竜の国のご都合主義?

文字の大きさ
上 下
264 / 269
未来に向けて

エピローグ

しおりを挟む
そんなこんなで、最初はトラブルだらけの旅行だったが、その後はスムーズに日々を過ごせた。
みんなで釣りに行ったり、ボートで遊んだり、馬で遠乗りっていうのもあった。
楽しい時間はあっという間に終わるわけで、今は自分の寮内の部屋に戻ってきていた。
実家に帰った時には、お土産をしっかり渡してかなり喜んでいた。
いつの間にか王太子も我が家にちゃっかり馴染んでいて、逃げ惑う兄を捕獲してたなぁ…
さすが竜人族の男性だよ。
ディは仕事で来れないと嘆きの伝言が送られてきた。
そりゃ、王弟だし、領地経営もある。後、僕がアカデミーを卒業したら講師も辞めるらしく、引き継ぎとかも忙しいらしい。少し寂しい気もするが…でも、僕には呼び出さなくても勝手に出てくるようになった英霊達がいる訳で…
まぁ、空気を読んで出てこない時もあるけどね。
ディアブロが出てきそうになった時は、皆んなが全力で止めてくれていた。
ディアブロの方が実力は上なのだろうが、そこは皆んなに対しては手加減しているのだろう。

「明日で卒業か…長かったような短かったような…」

クローゼットから明日着る予定の服が取り出されて吊るされている。
卒業式用の制服と、卒業パーティー用の服だ。
それが終われば順次この寮を皆んな退去していく。
いっぺんに皆んなが退去したら、周りが混乱するからと、三日ぐらいの猶予があるんだ。
ちなみに僕は翌日退去。ディがどうしてもと言って手配してくれていた。
まぁ、荷物はあらかたまとめてはあるんだけれどもね、ディアブロが。

大切にしまっていた僕の覚書ノートをパタンと閉じる。
うん、色々あった。
しっかりと頑張って回避をしたつもりだし…みんなの手助けもあったなぁ…

窓から外に見える月を眺める。何だかぼやけてしまう。

「カル」
いきなり背後からあたたかな温もりと、安心できる香りがした。
「ディ…」
そっと抱き上げられて、ベットまで運ばれる。
膝の上に横抱きにされて、瞼のそばを唇で…
どうも僕は泣いていたようだ。
涙を唇で拭われて、抱きしめられる。

そっとベットに倒されて、お互いベットに潜り込む形で横になった。
僕はディの腕の中に包まれて…

「今日は抱きしめて寝るだけだ。明日は…」

それだけ言われて、安心感のせいなのか、それとも何かされたのか、僕はそのまま夢の中に旅立った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!

棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

淫愛家族

箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。 事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。 二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。 だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

処理中です...