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扉
驚きの真実
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グラグラと地面が揺れて、壁もポロポロと小石が…
一瞬潰れる?なんて思ったけれど、それはすぐに収まった。
ホッとするのも束の間、今度はあたり一面が光に覆われて…
「うゎっ、眩しい!」
「何なのよ~!」
僕達家族や叔父達は一瞬息を止めて身構えるけれど、聖女達(スレイン以外だな)は大騒ぎだ。
ここ、洞窟内だってわかってる?
響くんだよね~~~
「お前達、やかましい!」
そう言っ現れたのは、二神だった。光と闇の二神であるリーミエ様とカーミエ様。
その後に…
「御主が出て来たか。懐かしいのぉ。」
のほほんといつもの口調のアルメルア神だ。
えっと?お知り合いですか?
神様は悪魔とも顔見知り??
そんな馬鹿げたことを考えながら呆然とした。
父や叔父達は警戒体制を解いていない。
僕の側にいるディもだ。
ディアブロは…何か物知り顔だ。
何か見知っている感じがする。
「ディアブロ、説明して。何か知ってるんだろう?」
「はい。我が主人。」
そう言って、そっとお茶を出してきた。
「ちょうど喉が渇いて…じゃなくて!」
渡されたグラスの中身は美味しくいただきましたよ。
緊張しすぎたからちょうどよかったんだけどね…
でも、この周りの緊張感とマッチしなさすぎだろう!
一気に飲んでグラスをディアブロに渡すと、器用に異空間にしまったようだ。
「もう良いよ。それで。」
周りを見ると、皆んなの動きが止まっていた。
周りが止まっていたから受け取った冷えた紅茶を一気に飲んだんだけどね。
「皆さんにもお聞かせしたほうがよろしいですか?」
聞かせた方がいいのか微妙な事だったのか。
だからあえて時間を止めた。
ほんと凄いな。このディアブロは…
「内容によるけれど…取り敢えず、ディと父と叔父は聞かせれるようにして。」
「畏まりました。」
そう言うと、パチンと指を鳴らす。
ディと父達が『おっと…』と言って動き出した。
うん、倒れなくてよかったよ。
体勢によっては転けてしまうものね。流石。
「これは一体?」
「ディアブロが時間を止めたのか?」
「何と言うか…」
うん、言いたい事は分かるよ。僕もそう思ったから。しかも、神様まで止めてしまうなんて…
どんだけだろうか…
「では、ご説明させていただきます。まず、扉から最初に出て来ようとしたのは悪魔族の者です。そしてそれは後から出てきた者に背後に飛ばされたのと、聖女の力で押し込められたようです。で、次に出て来たのは神ですね。この扉、異世界空間に繋がっておりまして、扉の力によって出てこられる者が多少変わります。低俗の物はどの扉からでも出て来られますがね。あの小さき翼の小悪魔とか。本来は妖精族も通れるのですが、小悪魔を嫌っていますから、余程でない限り出てきません。それぐらいの異世界が向こうで無数に繋がっております。で、今回のは少し強力な力を持った扉ですね。これはあの神アルメルアと聖女の身体に潜んでいる神シルメールの影響でしょう。」
「扉によって違うのは初耳だ。過去の文献にも記載されていない。」
「そうでしょうね。まぁ、ここまでの物は初めてでしょうから。これに類似した格下の扉は過去に一度。初代聖女の時に出現しています。ですから、あの当初は大変だったでしょうね。聖女に協力した神は…異世界に自分のカケラを飛ばしたぐらいですから…。」
「自分のカケラ?」
「はい。神力や魔力と言った特殊な力を枯渇状態まで使い切った場合、神の力量によって治癒再生が叶わない場合が有ります。神と言っても、永遠にとはいかない場合もあるのです。いわゆる神の死。消滅ですね。消滅の場合、本来は全てが溶け込む?吸収?まぁ完全に消えるのですが、初代聖女アカリに手を貸した神は幾つかのカケラとなって異世界に渡ったのでしょう。この世界に隠されたカケラはマスターがお持ちです。それ以外は…そうですね、母君の中にあるようです。」
「どう言う事だ!!」
父上の表情が険しくなる。
それはそうだ。ここで母上のことを言われたのだから…
一瞬潰れる?なんて思ったけれど、それはすぐに収まった。
ホッとするのも束の間、今度はあたり一面が光に覆われて…
「うゎっ、眩しい!」
「何なのよ~!」
僕達家族や叔父達は一瞬息を止めて身構えるけれど、聖女達(スレイン以外だな)は大騒ぎだ。
ここ、洞窟内だってわかってる?
