竜の国のご都合主義?

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未来に向けて

アカデミーに

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それからも、ディアブロの不審な行動は続いた。
まぁ、彼のことであるから、僕に対して危害が及ぶ事はないと思うし、僕を裏切る事もないと思う。
もし裏切られたら…ショックは大きいと思うけれども…

両親の時にも姿を現し、僕の両親•親族であるからと手を貸してくれていたらしい。
そんな彼が今更裏切るとは考えられないぐらい信用していた。


ディに相談した方がいいのかも知れないけれど、僕はディアブロを信じてるから相談しなかった。
少し悶々ととはしてたけれどもね…


「どうした?この所浮かない顔をしているが?」

アカデミーでの彼の教授用の部屋で手伝いをしていたら、そう声をかけられた。
手元のある次回資料の整理をしていた僕の手が止まる。

聞いて来た彼の方を見て、とりあえずニッコリと微笑んでみた。

「何でもないよ。それにしても、相変わらずすごい資料だね。次の講義に使うの?」

手に持っている資料を彼の方に見せてそう聞いてみた。
今回の資料は、新たな魔法陣と過去の魔法陣に対しての比較検討だ。
過去のもの…そう、大賢者であるアルストの時代の物が多く現在も残されている。
彼が構築して来た多くに魔法陣に対して、さらなる追求や新たに多くの魔法陣が先人や今代の魔法陣研究家によって多く研究されている。

多くの研究者が居るのは、やはりディール帝国の魔塔ではあるけれど、それ以外の魔術師達も研究者は多くいた。
僕も少し興味があって、アルストと密かに研究していた。
彼は魔法陣やその他の研究をするのも大好きなのだとか。

本来であれば、もう研究出来ないと諦めるべきであろうが、そこは僕と契約している事もあり、とても楽しそうにしている。
実は…時々このアカデミーの非常勤講師として教壇に立っていたりもしていた。
推薦したのはもちろんディ。
過去の英雄、大賢者アルストの子孫と言うふうにしたらしい。

大賢者アルストの子孫は現在も居る。
我が国の魔法師団に居たんだ。たまたま兄の忘れ物を届けに僕が王城に訪れた際に出逢った。
兄が王太子殿下の執務室にいると教えられて、訪れた時に居た。
で、その時に紹介されたんだ。ディもその時居たんだけどね。

彼が殿下の所に新たな魔法陣の報告をしていて、それに興味を持ったアルストが出て来てしまったんだ。
アルストもお茶目なところがあるからね…
でも、あの時は本当に焦った。
僕のスキル、結構隠し通していたんだけどね…王城の一部にはもうバレていた。
バラした張本人が誰かは…うん、想像にお任せするよ。

今まで時々アルストに意見を聞いていた王太子殿下の執務室であるから、油断したのかも知れないけどね。
で、アルストの子孫とご対面。彼はかなり驚いていたけれど、それ以上に目をキラキラさせて喜んでいた。

で、彼からの推薦もありアカデミーの教壇に立つことになったんだ。
名前はそのまま。過去の英雄達の名前を我が子につける事は良くあるからね。ただし、初代聖女の『アカリ』だけは、誰でもつけていい名前ではないらしい。そこは教会からの圧だろう。
『神様の名前を勝手に使ってはいけません』『名乗ってはいけません』的な物だと推測するけどね。

アルストの講義もこれまた大人気で、非常勤講師であるけれども、いつも教室いっぱいに詰め込まれるように人で溢れていた。僕も時々視聴しに行くけど、面白いしわかりやすかった…
ディとはまた別の面白さで興味があるんだ。

「そう言えば、アルスト殿の講義も人気があったな。今度私も覗かせてもらおうと思っているんだ。」
「そうなの?」
「あぁ、カルを通して彼とは何度も話した事はあるけどね。彼の講義は満席だし、私も時間が取れずに視聴できなかったからね。少し国自体も落ち着いて来たから時間が取れるようにもなって来た事だし、大賢者が今の学生にどのように講義をしていくのか興味もある。新たな研究にも参加してるのだろう?本当にカルのスキルがなければこのような体験が出来なかったよ。」

そう言ってクスクス笑っていた。
うん、僕の不安に対しての追求がそれたようだ。
うん、このまま流されたらいい…

「で、何かあった?」

流されてくれなかったようだ…


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