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未来に向けて
友人とのちょっとした旅
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その内容は何とも言えないものだった。
今僕たちはカルバンの実家の領地に滞在しているんだけれども、そのお隣の領地。そう、シルビィの実家に面倒ごとが起こっているらしい。いつも揉め事を持って来るとんでもない者達が来ているのだとか。
「もういっそ、僕の実家を飛ばしてグレイスの実家の方に行かない?」
シルビィが何とも言えない表情でそう口を開いた。
久しぶりの実家。里帰りを楽しみにしていたのにそれは悲しすぎる。
『僕の大切な友人である君たちにとっておきの場所を案内したいんだ。勿論、僕に家族も紹介したいしね』そう言っていたのに…何とも言えないよ。
「だが、奴らはシルビィがこっちに居ることを知っている。どこで情報を取ってきたのか知らないが。今回の相手は少し厄介だが避けるわけにはいかないようだ。まぁ俺が守るから大丈夫だ!」
そう言ってカルバンの膝の上にシルビィを座らせて餌付けのようにお菓子を食べさせようとしだした。
どうも竜人族は直ぐに番を膝に乗せて溺愛し、餌付けをするようだ。
もう慣れたけどね…
シルビィとカルバンは『運命の番』と言う関係だ。僕たちの国では、絶対にこの関係を壊そうとはしない。する者もいないはずなのに…やはりどうしても『ヒト族』と言う事が関係しているようだ。しかも、シルビィの実家は貴族とは言え子爵家。それも関係しているらしい。
シルビィの実家がある領地は今滞在させてもらっているこの領地とはまた少し違っていた。
カルバンの実家が治めているこの領地はどちらかと言えば牧草や田畑が広がっている感じだった。シルビィの実家は一部酪農などの牧草地帯があるが、どちらかと言えば山々に面した土地らしい。岩山も多くあり、農作物には不向きな土地らしい。よって、商売を成合に取引を盛んに行っているのだとか。商売自体はうまく行っているらしいのだけれども、取引をカサにしてシルビィにちょっかいをかけて来る者がいるとか…しかも貴族特有の身分を盾にしてだ。
言って来るのは、この国の者ではない。そう、他国の者。
「シルビィは俺がまもるとして、カルだよな。カルを見てちょっかいをかけられたら溜まったもんじゃない。アイにもちょっかいをかけるかもしれないけれど、そこはスレインが対応するしな…だから、殿下に報告もかねてお願いしてもらうことにした。」
「お願いって?」
「カルは俺達の親友で大切な仲間だ。仲間を守るのに適任者を呼ぶのはいい案だろ?彼の方ならどうにかしてもらえる。だからちょっとだけ同行してもらおうかなと…おっと失礼。」
家令が戻ってきて耳打ちしている。
「うちの両親の許可ももらったし、殿下も来られると連絡が来た。これで少し…いゃおおいに安心できるな。」
カルバンがいつもの好青年の笑顔に戻っていた。
今僕たちはカルバンの実家の領地に滞在しているんだけれども、そのお隣の領地。そう、シルビィの実家に面倒ごとが起こっているらしい。いつも揉め事を持って来るとんでもない者達が来ているのだとか。
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もう慣れたけどね…
シルビィとカルバンは『運命の番』と言う関係だ。僕たちの国では、絶対にこの関係を壊そうとはしない。する者もいないはずなのに…やはりどうしても『ヒト族』と言う事が関係しているようだ。しかも、シルビィの実家は貴族とは言え子爵家。それも関係しているらしい。
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言って来るのは、この国の者ではない。そう、他国の者。
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家令が戻ってきて耳打ちしている。
「うちの両親の許可ももらったし、殿下も来られると連絡が来た。これで少し…いゃおおいに安心できるな。」
カルバンがいつもの好青年の笑顔に戻っていた。
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