竜の国のご都合主義?

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未来に向けて

エピローグ

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竜人族。しかも王弟である身分からか、特にアカデミーで生活していた寮などの手続きも、迅速かつスムーズにディの思うように運ばれたのだろう。
だけど、両親や侍従でついてくれた者達、迎えに来てくれたであろう者達には申し訳ないような気がした。

でも…竜人族の者達の番に対しての執着も十分理解しているつもりだ。
両親然り、兄弟などで今までの人生で十分みて来た気がする。
アカデミーに置かれていた秘蔵書などの書籍および自宅の屋敷に置かれていた書籍もだいぶと読み込んで知識としてもあった。
ディにおいては、僕が生まれた時からずっと見守り続けてくれていた事も知っている。

だいぶと我慢させて来たみたいには散々言われ続けていたけれど。
言葉だけでなく…

前世…そう、異世界転生前の知識が強く残っていた僕は…
自分の運命に足掻こうとし、授かったスキルを駆使して助けられて来た。

もうあの頃のような恐怖は感じられない。
まぁ、自分勝手な神々がまた勝手に運命を捻じ曲げようとしたり、害をもたらそうとするかも知れないけれど…
でも…
僕にはディがいる。そして、不思議な縁で神々とも繋がっている。
だからきっと大丈夫だ。

そんな事を考えながら…やがて見知った屋敷にたどり着いた。
竜人族独特の庭園や建物。
いつでも竜体で飛び出せ、また舞い降りる事が可能にされているこの地域独特と言ってもいいだろうか…

スーッと降り立ち抱き上げられたまま屋敷の中に入っていく。
主人が帰れば本来ならば家令も含めて大勢で出迎えてくれるだろう。
例えどんな時間帯であっても。

決して人の気配がないわけではない。
ディが僕を連れて向かおうとしている先々には敢えて気配を隠すようにしてくれているようだった。
入り口から部屋までの装飾品や飾られた花々でかなり喜ばれ、歓迎されていることが察せられた。

思わず恥ずかしくなり、ディの胸元に顔を埋めてしまうのは仕方ないように思う。
それを嬉しそうに、愛おしそうにしてくれる雰囲気は、何とも言えない高揚感が湧き上がって来た。
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