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聖女と巡礼
聖女巡礼メンバーと別行動です。
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さらに奥に進んでいくと、足元の土はぬかるみ始め、滑るやすくなっていく。
ジメジメした、肌に絡みつくような鬱陶しさを感じる。
そして、気分的にもどんより。
このさらに先には、この世界の者達には近づき辛い強い瘴気が漏れ出しているんだろう。
聖女しか近づき辛い場所。
だけど、嫌な感覚はあるが、二度ほどの経験で、僕は意外と近づいていける事がわかった。
ディはこの世界での住人の竜人族であり騎士でもあるから、数分なら近くでも持ち堪えれるらしい。
その後はポーションとお友達になるんだけどね…
英霊達はどうなんだろうか??
あと、ディアは?
そんな事を考えながらチラッと下を見る。
ディアはスキップでもしそうな感じでついて来ている。
このぬかるんだ場所で?器用だな。
僕なら転ぶ自信があるよ。
「あそこにいますね。」
そうアカリが言うと、二人が向こうで手を振ってくれていた。
「マスター、この辺りで一旦休憩をいたしましょう。」
ディアブロがそう言って、休憩の準備をしようとすると、『任せて』と言ってアイリーナが飛び出して来た。
緑色の髪に青い目をした優しい女の子の姿の彼女が、両手を指揮者のようにくるくりゃ動かすと、地面から蔓が伸びてテーブルと椅子の形になった。ついでに地面の水分を吸収してか、ぬかるんだ場所が一部固い地面になった。耳元に白い花が飾られている。さすがは緑の精霊王。
次にシルフィーネが姿を現し、風を起こして鬱陶しかったこの空間の空気を快適にしてくれる。
さすがは風の精霊王って感じだ。可愛らしい姿で僕の右肩に座っている。
本来の姿ではないんだろうけどね…
「では。」
ディアブロがそう言うと、ディアと一緒にお茶の準備をしていく。
ディアブロの指示のもとディアが空間から食器やお菓子などを出していく。
いつの間にそんな高等魔法を覚えたんだろうか?
「凄いね。」
全ての準備が整い、テーブルにつくと、カップお茶が注がれていった。
「ディアブロもディアも一緒に。」
「いぇいぇ、私達は執事ですから、マスターと同席など、とんでもない。」
「僕が許すから。ね。一緒に休もう。この後奥に歩いていくんだ。大丈夫かもしれないけど、一緒に休んで欲しいな。」
そう言って頼んでみた。そう、お願いだ。
「あぁ、マスターが私たちにお願い…なんと甘美何でしょう。」
うん、相変わらずのオーバーリアクションだ。
ものすごくより混んでいるよ。
「では、お言葉に甘えて、ディアこちらに座らせていただきましょう。」
「うん。」
そう言って、全員テーブルにつき、各々のペースで休むことにした。
僕の横というか、僕を膝の上に座らせてお世話をし出すディ。
もう、みんな見慣れた雰囲気ではあるけれど、僕的には恥ずかしい。
だって、ものすご~く温かい目で見守られてるんだからね…
いたたまれない。
「カル、これも美味しいよ。ほら。」
そう言って口元にクッキーを運ばれてしまえば、開けてるしかないじゃないか…
いわゆる『あ~ん』だよ。
竜人族は、どの種族よりも番に対して、餌付けしたがると習ったよ。
実際に、父や兄、姉で見て来たからね。
「うん、相変わらず凄いね。甘々だ。」
「そう言えば、ガラも竜人族でしょ。相手にマスター達みたいな事してたの?想像できないんだけど…」
「そう言えば、私、見た事ないですね。会わせてももらっていないし…ガラ、相手いたの?」
思わず振られて、ガラがお茶を勢いよく横に向いて吹いた。
被害はないよ。うん、顔にかけられたら最悪だもんね。
まぁ、アルスト達は密かに防護結界を個々にかけて、予防対策してたみたいだけど。
「ゴボゴボ…我輩…私にも番はおります。」
「そうなの~?で、マスター達と同じ事したりしてたの?」
「それは…秘密だ。」
そう言ってアカリの追求を無視し出した。
うん、ほのぼのとして良いよね。
気を緩めすぎるのは危険な場所ではあるけれど、緊張感を持ち続けてしまうのも実際よくなかったりする。
こう言う配慮をしてくれる仲間達がいて良かったと思えた。
ジメジメした、肌に絡みつくような鬱陶しさを感じる。
そして、気分的にもどんより。
このさらに先には、この世界の者達には近づき辛い強い瘴気が漏れ出しているんだろう。
聖女しか近づき辛い場所。
だけど、嫌な感覚はあるが、二度ほどの経験で、僕は意外と近づいていける事がわかった。
ディはこの世界での住人の竜人族であり騎士でもあるから、数分なら近くでも持ち堪えれるらしい。
その後はポーションとお友達になるんだけどね…
英霊達はどうなんだろうか??