響くんだよね~~~
「お前達、やかましい!」
そう言っ現れたのは、二神だった。光と闇の二神であるリーミエ様とカーミエ様。
その後に…
「御主が出て来たか。懐かしいのぉ。」
のほほんといつもの口調のアルメルア神だ。
えっと?お知り合いですか?
神様は悪魔とも顔見知り??
そんな馬鹿げたことを考えながら呆然とした。
父や叔父達は警戒体制を解いていない。
僕の側にいるディもだ。
ディアブロは…何か物知り顔だ。
何か見知っている感じがする。
「ディアブロ、説明して。何か知ってるんだろう?」
「はい。我が主人。」
そう言って、そっとお茶を出してきた。
「ちょうど喉が渇いて…じゃなくて!」
渡されたグラスの中身は美味しくいただきましたよ。
緊張しすぎたからちょうどよかったんだけどね…
でも、この周りの緊張感とマッチしなさすぎだろう!
一気に飲んでグラスをディアブロに渡すと、器用に異空間にしまったようだ。
「もう良いよ。それで。」
周りを見ると、皆んなの動きが止まっていた。
周りが止まっていたから受け取った冷えた紅茶を一気に飲んだんだけどね。
「皆さんにもお聞かせしたほうがよろしいですか?」
聞かせた方がいいのか微妙な事だったのか。
だからあえて時間を止めた。
ほんと凄いな。このディアブロは…
「内容によるけれど…取り敢えず、ディと父と叔父は聞かせれるようにして。」
「畏まりました。」
そう言うと、パチンと指を鳴らす。
ディと父達が『おっと…』と言って動き出した。
うん、倒れなくてよかったよ。
体勢によっては転けてしまうものね。流石。
「これは一体?」
「ディアブロが時間を止めたのか?」
「何と言うか…」
うん、言いたい事は分かるよ。僕もそう思ったから。しかも、神様まで止めてしまうなんて…
どんだけだろうか…
「では、ご説明させていただきます。まず、扉から最初に出て来ようとしたのは悪魔族の者です。そしてそれは後から出てきた者に背後に飛ばされたのと、聖女の力で押し込められたようです。で、次に出て来たのは神ですね。この扉、異世界空間に繋がっておりまして、扉の力によって出てこられる者が多少変わります。低俗の物はどの扉からでも出て来られますがね。あの小さき翼の小悪魔とか。本来は妖精族も通れるのですが、小悪魔を嫌っていますから、余程でない限り出てきません。それぐらいの異世界が向こうで無数に繋がっております。で、今回のは少し強力な力を持った扉ですね。これはあの神アルメルアと聖女の身体に潜んでいる神シルメールの影響でしょう。」
「扉によって違うのは初耳だ。過去の文献にも記載されていない。」
「そうでしょうね。まぁ、ここまでの物は初めてでしょうから。これに類似した格下の扉は過去に一度。初代聖女の時に出現しています。ですから、あの当初は大変だったでしょうね。聖女に協力した神は…異世界に自分のカケラを飛ばしたぐらいですから…。」
「自分のカケラ?」
「はい。神力や魔力と言った特殊な力を枯渇状態まで使い切った場合、神の力量によって治癒再生が叶わない場合が有ります。神と言っても、永遠にとはいかない場合もあるのです。いわゆる神の死。消滅ですね。消滅の場合、本来は全てが溶け込む?吸収?まぁ完全に消えるのですが、初代聖女アカリに手を貸した神は幾つかのカケラとなって異世界に渡ったのでしょう。この世界に隠されたカケラはマスターがお持ちです。それ以外は…そうですね、母君の中にあるようです。」
「どう言う事だ!!」
父上の表情が険しくなる。
それはそうだ。ここで母上のことを言われたのだから…
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