竜の国のご都合主義?

文字の大きさ
上 下
232 / 269

驚きの真実

しおりを挟む
「ん~?ここは何処??」

頬に当たるやや冷たい風で目が覚める。
覚めると言っても??

周りには誰もいない。
空は青く、ほぼ澄みきっていた。
時より白い雲が流れて行く。

そして綺麗に水底まで伺えそうな…

「えっと…ここってもしかして?」

屋敷から離れた森の石碑の近く。僕が行方不明になった時に捜索された場所に酷似して、あの時見た不思議な石碑が…
うん、やっぱりあるよ。

『竜人族である兄だから見つけれたし、ここまで直ぐに来れたのだろう。』と、当時の僕の感想。
ヒト族である自分だと、徒歩か馬を走らせてになるから、いくら魔力で追っても時間がかかる。
移動もそうだし、捜索もだ…

僕を見つけた時には、周囲は小さな光の粒子が側を飛び交っていたらしい。
うん、今も飛び交ってる。
でも、どうにも違和感が満載だ。
何故なら…


石碑には、文字がしっかりと刻まれていた。
いゃ、前も刻まれていたよ。初めて見たと思った時とは別の文字が。

自然が豊かで、石碑があるこの場所は、かなり昔から神聖な場所として見なされていた。
当時の僕はそのことに関して理解していなかったし、あの時見た文字には『ようこそ』みたいな文字だったんだ。
『この世界を楽しんで』とか、『何かあったら神殿に』みたいな感じで、そう、あの二神からだった。

当時教えられていた事も、僕がゲーム制作スタッフで携わっていた時の内容?とも違った展開で、しかも、神々の御都合主義に巻き込まれの展開。

まぁ、ゲームでは、僕はモブで、悲劇的扱いが多かった。
僕自身は『そこまでする必要性ある?』と言ってみたけれど、やはりスポンサーのね。
制作スタッフも、色々盛り込んだほうがいいかもみたいでさ。

『悪』や『悲劇』がある方が、『正義』の塊達がよく見栄えするしね。
最後はハッピーエンドをご所望するし…

「マスター。お目覚めでしょうか?」

いつの間にかディアブロが側に来て首を垂れる。

そして、相変わらずの執事兼護衛として…

「ディアブロ。ここは?」

何となく理解しているんだけれど、確証が欲しくて彼に尋ねてみた。

もう、何が来ても、何が起きても驚かないぞ!
だって、この男も神の一人なんだろう?
次元や時空といったものを司るとか。

モブの僕がそんなすごい存在の主になるなんて…

そっと石碑に触れてみる。
すると、いきなり光り輝き出したから、慌てて両目を塞いでみた。

「マスター。もう大丈夫そうですよ。」

そう言ってディアブロが声をかけてきたから、僕はそっと覆っていた手を退けて…

石碑にはまた別の文字が現れていた。



牧田涼太(まきた りょうた)君。いゃ、この世界ではカルロス・セイクリオン。
この世界は楽しめましたか?
ちょっと予定とした事と多いに変化してしまったんだけどね。
それよりも、この世界を救ってくれてありがとう。
まだ、脅威は残っているんだけどね…

それは追々だ…


「追々ってどう言う事??」

思わず愕然と文章を声を出して読んでしまった。
横にいるディアブロが『チッ』と舌打ちしたよ。
えっと??

すると、文字が一瞬消えて、また浮かび上がってきた。
今度は石碑全体が光り輝く感じではなく、文字の所が微かに光って消え、新たに文字が浮かび上がってくる感じだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした

和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。 そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。 * 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵 * 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています

ぽんちゃん
BL
 病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。  謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。  五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。  剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。  加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。  そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。  次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。  一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。  妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。  我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。  こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。  同性婚が当たり前の世界。  女性も登場しますが、恋愛には発展しません。

[完結]ひきこもり執事のオンオフスイッチ!あ、今それ押さないでくださいね!

小葉石
BL
   有能でも少しおバカなシェインは自分の城(ひきこもり先)をゲットするべく今日も全力で頑張ります!  応募した執事面接に即合格。  雇い主はこの国の第3王子ガラット。 人嫌いの曰く付き、長く続いた使用人もいないと言うが、今、目の前の主はニッコニコ。  あれ?聞いていたのと違わない?色々と違わない?  しかし!どんな主人であろうとも、シェインの望みを叶えるために、完璧な執事をこなして見せます!  勿論オフはキッチリいただきますね。あ、その際は絶対に呼ばないでください! *第9回BL小説大賞にエントリーしてみました。  

今世はメシウマ召喚獣

片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。 最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。 ※女の子もゴリゴリ出てきます。 ※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。 ※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。 ※なるべくさくさく更新したい。

僕のユニークスキルはお菓子を出すことです

野鳥
BL
魔法のある世界で、異世界転生した主人公の唯一使えるユニークスキルがお菓子を出すことだった。 あれ?これって材料費なしでお菓子屋さん出来るのでは?? お菓子無双を夢見る主人公です。 ******** 小説は読み専なので、思い立った時にしか書けないです。 基本全ての小説は不定期に書いておりますので、ご了承くださいませー。 ショートショートじゃ終わらないので短編に切り替えます……こんなはずじゃ…( `ᾥ´ )クッ 本編完結しました〜

処理中です...