217 / 269
扉
反撃?
しおりを挟む
休憩を挟みながら先に進む。
ヒト族の僕とか竜人族とか魔人族と言った種族間の違いか、体力差がかなり激しい。
僕の場合は父が竜人族だから、普通のヒト族よりは体力があると思ったけれど、日頃の甘やかされ状態のせいか、うん、体力落ちている。
初代聖女のアカリや先代聖女である叔母上(もう母上がいるから呼び捨てはできない。)もいるから、癒してもらえてるんだけどね。でも、癒しの回数がどうしても多いんだよ。そうなると、番が抱き上げて歩こうとして…魔獣も魔物も出て来るダンジョン内だし、恥ずかしいし、討伐に支障が来る。
よって、頻回の休憩が挟まれていた。
聖女達は向こうで癒しあいをしてるから、関係ない…事もないか…
友人のスレインの事は心配だ。元々体力あるんだけどね…見た目以上に…
でも、休憩は必要だ。いざという時に体力も気力もすり減ってしまっては元も子もない。
空腹も天敵だと思うしね。
で、休憩を取るんだけれど、聖女達とは少し距離を置いているから、僕から彼女達に近づくつもりはない。
それに、お互い魔物や魔獣が襲ってこないように結界も張っていた。
普通の結界なら、聖女達が僕に近づこうと思えば近づけるんだけど、僕の事で彼女が色々やらかしていたから、彼女だけは僕達に近づけないようになっていた。
洞窟内に入る時にはそこまであからさまに毛嫌いされていなかったと思うけれど、洞窟内でのあの叫びが決定打になったようなんだ。
聖女達巡礼メンバーが僕達に話に来る場合は、スレインを通すように。彼の手が離せない場合はルディウス殿下がと言う風に窓口指定。
スレインは僕の友人だから。ルディウス殿下は癒しの魔法が得意なロザリアン神聖国の第二皇子であり、光魔法保持者で聖職者として国に貢献してるし、以前聖女の魅了にかかっていたらしいけど、今は大丈夫だとスレインが太鼓判を押したからだ。スレインは何故か魅了はかからないらしい。何か特殊な物を持ち歩いているのか、それともスキル?
うん、今度教えてくれないかな?
「マスター。お茶をどうぞ。皆様も。」
そう言って、ディアブロが家族みんなに給餌をしだした。
一体どこから出してるんだか。異空間収納?そうなんだ。
「ちょっと、どうして向こうはあんなに優雅なお茶タイムしてるのよ。私は聖女なのよ。私こそお世話されるべきじゃない!!」
そう言って怒り狂い出した。
召喚された時の、可愛らしく活発な少女の姿は何処に行ったのか。
もう、遠くに飛んでいったんだろうね。
今では小学生低学年か幼稚園児の駄々っ子のようだ。
「ディアブロ、向こうにも少し分けてあげて。」
「え~っ、どうしてですか?」
うん、思いっきり嫌そうだ。だが、聖女はアレでも、他のメンバーは…若干数名まだ魅了がかかってる?って感じではあるけれども、だいぶと解けている気もする。
それなら…哀れだし…
「マスターがそう言うなら仕方ありませんね。では、少しだけお届けして来ます。」
そう言うと、ディアブロが結界から抜けて向こうに籠を持って行った。
籠の中には簡単なティーセットとサンドイッチを入れているとも言っていたから、少しは小腹が膨れるだろう。
お腹がすけば、イライラが募るしね…
「それにしても、聖女ってあんな感じでした?」
「何だか幼子みたいですね。でも、確か十六歳ぐらいですよね。」
「そうだったと思うんだけれども…」
いつの間にか人数増えてますよ。
元聖女の二人と母が仲良くお茶会状態。
それを見守りながら、『鬱陶しい!』と言って父達が周りで無双し出した。
兄は魔石を拾い始めて…
何とう言うか…さっきの緊張感どこにいった?
