竜の国のご都合主義?

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未来に向けて

友人とのちょっとした旅

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「それにしても、さっきの集団、私にはチラッとも視線を寄越さなかったね。ロザリアン神聖国で聖女として召喚されて、聖女巡礼も頑張ったんだけど。」
「そうだね。シルビィに一目散って感じだった。後から来た偉そうな男がカルに色目使っていたけどな。やっぱり『ヒト族』だからか?だが、向こうの国ではそれでも構わないのかもしれないけれど、ここは竜の国アステード王国だ。あれはダメだろ!」

アイの言葉かけから皆んなが色々と言い始める。シルビィの両親は何とも言えない表情になるが、止める感じでは無かった。それは後からこの屋敷に赴いたディも同じ。ディの場合はみんなの話を聞きながら思案しているんだろう。
ただ、僕に対して『色目を使った男が…』という会話を聞いてか、隣に座っていたディが腰に腕を回して引き寄せ、さらにはグッと力が入っきた。思わず大丈夫だとポンポンと手で軽く叩いてみる。
少しは力が緩んだが、離してくれる気はなさそうだ。

「何か一瞬肌寒く…」
「先生、気持ちはよく分かりますが、ここは抑えて…」
「今度は暑くないか?って、お前も抑えろよ!」

ディの魔力で一瞬室温が下がり、その後カルバンの魔力で上がったのか。
さすが竜人族だ。しかも、この二人魔力量多いんだよね。
ディは王族で当たり前なんだけど、カルバンの場合は、御先祖様に王族がいたらしく、その影響だろうって昔本人が言っていたからな。

「それよりも、さっきの約束とはいったいどういう事ですか?今までそんな話を聞いた事がないのですが?」

本来なら家族間だけで話す内容なのだろうが、さっきの場面に遭遇したし、僕まで関係しそうだからこの場で話して欲しいという事だろう。僕としても、基本面倒ごとには巻き込まれたくはないが、大切な友人の事だ。しかもあの気持ち悪い視線を送って来た男も気になるし、何と言ってもさっきアイが言ったように、聖女である彼女を無視してシルビィに詰め寄って行ったあの集団は気になるんだよね。

こんなストーリー無かったんだけどな~
と言うか、ゲーム自体がここまで設定されてなかったんだけどね。

「はぁ…………わかった。これは私達しか知らない事だが、聞いてもらえるだろうか。殿下にも申し訳ありませんが。」
「あぁ、聞かせてもらおう。」

そこから、シルビィの両親が過去の出来事を思い出しながら話し出した。


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