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聖女と巡礼
闇の先(セイクリオン家)
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昼過ぎ頃に、屋敷の庭先に魔法陣が現れた。
屋敷の者達は驚いていたようだが、セバスチャンの指示でやっと落ち着いたようだ。
我が家、アステード家に長きに仕える家令兼筆頭執事である彼に呼ばれて、妻と子供達と共に出迎える。
サークルが光り輝き現れたのは…
「やぁ、お久しぶりですね。元気にされていましたか?」
「お久しぶりです。あっ、ユーリ。元気にしていたあ?ちびっ子達も大きくなったね。」
そう、現れたのは、ディール帝国前皇帝であるエドワード殿下と、その妻であり、前聖女。そして我妻の姉サヤカだった。
初めてお会いした時は、彼は、『魔人の国』ディール帝国第三皇子。魔人族であり、魔術師・魔導士だった。聖女と共に浄化巡礼の旅に出ていたメンバーのお一人。あの国は魔人族が皇太子となる決まりがあるらしく、会った時は既に皇太子でもあった。
まぁ、身分は少し隠していたようだったが…
「相変わらず素晴らしい魔法陣の構築ですね。」
「そうでも無いですよ。今は隠居暮らしでね。少し鈍ってきてる気もします。」
そう言ってニコニコしながら魔法陣から出てきた。出た途端に魔法陣は消えていた。
「おや?そちらは?」
エドワード殿下が私達の背後、息子のリカルトの側に立っている我が国の皇太子に気がついたようだ。
国同士の付き合いで会ったことがあったのだろう。
「お久しぶりぶりでございます。エドワード前皇帝陛下。私、ルースベルトはこの度セイクリオン家ご子息と婚姻を結びまして、家族の一員としてお出迎えに参じました。」
「ちょ…まだ婚姻はしてない。」
「何を言っている。既に刻印を授けたんだ。もう私の妻だよ。逃す気も奪われるつもりもないから諦めて。」
そう言って、親の前で堂々として溺愛を見せている。
竜人族特有であるから仕方ないんだけれど…
「ふふふっ、また家族が増える事は良い事だね。さて、外で長話も何だ。中に入っても?」
「あぁ、すまない。どうぞ中へ…」
「堅苦しいのは無しだ。僕達は兄弟と言っても良い。お互いの伴侶が姉妹なのだから。」
そう言いながら、笑顔で屋敷に入って行った。
屋敷の者達も、古くからいる者達は見知っている事であるから慣れた者だ。
すぐさまお茶の準備をしてもてなしを開始した。
屋敷の者達は驚いていたようだが、セバスチャンの指示でやっと落ち着いたようだ。
我が家、アステード家に長きに仕える家令兼筆頭執事である彼に呼ばれて、妻と子供達と共に出迎える。
サークルが光り輝き現れたのは…
「やぁ、お久しぶりですね。元気にされていましたか?」
「お久しぶりです。あっ、ユーリ。元気にしていたあ?ちびっ子達も大きくなったね。」
そう、現れたのは、ディール帝国前皇帝であるエドワード殿下と、その妻であり、前聖女。そして我妻の姉サヤカだった。
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まぁ、身分は少し隠していたようだったが…
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「そうでも無いですよ。今は隠居暮らしでね。少し鈍ってきてる気もします。」
そう言ってニコニコしながら魔法陣から出てきた。出た途端に魔法陣は消えていた。
「おや?そちらは?」
エドワード殿下が私達の背後、息子のリカルトの側に立っている我が国の皇太子に気がついたようだ。
国同士の付き合いで会ったことがあったのだろう。
「お久しぶりぶりでございます。エドワード前皇帝陛下。私、ルースベルトはこの度セイクリオン家ご子息と婚姻を結びまして、家族の一員としてお出迎えに参じました。」
「ちょ…まだ婚姻はしてない。」
「何を言っている。既に刻印を授けたんだ。もう私の妻だよ。逃す気も奪われるつもりもないから諦めて。」
そう言って、親の前で堂々として溺愛を見せている。
竜人族特有であるから仕方ないんだけれど…
「ふふふっ、また家族が増える事は良い事だね。さて、外で長話も何だ。中に入っても?」
「あぁ、すまない。どうぞ中へ…」
「堅苦しいのは無しだ。僕達は兄弟と言っても良い。お互いの伴侶が姉妹なのだから。」
そう言いながら、笑顔で屋敷に入って行った。
屋敷の者達も、古くからいる者達は見知っている事であるから慣れた者だ。
すぐさまお茶の準備をしてもてなしを開始した。
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