竜の国のご都合主義？

未来に向けて

友人とのちょっとした旅で巻き込まれました

準備をしてディと共に隣の部屋に行くと、すでにディアブロが朝食の準備をしてくれていた。
相変わらずの働きぶりだ。

二人でテーブルにつき、朝食をいただきホッとする。
サッと片付けたと思うと、今度はお茶をテーブルの上にセッティングされた。

「うん、良い匂い。美味しい。」

一口飲んでほっとした。

「我が君、何か私に御用命がお有りのようですが？」

そう言って聞いてきた。
まぁ、僕の方から声をかけて聞きたかったんだけれども…

「あぁ、ディアブロは、確かいろんな時間軸に移動が可能だったよね？で、もしかしたら今回の事も知っていたりしてと…」

『ふむ』と顎に手をおき考える動作をするディアブロ。
この男もなかなかの美形だから、考えている所作も絵になるな…
いゃ、そんな事は関係なくてだ。

「今回の事は流石の私でも知りませんでしたが、少しだけ覚えのある事もあります。で、私なりに調べさせていただいたのですが…」

そう言って話し出したのは、僕が夢で見た事とほぼ同じ事をつらつらと話し出した。
この先色々なルートがあり、選択によってはって感じだけど…

「それ以外は無かったんだな？」

「はい。ですが、それらを知った上で、別の行動をされれば、また違う未来もあり得るかと。ご主人様自身が体験されていると思いますが…」

そうだ。僕は前回と言うか、今までの事で、自分が知っている知識をフル活用してやり切ったんだ。納得いきかねる事も多々あったけど…特に、神々の身勝手というか何というか…
なら、今回も何とか良い方向に持っていけそうな気がする。

「我が君、一つ注意点が有るとすれば、今回の件は神々が『ヤツ』と言っていた者、神が関係していると考えられます。この世界を構築した神に刃を向けた神ですから、注意が必要かと…」
「『ヤツ』は神なんだな？で、ディアブロはその『ヤツ』と言われていた神に心当たりが有るのか？」

ディアブロは何とも言えない顔をして、思いっきりため息をついて見せた。
何だかものすごい問題児の神を相手にしないといけない気がした。