竜の国のご都合主義?

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反撃?(ディア)

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僕はもう一人の大人の僕と一緒にマスターの影に潜んでいた。
マスターを守るために、そしていざという時の切り札的存在になるためにだ。

マスターが皆んなと共に洞窟内を進んでいく。

見せてもらったダンジョン地図とほぼ同じ。
道がではなく、報告にあった魔物や魔獣。そしてダンジョン内のトラップの種類と位置がだ。

聖女一行…マスターのご友人以外は別にどうでも良い。
でも、アイツらが変にトラップに引っかかってこっちに被害が及ぶのは気に食わないから、影に潜みながらせっせと解除していた。
師匠であり、大人の自分に教わるのは不思議な気もするけれど、僕自身としては特に違和感なく、言われた通りに魔力感知を施して、そして…


物凄く気になるものが引っかかる。
もう一人の僕、ディアブロも同じく感知したようだが…

「あれはマスターにのみ反応するようになっている様です。敵があえて先にダンジョン内に侵入して施したのでしょう。多分あの男とあの…本当に忌々しい。ですが、これには素直に引っかかって差し上げる必要があります。私達にとって重要な物を持っているはずですからね。そして私達にとって必要で、マスターにとっても…」

大人の僕から既にこの事は教えられていた。
僕自身がこの後に経験して、大人の僕としてマスターのためになる事が…
だから、大丈夫。

我慢したくない。本当は嫌だけれども、でも…

この後起こることを想像して、無性にイライラしたけれど、大人の僕がポンポンと頭を叩いてくれるから、うん、大丈夫だ。

目的地まで時道に影から魔法を使い手助けして…

マスターがさっき感知した魔法陣に足を入れた。
僕達は弾き飛ばされて離されないように影に潜み、マスターと共に別の場所に飛ばされた。


飛んだ場所は…

「この先。そう奥には神が作られた泉があります。恋人達の泉。奇跡の泉とも言いましょうか。あの男はそれを利用するためにここに転移させたのでしょうね。先に自分の悪趣味をマスターに…許せませんが、今少し我慢しましょう。多分あの男に渡すはず。」

影でそう呟くように話してくれてた。
うん、言われた通りにするよ。でも…

神と言う少女はあの男に密かに渡した。
僕達の目的の物に違いない。
見えにくかったけれど、僕達にはそれが見えていたんだ。

そして、魔物の分際でマスターの手足に絡み、陵辱しようとする。
この魔物は獲物の皮膚を棘で傷つけそこから媚薬を注入する。
相手が発情したら、その生気を奪い取り養分とするんだ。
発情する事により、生気に魔力が多く混ざり込むからね。
それを利用してマスターを捉えさせて、媚薬を…

飛び出して引きちぎってやりたいのを我慢する。
まだあの神と名乗る少女がいるからだ。
あの神は、まだここでは捉えられない。
本体はここには居ないから…

影の中で歯軋りしながら我慢する。
隣の大人の僕もかなり怖そうだ。
影の中では温冷は感じないはずなんだけど、うん、寒いよ。
わかるけどさ…

そうこうすれば、少女の姿が消えて、あの忌々しい男がマスターに手を出した。
手を出す事で、あの男が持つモノがマスターの魔力に感知する。
男にとっては、僕達が目的としているモノに関して作動している事は気がついていないようだ。
ただ、マスターの唇を奪い、陵辱して行く興奮を歓喜しているだけ…

「出ますよ。」

マスターから魔力を多いに奪い取り込んだのを確認し、もう許せないと二人で影から飛び出て男を弾き飛ばすと同時に、別の空間から大きな魔力を感じ…うん、マスターに絡みつく物を消し炭にして、マスターを抱きしめている。
言われて知ってはいたけれど、やはり窮地には『白馬の王子様』の様に助けにこられるんだ。

僕達二人で男が持っていた物を奪い取り、今まで我慢していた気持ちをぶつける様に、死なない程度に制裁をする。
マスターは愛しい番様に抱きしめられて守られながら…
うん、魔物をボコボコにして消し炭にするんだね。

マスターが媚薬のせいか、色気ダダ漏れ状態の魅惑的姿になっているけれど…
思わず僕もドキッとしてしまう。
ディアブロにゲンコツされてしまったけれど。

僕にとって、マスターは特別な存在だ。
僕自身がマスターの一部となって常に側にいたい。守りたいと言う感じだ。
恋愛感情や親子間、友人間の愛情ともまた違う執着。

マスターの番様に最後の一発を残しておいて…
うん、死んでないよね。大丈夫だ。

転がる男を荷物の様にディアブロが担ぐ。

「じゃあ、ジャディール様、後の事はよろしくお願いします。そうそう、その奥を進みますと『神の泉』がございます。そこで愛を語らうと、永遠に添い遂げられるとか、神から大いなる祝福がもらえられるとかの言い伝えがございます。私達はこの者はを他所に排除しにいってきますので…また後程皆様と合流させていただきます。我が君をよろしくお願いいたします。」
「よろしくお願いします。」

さぁ、僕がやらないといけない事をしに行かなくちゃ。
でも、寂しいな…

「あぁ、言いたい事はあるが…わかった。」

「では、我が君、少しの間側を離れることをお許しください。では。」
「お許しください。行ってきます。また…戻ってきます。」

マスター。僕、絶対に戻ってくるからね。マスターの為に色々頑張っておくから、だから、僕の事忘れないで…

「ディア?」

不思議そうに声をかけて下さったけれど、それを振り切ってディアブロが展開してくれた転移魔法陣内に入って移動した。


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