竜の国のご都合主義?

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反撃?

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聖女一行を放置して、僕達はそれぞれ計画通りの位置に移動する。

「ちょっと!何なのよ!!」

暴れる愛を、巡礼メンバーが宥めている。
スレインとルディウスには、ディが念話で説明したみたいだ。
いつの間に…竜人族のスキルだろうけど…
二人が頷き合っているから、確認が取れたのだろう。


あれ?他のメンバーにも共有できるように、スレインが魔法展開して情報共有してる。
スレインもなかなかのスキル持ちだし、魔法操作とかもアカデミーで一緒にいた時得意そうにしていたからある程度は知っていたけど。うん、凄いね。
聖女である愛は、拒否しているのか共有がうまく出来ていないようだ。
何でだろうね。残念な子に見えてしまうのは?

「アイはここから祈って。僕達がフォローするから。」
「そうそう、もうやばそうだ!」

そう言って、愛に祈りを捧げるように促していた。
愛も渋々と言った感じで膝を降り祈りを捧げる。

すると、仄かに光り輝き出した。
僕達も剣を構えたりして…

ギギギギ~

古びた金属の擦れたような音が鳴り響き、少しずつ開かれた扉を掴んで出ようと腕が伸びて…
その隙間からは、小悪魔達が這いずって出てきているけど、聖女達の力がそれを拒むように押し出す。

「あの時と同じ、小悪魔は出てくるな!」
「あぁ、そうだな!」

それでも隙間を縫って出てくる小悪魔達を、父と叔父が無双し出す。
兄達もだ。
僕は…

「マスター、もう少しだけお待ちください。」
「あぁ、わかっている…」

胸元に潜ませている短剣をそっと服の上から撫でる。

初めに扉から出てこようとした悪魔が扉の向こうに押しやられたと思ったら、今度は別の腕が…
さっきの腕は爪が尖り、筋肉質の…
そう、向こうの世界で描かれる鬼の様な感じだった。
だが今度のは…

しなやかな筋肉がついた様な腕。
しかも、まるで人と同じ様な…

そう思ったら、シャキンと爪が伸びた。
爪を掴んでいる扉に食い込ませて身体をそこから出そうとしている様だ。

ヌ~っと現れたのは…
腰まで伸びた黒髪に黒の瞳。赤い瞳孔の…

思わず膝を降り、首を垂れそうになるぐらいの神々しさを放つ異形。
その姿が現れた途端、こちら側にも異変が起こった。
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