の身体の私は、幼い子供を慰めるようにクロさんの腕の中で、見上げながらそう問いただした。

「俺とシロさんがいるし、リリィはお前と同様、俺たちの護るべきものだから、除外して、後、お前達にたらしこめられた犬もいるからな!!」

「犬って……」
「お前の憂は、俺が払う!」

「くすくす……ありがとう、クロさん」

クロさんにお礼を言う。

「最強の護りだね。」
「あぁ、だから、これ飲んで寝ろ」

渡されたのはいつもの飲み物。
今日、夢の中で見た顔の事は黙っておこう。
落ち着いたら、話すのでいいかな
リリィとシロさんと離れての不安。そして、明日、前領主に会うから……それで見たのかもしれない……

クロさんと明日のことを話して、眠りについた。
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