アルストが向こうのメンバーを憐れみ出して、ガラとシェリルも仕方なく、向こうが休んでいる間は周りに現れた魔獣と魔物を討伐するため重い腰を持ち上げた。
「聖女はどうでもいい気がするんですけどね。」
「メンバーがあまりにも哀れで…」
そう言いながら…狭い洞窟内も気にせずサクサクと討伐していった。
「ふぅ~、良い運動ができた。」
「あぁ。」
向こうで良い汗かいたみたいな雰囲気に、巡礼メンバーのマルクスとマリエットが反応した。後、僕が抜けた後に騎士から選抜された竜人族もだ。
彼の名前は?そうそうグレナダだ。彼は後から印が浮き出てきたとか?僕が抜ける前に薄らと浮かんでいて、抜けた途端にくっきり浮き出たらしい。
なら、ディを求めなくても良いのに…あぁ、そこは聖女の推しなんだろうなぁ…
「さて、そろそろ先に進みましょう。」
向こうの茶器等も片付けた後、ディアブロはさっさと僕達の元に戻って来た。
愛ももう諦めたのか、渋々立ち上がり、先頭メンバーと一緒に歩き出す。
時々こちらを見て来るが、そこはもう無視だ。
「後もう二箇所ほど分岐点を過ぎれば目的地です。」
先行調査で調べてくれていた忍者マスターのガラと、戦闘エルフのシェリルがそう伝えてくれて、『よし!』と気合を入れ直した。
ヒト族の僕とか竜人族とか魔人族と言った種族間の違いか、体力差がかなり激しい。
僕の場合は父が竜人族だから、普通のヒト族よりは体力があると思ったけれど、日頃の甘やかされ状態のせいか、うん、体力落ちている。
初代聖女のアカリや先代聖女である叔母上(もう母上がいるから呼び捨てはできない。)もいるから、癒してもらえてるんだけどね。でも、癒しの回数がどうしても多いんだよ。そうなると、番が抱き上げて歩こうとして…魔獣も魔物も出て来るダンジョン内だし、恥ずかしいし、討伐に支障が来る。
よって、頻回の休憩が挟まれていた。
聖女達は向こうで癒しあいをしてるから、関係ない…事もないか…
友人のスレインの事は心配だ。元々体力あるんだけどね…見た目以上に…
でも、休憩は必要だ。いざという時に体力も気力もすり減ってしまっては元も子もない。
空腹も天敵だと思うしね。
で、休憩を取るんだけれど、聖女達とは少し距離を置いているから、僕から彼女達に近づくつもりはない。
それに、お互い魔物や魔獣が襲ってこないように結界も張っていた。
普通の結界なら、聖女達が僕に近づこうと思えば近づけるんだけど、僕の事で彼女が色々やらかしていたから、彼女だけは僕達に近づけないようになっていた。
洞窟内に入る時にはそこまであからさまに毛嫌いされていなかったと思うけれど、洞窟内でのあの叫びが決定打になったようなんだ。
聖女達巡礼メンバーが僕達に話に来る場合は、スレインを通すように。彼の手が離せない場合はルディウス殿下がと言う風に窓口指定。
スレインは僕の友人だから。ルディウス殿下は癒しの魔法が得意なロザリアン神聖国の第二皇子であり、光魔法保持者で聖職者として国に貢献してるし、以前聖女の魅了にかかっていたらしいけど、今は大丈夫だとスレインが太鼓判を押したからだ。スレインは何故か魅了はかからないらしい。何か特殊な物を持ち歩いているのか、それともスキル?
うん、今度教えてくれないかな?
「マスター。お茶をどうぞ。皆様も。」
そう言って、ディアブロが家族みんなに給餌をしだした。
一体どこから出してるんだか。異空間収納?そうなんだ。
「ちょっと、どうして向こうはあんなに優雅なお茶タイムしてるのよ。私は聖女なのよ。私こそお世話されるべきじゃない!!」
そう言って怒り狂い出した。
召喚された時の、可愛らしく活発な少女の姿は何処に行ったのか。
もう、遠くに飛んでいったんだろうね。
今では小学生低学年か幼稚園児の駄々っ子のようだ。
「ディアブロ、向こうにも少し分けてあげて。」
「え~っ、どうしてですか?」
うん、思いっきり嫌そうだ。だが、聖女はアレでも、他のメンバーは…若干数名まだ魅了がかかってる?って感じではあるけれども、だいぶと解けている気もする。
それなら…哀れだし…
「マスターがそう言うなら仕方ありませんね。では、少しだけお届けして来ます。」
そう言うと、ディアブロが結界から抜けて向こうに籠を持って行った。
籠の中には簡単なティーセットとサンドイッチを入れているとも言っていたから、少しは小腹が膨れるだろう。
お腹がすけば、イライラが募るしね…
「それにしても、聖女ってあんな感じでした?」
「何だか幼子みたいですね。でも、確か十六歳ぐらいですよね。」
「そうだったと思うんだけれども…」
いつの間にか人数増えてますよ。
元聖女の二人と母が仲良くお茶会状態。
それを見守りながら、『鬱陶しい!』と言って父達が周りで無双し出した。
兄は魔石を拾い始めて…
何とう言うか…さっきの緊張感どこにいった?