あと、ディアは?
そんな事を考えながらチラッと下を見る。
ディアはスキップでもしそうな感じでついて来ている。
このぬかるんだ場所で?器用だな。
僕なら転ぶ自信があるよ。
「あそこにいますね。」
そうアカリが言うと、二人が向こうで手を振ってくれていた。
「マスター、この辺りで一旦休憩をいたしましょう。」
ディアブロがそう言って、休憩の準備をしようとすると、『任せて』と言ってアイリーナが飛び出して来た。
緑色の髪に青い目をした優しい女の子の姿の彼女が、両手を指揮者のようにくるくりゃ動かすと、地面から蔓が伸びてテーブルと椅子の形になった。ついでに地面の水分を吸収してか、ぬかるんだ場所が一部固い地面になった。耳元に白い花が飾られている。さすがは緑の精霊王。
次にシルフィーネが姿を現し、風を起こして鬱陶しかったこの空間の空気を快適にしてくれる。
さすがは風の精霊王って感じだ。可愛らしい姿で僕の右肩に座っている。
本来の姿ではないんだろうけどね…
「では。」
ディアブロがそう言うと、ディアと一緒にお茶の準備をしていく。
ディアブロの指示のもとディアが空間から食器やお菓子などを出していく。
いつの間にそんな高等魔法を覚えたんだろうか?
「凄いね。」
全ての準備が整い、テーブルにつくと、カップお茶が注がれていった。
「ディアブロもディアも一緒に。」
「いぇいぇ、私達は執事ですから、マスターと同席など、とんでもない。」
「僕が許すから。ね。一緒に休もう。この後奥に歩いていくんだ。大丈夫かもしれないけど、一緒に休んで欲しいな。」
そう言って頼んでみた。そう、お願いだ。
「あぁ、マスターが私たちにお願い…なんと甘美何でしょう。」
うん、相変わらずのオーバーリアクションだ。
ものすごくより混んでいるよ。
「では、お言葉に甘えて、ディアこちらに座らせていただきましょう。」
「うん。」
そう言って、全員テーブルにつき、各々のペースで休むことにした。
僕の横というか、僕を膝の上に座らせてお世話をし出すディ。
もう、みんな見慣れた雰囲気ではあるけれど、僕的には恥ずかしい。
だって、ものすご~く温かい目で見守られてるんだからね…
いたたまれない。
「カル、これも美味しいよ。ほら。」
そう言って口元にクッキーを運ばれてしまえば、開けてるしかないじゃないか…
いわゆる『あ~ん』だよ。
竜人族は、どの種族よりも番に対して、餌付けしたがると習ったよ。
実際に、父や兄、姉で見て来たからね。
「うん、相変わらず凄いね。甘々だ。」
「そう言えば、ガラも竜人族でしょ。相手にマスター達みたいな事してたの?想像できないんだけど…」
「そう言えば、私、見た事ないですね。会わせてももらっていないし…ガラ、相手いたの?」
思わず振られて、ガラがお茶を勢いよく横に向いて吹いた。
被害はないよ。うん、顔にかけられたら最悪だもんね。
まぁ、アルスト達は密かに防護結界を個々にかけて、予防対策してたみたいだけど。
「ゴボゴボ…我輩…私にも番はおります。」
「そうなの~?で、マスター達と同じ事したりしてたの?」
「それは…秘密だ。」
そう言ってアカリの追求を無視し出した。
うん、ほのぼのとして良いよね。
気を緩めすぎるのは危険な場所ではあるけれど、緊張感を持ち続けてしまうのも実際よくなかったりする。
こう言う配慮をしてくれる仲間達がいて良かったと思えた。
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