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扉
反撃?
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背後から温かい温もりと包まれた匂いで、僕は一瞬危なかった。
安心して僕の僕自身がビクビクしそうになったのを何とか堪えた。
魔物の植物による媚薬効果でかなり危険状態で、しかも目の前にいた男のせいで…あれ?何処言ったのかな??
ふわふわした頭で考えるが…
「あった。やっぱり持っていたんだ。」
「そうですね。予想通りです。ではディア予定通りに。」
「うん。了解!」
僕の影に潜んでいて、さっきのピンチの時出てこなかった二人の声がする。
それに…
「カル…カルロス…」
僕に巻き付いていた蔓は既に燃えて灰になっていた。
僕を大きな服で包みこみ、そっと抱き上げられていた。
片腕で支えるようにして、魔物に更なる攻撃を与えて滅多切りにし燃やし尽くす。
黒い灰になると、何処から風が吹くのかサラサラと飛ばされるように消えていった。
消滅したけれども、媚薬効果が切れるわけではなく、思わずモゾモゾと動いてはゾクゾクと身震いさせる。
体の芯に更なる熱を感じて、もうヤバいかも……
「ディ…」
熱い吐息を吐きながら、愛しくて恋しかった僕を抱きしめてくれる男に擦り寄る。
「カル。可愛いね。もう少しだけ待ってほしい。直ぐに終わるから。」
『終わらす』ではなくて『終わる』の??
厚く鍛えられた身体に顔を寄せてクンクンと匂いを嗅いで安心してしまう僕もかなりおかしいけど…
「グワっ…グフ…ぐえ。」
なんとも言えない呻き声が聞こえてくるけれど、そちらには向けさせてもらえないから状況が見えない。
「じゃあ、ジャディール様、後の事はよろしくお願いします。そうそう、その奥を進みますと神の泉がございます。そこで愛を語らうと、永遠に添い遂げられるとか、神から大いなる祝福がもらえられるとか。私達はこの者はを他所に排除しにいってきますので…また後程皆様と合流させていただきます。我が君をよろしくお願いいたします。」
「よろしくお願いします。」
「あぁ、言いたい事はあるが…わかった。」
「では、我が君、少しの間側を離れることをお許しください。では。」
「お許しください。行ってきます。また…戻ってきます。」
「ディア?」
そう声をかけると、二人とさっきの男の気配が消えた。そう、感じ取れないから、転移した?
「カル、少し歩くぞ。」
そう言って抱き込み直してからゆっくりと歩き出した。
カツンカツンと靴音が洞窟内に反響する。
どのくらいその音を聞いていたのだろうか。
長い気もするし、短い??
身体はどんどん熱をもつ。
「ついたよ。少し冷たいかもしれないが…」
そう言って僕の服をスルスルと抱き上げたまま器用に脱がして行く。
彼の胸元の服の生地も感じられなくなったから脱いだんだろう。
そっと彼の顔を見上げてから、彼の進む方を見ると、エメラルドグリーンのような色をたたえた泉が見えた。
しかも、小さな泉の奥に岩壁には神の像が刻まれて浮き彫りされていた。
「綺麗…」
そう呟くと、ディはその泉に躊躇なく入って行く。
冷たくないのだろうか?
いきなり冷たい水に浸かったら身体に悪いよ。
そんなバカなことを考えていた。
安心して僕の僕自身がビクビクしそうになったのを何とか堪えた。
魔物の植物による媚薬効果でかなり危険状態で、しかも目の前にいた男のせいで…あれ?何処言ったのかな??
ふわふわした頭で考えるが…
「あった。やっぱり持っていたんだ。」
「そうですね。予想通りです。ではディア予定通りに。」
「うん。了解!」
僕の影に潜んでいて、さっきのピンチの時出てこなかった二人の声がする。
それに…
「カル…カルロス…」
僕に巻き付いていた蔓は既に燃えて灰になっていた。
僕を大きな服で包みこみ、そっと抱き上げられていた。
片腕で支えるようにして、魔物に更なる攻撃を与えて滅多切りにし燃やし尽くす。
黒い灰になると、何処から風が吹くのかサラサラと飛ばされるように消えていった。
消滅したけれども、媚薬効果が切れるわけではなく、思わずモゾモゾと動いてはゾクゾクと身震いさせる。
体の芯に更なる熱を感じて、もうヤバいかも……
「ディ…」
熱い吐息を吐きながら、愛しくて恋しかった僕を抱きしめてくれる男に擦り寄る。
「カル。可愛いね。もう少しだけ待ってほしい。直ぐに終わるから。」
『終わらす』ではなくて『終わる』の??
厚く鍛えられた身体に顔を寄せてクンクンと匂いを嗅いで安心してしまう僕もかなりおかしいけど…
「グワっ…グフ…ぐえ。」
なんとも言えない呻き声が聞こえてくるけれど、そちらには向けさせてもらえないから状況が見えない。
「じゃあ、ジャディール様、後の事はよろしくお願いします。そうそう、その奥を進みますと神の泉がございます。そこで愛を語らうと、永遠に添い遂げられるとか、神から大いなる祝福がもらえられるとか。私達はこの者はを他所に排除しにいってきますので…また後程皆様と合流させていただきます。我が君をよろしくお願いいたします。」
「よろしくお願いします。」
「あぁ、言いたい事はあるが…わかった。」
「では、我が君、少しの間側を離れることをお許しください。では。」
「お許しください。行ってきます。また…戻ってきます。」
「ディア?」
そう声をかけると、二人とさっきの男の気配が消えた。そう、感じ取れないから、転移した?
「カル、少し歩くぞ。」
そう言って抱き込み直してからゆっくりと歩き出した。
カツンカツンと靴音が洞窟内に反響する。
どのくらいその音を聞いていたのだろうか。
長い気もするし、短い??
身体はどんどん熱をもつ。
「ついたよ。少し冷たいかもしれないが…」
そう言って僕の服をスルスルと抱き上げたまま器用に脱がして行く。
彼の胸元の服の生地も感じられなくなったから脱いだんだろう。
そっと彼の顔を見上げてから、彼の進む方を見ると、エメラルドグリーンのような色をたたえた泉が見えた。
しかも、小さな泉の奥に岩壁には神の像が刻まれて浮き彫りされていた。
「綺麗…」
そう呟くと、ディはその泉に躊躇なく入って行く。
冷たくないのだろうか?
いきなり冷たい水に浸かったら身体に悪いよ。
そんなバカなことを考えていた。
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