アルストが向こうのメンバーを憐れみ出して、ガラとシェリルも仕方なく、向こうが休んでいる間は周りに現れた魔獣と魔物を討伐するため重い腰を持ち上げた。
「聖女はどうでもいい気がするんですけどね。」
「メンバーがあまりにも哀れで…」
そう言いながら…狭い洞窟内も気にせずサクサクと討伐していった。
「ふぅ~、良い運動ができた。」
「あぁ。」
向こうで良い汗かいたみたいな雰囲気に、巡礼メンバーのマルクスとマリエットが反応した。後、僕が抜けた後に騎士から選抜された竜人族もだ。
彼の名前は?そうそうグレナダだ。彼は後から印が浮き出てきたとか?僕が抜ける前に薄らと浮かんでいて、抜けた途端にくっきり浮き出たらしい。
なら、ディを求めなくても良いのに…あぁ、そこは聖女の推しなんだろうなぁ…
「さて、そろそろ先に進みましょう。」
向こうの茶器等も片付けた後、ディアブロはさっさと僕達の元に戻って来た。
愛ももう諦めたのか、渋々立ち上がり、先頭メンバーと一緒に歩き出す。
時々こちらを見て来るが、そこはもう無視だ。
「後もう二箇所ほど分岐点を過ぎれば目的地です。」
先行調査で調べてくれていた忍者マスターのガラと、戦闘エルフのシェリルがそう伝えてくれて、『よし!』と気合を入れ直した。
21
お気に入りに追加
138
あなたにおすすめの小説
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
魔王討伐後に勇者の子を身篭ったので、逃げたけど結局勇者に捕まった。
柴傘
BL
勇者パーティーに属していた魔術師が勇者との子を身篭ったので逃走を図り失敗に終わるお話。
頭よわよわハッピーエンド、執着溺愛勇者×気弱臆病魔術師。
誰もが妊娠できる世界、勇者パーティーは皆仲良し。
さくっと読める短編です。
【完結】白い塔の、小さな世界。〜監禁から自由になったら、溺愛されるなんて聞いてません〜
N2O
BL
溺愛が止まらない騎士団長(虎獣人)×浄化ができる黒髪少年(人間)
ハーレム要素あります。
苦手な方はご注意ください。
※タイトルの ◎ は視点が変わります
※ヒト→獣人、人→人間、で表記してます
※ご都合主義です、あしからず
専属【ガイド】になりませんか?!〜異世界で溺愛されました
sora
BL
会社員の佐久間 秋都(さくま あきと)は、気がつくと異世界憑依転生していた。名前はアルフィ。その世界には【エスパー】という能力を持った者たちが魔物と戦い、世界を守っていた。エスパーを癒し助けるのが【ガイド】。アルフィにもガイド能力が…!?
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
【完結】マジで滅びるんで、俺の為に怒らないで下さい
白井のわ
BL
人外✕人間(人外攻め)体格差有り、人外溺愛もの、基本受け視点です。
村長一家に奴隷扱いされていた受けが、村の為に生贄に捧げられたのをきっかけに、双子の龍の神様に見初められ結婚するお話です。
攻めの二人はひたすら受けを可愛がり、受けは二人の為に立派なお嫁さんになろうと奮闘します。全編全年齢、少し受けが可哀想な描写がありますが基本的にはほのぼのイチャイチャしています。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる