竜の国のご都合主義?

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反撃?

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休憩を挟みながら先に進む。
ヒト族の僕とか竜人族とか魔人族と言った種族間の違いか、体力差がかなり激しい。
僕の場合は父が竜人族だから、普通のヒト族よりは体力があると思ったけれど、日頃の甘やかされ状態のせいか、うん、体力落ちている。
初代聖女のアカリや先代聖女である叔母上(もう母上がいるから呼び捨てはできない。)もいるから、癒してもらえてるんだけどね。でも、癒しの回数がどうしても多いんだよ。そうなると、番が抱き上げて歩こうとして…魔獣も魔物も出て来るダンジョン内だし、恥ずかしいし、討伐に支障が来る。
よって、頻回の休憩が挟まれていた。
聖女達は向こうで癒しあいをしてるから、関係ない…事もないか…
友人のスレインの事は心配だ。元々体力あるんだけどね…見た目以上に…
でも、休憩は必要だ。いざという時に体力も気力もすり減ってしまっては元も子もない。
空腹も天敵だと思うしね。
で、休憩を取るんだけれど、聖女達とは少し距離を置いているから、僕から彼女達に近づくつもりはない。
それに、お互い魔物や魔獣が襲ってこないように結界も張っていた。
普通の結界なら、聖女達が僕に近づこうと思えば近づけるんだけど、僕の事で彼女が色々やらかしていたから、彼女だけは僕達に近づけないようになっていた。
洞窟内に入る時にはそこまであからさまに毛嫌いされていなかったと思うけれど、洞窟内でのあの叫びが決定打になったようなんだ。

聖女達巡礼メンバーが僕達に話に来る場合は、スレインを通すように。彼の手が離せない場合はルディウス殿下がと言う風に窓口指定。
スレインは僕の友人だから。ルディウス殿下は癒しの魔法が得意なロザリアン神聖国の第二皇子であり、光魔法保持者で聖職者として国に貢献してるし、以前聖女の魅了にかかっていたらしいけど、今は大丈夫だとスレインが太鼓判を押したからだ。スレインは何故か魅了はかからないらしい。何か特殊な物を持ち歩いているのか、それともスキル?
うん、今度教えてくれないかな?

「マスター。お茶をどうぞ。皆様も。」

そう言って、ディアブロが家族みんなに給餌をしだした。
一体どこから出してるんだか。異空間収納?そうなんだ。

「ちょっと、どうして向こうはあんなに優雅なお茶タイムしてるのよ。私は聖女なのよ。私こそお世話されるべきじゃない!!」

そう言って怒り狂い出した。
召喚された時の、可愛らしく活発な少女の姿は何処に行ったのか。
もう、遠くに飛んでいったんだろうね。
今では小学生低学年か幼稚園児の駄々っ子のようだ。

「ディアブロ、向こうにも少し分けてあげて。」
「え~っ、どうしてですか?」

うん、思いっきり嫌そうだ。だが、聖女はアレでも、他のメンバーは…若干数名まだ魅了がかかってる?って感じではあるけれども、だいぶと解けている気もする。
それなら…哀れだし…

「マスターがそう言うなら仕方ありませんね。では、少しだけお届けして来ます。」

そう言うと、ディアブロが結界から抜けて向こうに籠を持って行った。
籠の中には簡単なティーセットとサンドイッチを入れているとも言っていたから、少しは小腹が膨れるだろう。
お腹がすけば、イライラが募るしね…

「それにしても、聖女ってあんな感じでした?」
「何だか幼子みたいですね。でも、確か十六歳ぐらいですよね。」
「そうだったと思うんだけれども…」

いつの間にか人数増えてますよ。
元聖女の二人と母が仲良くお茶会状態。
それを見守りながら、『鬱陶しい!』と言って父達が周りで無双し出した。
兄は魔石を拾い始めて…
何とう言うか…さっきの緊張感どこにいった?

アルストが向こうのメンバーを憐れみ出して、ガラとシェリルも仕方なく、向こうが休んでいる間は周りに現れた魔獣と魔物を討伐するため重い腰を持ち上げた。

「聖女はどうでもいい気がするんですけどね。」
「メンバーがあまりにも哀れで…」

そう言いながら…狭い洞窟内も気にせずサクサクと討伐していった。

「ふぅ~、良い運動ができた。」
「あぁ。」

向こうで良い汗かいたみたいな雰囲気に、巡礼メンバーのマルクスとマリエットが反応した。後、僕が抜けた後に騎士から選抜された竜人族もだ。
彼の名前は?そうそうグレナダだ。彼は後から印が浮き出てきたとか?僕が抜ける前に薄らと浮かんでいて、抜けた途端にくっきり浮き出たらしい。
なら、ディを求めなくても良いのに…あぁ、そこは聖女の推しなんだろうなぁ…


「さて、そろそろ先に進みましょう。」

向こうの茶器等も片付けた後、ディアブロはさっさと僕達の元に戻って来た。
愛ももう諦めたのか、渋々立ち上がり、先頭メンバーと一緒に歩き出す。
時々こちらを見て来るが、そこはもう無視だ。

「後もう二箇所ほど分岐点を過ぎれば目的地です。」

先行調査で調べてくれていた忍者マスターのガラと、戦闘エルフのシェリルがそう伝えてくれて、『よし!』と気合を入れ直した。
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