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未来に向けて
アカデミーに
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そうこうして、僕の長い休みが終わった。
アカデミーの学生寮に戻ると、仲の良かった友人達がホッとした表情で出迎えてくれた。
スレインも、いつもと変わらない対応に、一瞬どうしたら良いのか戸惑うけれど、他の友人達は詳しい諸事情を知らないから、僕がソワソワとおかしな対応をするのは変だ。
よって、あの事はとりあえず封印する事にした。
元々僕の諸事情も隠していたんだしね。例えスレインが…うん、大丈夫だ。
「カル?何考えてるんだ?」
「悩む顔も可愛いけど、余りやりすぎると、先生に怒られるよ。ほら、婚約者なんだろう?」
僕とディは実質夫婦。いゃ、夫夫?何だけど、まだ学生であるからそれは公にしないことになっている。
帰省場所はディの屋敷であるけれど…
それは、婚約者であるから、竜人族の婚約者を持つ場合、婚約期間であっても一緒に住む事は良いとされていた。
勿論、この国だけだと思う。他国の事は…今度聞いてみよう。
僕が巡礼メンバーに選出された時、婚約を大々的に表明されていたから、学友の皆んなも、他の者達にも知れ渡っていた。
まぁ、今回の『異世界からの扉』騒動も、被害報告からその他の処理もほぼ終わりかけているが、あの時多くの者達が婚姻を急いだり、婚約を急いだりもしていたらしい。
騎士団などで収集される者達にとって、自分の大切な人達が、自分たちのいない所で…不在な時に他者に奪われては困ると考えた人が多かったからだろうと言っていたけれど…
まぁ、その線が可能性として大いにあると思うけれども…
脅威はとりあえず去ったし、魔素溜まりや魔獣と言った被害もかなり落ち着いて来てるしね…
そういえば、北側の件はどうなってるんだろうか?
あの辺りも魔物の国が存在しており、実際ある場所から貿易もしていると教えられた。
昔は完全閉鎖だったらしいんだけどね。
神々が頑張った?のも、あるとかないとか?
まだまだ危険な魔獣も向こうには居るらしく、無闇には行けないらしい。
余程の実力がある者で…
まぁ、今の僕には関係ない…と思う。
魔素の影響でまた多くの被害が出始めたら…
「ま~た難しい顔してるよ。考えすぎだよ。」
スレインが僕の眉間の皺を指で伸ばした。
そして、耳元に小声でボソッと…
「君の考えてる事は間違ってはいないけど、それについては今度相談しよう。今は…ね。」
そう言って微笑まれた。
君のその微笑みはどう返したら良いんだ?
「そうそう、今日から転校生が来るんだろ?」
「そうだよ。実は僕の婚約者なんだ。」
シルビィが最新情報みたいな感じで話すと、スレインがしれっとそう答えた。
「えっ?スレイン婚約したの?いつの間に??」
「ん~、この前の聖女一行に選ばれて同行してた時?って事にしておいて。」
「そこを詳しく!!」
友人達はスレインの婚約者に関して意気揚々と質問攻めにし出したけれど、予鈴がなった。
だから、慌ただしく急いで席に着く。
そっか。今日から彼女がこのアカデミーに通うんだったんだ。
アカデミーの学生寮に戻ると、仲の良かった友人達がホッとした表情で出迎えてくれた。
スレインも、いつもと変わらない対応に、一瞬どうしたら良いのか戸惑うけれど、他の友人達は詳しい諸事情を知らないから、僕がソワソワとおかしな対応をするのは変だ。
よって、あの事はとりあえず封印する事にした。
元々僕の諸事情も隠していたんだしね。例えスレインが…うん、大丈夫だ。
「カル?何考えてるんだ?」
「悩む顔も可愛いけど、余りやりすぎると、先生に怒られるよ。ほら、婚約者なんだろう?」
僕とディは実質夫婦。いゃ、夫夫?何だけど、まだ学生であるからそれは公にしないことになっている。
帰省場所はディの屋敷であるけれど…
それは、婚約者であるから、竜人族の婚約者を持つ場合、婚約期間であっても一緒に住む事は良いとされていた。
勿論、この国だけだと思う。他国の事は…今度聞いてみよう。
僕が巡礼メンバーに選出された時、婚約を大々的に表明されていたから、学友の皆んなも、他の者達にも知れ渡っていた。
まぁ、今回の『異世界からの扉』騒動も、被害報告からその他の処理もほぼ終わりかけているが、あの時多くの者達が婚姻を急いだり、婚約を急いだりもしていたらしい。
騎士団などで収集される者達にとって、自分の大切な人達が、自分たちのいない所で…不在な時に他者に奪われては困ると考えた人が多かったからだろうと言っていたけれど…
まぁ、その線が可能性として大いにあると思うけれども…
脅威はとりあえず去ったし、魔素溜まりや魔獣と言った被害もかなり落ち着いて来てるしね…
そういえば、北側の件はどうなってるんだろうか?
あの辺りも魔物の国が存在しており、実際ある場所から貿易もしていると教えられた。
昔は完全閉鎖だったらしいんだけどね。
神々が頑張った?のも、あるとかないとか?
まだまだ危険な魔獣も向こうには居るらしく、無闇には行けないらしい。
余程の実力がある者で…
まぁ、今の僕には関係ない…と思う。
魔素の影響でまた多くの被害が出始めたら…
「ま~た難しい顔してるよ。考えすぎだよ。」
スレインが僕の眉間の皺を指で伸ばした。
そして、耳元に小声でボソッと…
「君の考えてる事は間違ってはいないけど、それについては今度相談しよう。今は…ね。」
そう言って微笑まれた。
君のその微笑みはどう返したら良いんだ?
「そうそう、今日から転校生が来るんだろ?」
「そうだよ。実は僕の婚約者なんだ。」
シルビィが最新情報みたいな感じで話すと、スレインがしれっとそう答えた。
「えっ?スレイン婚約したの?いつの間に??」
「ん~、この前の聖女一行に選ばれて同行してた時?って事にしておいて。」
「そこを詳しく!!」
友人達はスレインの婚約者に関して意気揚々と質問攻めにし出したけれど、予鈴がなった。
だから、慌ただしく急いで席に着く。
そっか。今日から彼女がこのアカデミーに通うんだったんだ。
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