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聖女と巡礼
聖女巡礼メンバーと別行動です。(アイ)
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ある程度の説明が終わり、『では、行きましょう。』との合図で行動開始だ。
二人一組で必ず行動するようにと注意されてから道を歩き始めた。
憩いの場であった場所で、定期的に騎士や魔法師達が討伐や浄化などをしている場所であるから、倒木などで道が塞がれるなどは見られなかった。
思ったよりも歩きやすい。でも、目的地に向かうごとに、どんよりとした何とも言えない空気感。
空もその場所だけを雲で覆い隠そうとしているようだった。
湖の近く。そう、大きな岩陰のところに黒い澱んだものが見えた。
そこから、小さな黒い生き物が這いずるように出て来ていのを視覚で捉える。
ゲームではそれほどと言う感じだったけど、実際は何とも言えない。しかも、匂いが強烈だ。
ドブの匂い。ヘドロの匂いとも言うべきか??
「何あれ、気持ち悪~~~~」
思わず、『うげぇ~っ』と言いながら舌を出す。
何とも下品だと思われようが、正直な気持ちがそのまま現れた。
と言うか、これって私?いゃ、確かに私なんだけど…
こんなひどい状態なら、さっさと浄化してあげたいと思うのだけれど、もう一人の私が拒否をする。
騎士やメンバー達が這い出てくる魔獣を排除しながら道を開ける。
イヤイヤしながら、ルディにわざとらしくしがみつき歩いて行った。
「何これ、臭~い。」
そう言って、ポケットからハンカチを取り出して鼻を塞いだ。
それを苦笑いしながら、ルディが途中で止まり、見守り体制になった。
多分瘴気が濃すぎて近づけないのだろう。
聖女以外は近づくのが容易ではないと言う設定だったしね…
「アイ。お願いします。」
そう言って促されるも、もう一人の私が前面に出てきて頑なに拒否を示す。
触るのも嫌なのだろう。足が上手く動かない。
いわゆる逃げ腰状態だ。
「そうだ!!今こそモブ男を使ったらいいんじゃね?」
私の口からそんなセリフがサラッと出た。
ていうか、何に使うの?
「ちょっと、カル、こっち来て!!」
そう言って彼を呼ぶ。
モブ男とスレインは一緒に魔獣を退かせていたところだった。
「呼んでるよ。」
「呼んでるね。」
二人で目を合わせて、仕方ないっと言った感じで側にきた。
スレインは何とも言えない表情で、モブ男を心配そうに見守っていた。
「どうされましたか?」
呼ばれて側にきたモブ男をぐいっと掴んで押し倒す。
自分の行動に自分自身が驚いた。
身体がもう一人の自分に乗っ取られた感じだ。
倒れ込んだかれは、思わず両手を淀んだ中に突き入れて倒れ込んだ。
跪き、両手を突き入れた感じで倒れ込んだから、淀んだモノに触れたのは彼の両手のみ。しかも、肘の近くまで入ったみたいだ。
気持ち悪い感じが這い上がるのか、一瞬吐きそうになっているようだ。
その背中を媒介にして、一気に力を流し込む。ついでに彼の力も使い切ってだ。
一気に流れ込む感じで、彼の身体がぐわっと反応した。
彼が触れている場所から光輝きだし、一挙に淀みが消えた。
良い感じだ。これなら十分。
「成功です。さすがだ。」
「聖女様。素晴らしい!!」
周りからの歓喜が聴こえてきて、パッと背中から手を離し、クルッとみんなの方を見てからルディに飛びついてみんなの元にかけて行く。
みんなの笑顔が何とも言えない。
気分いいよ。
いつのまにか身体を取り戻して、高揚感でいっぱいになった。
もう、さっきの出来事なんか忘れてしまっていたんだ。
『それでいいのよ。ふふふふっ…』
もう一人の私の呟きを聞き流していた。
二人一組で必ず行動するようにと注意されてから道を歩き始めた。
憩いの場であった場所で、定期的に騎士や魔法師達が討伐や浄化などをしている場所であるから、倒木などで道が塞がれるなどは見られなかった。
思ったよりも歩きやすい。でも、目的地に向かうごとに、どんよりとした何とも言えない空気感。
空もその場所だけを雲で覆い隠そうとしているようだった。
湖の近く。そう、大きな岩陰のところに黒い澱んだものが見えた。
そこから、小さな黒い生き物が這いずるように出て来ていのを視覚で捉える。
ゲームではそれほどと言う感じだったけど、実際は何とも言えない。しかも、匂いが強烈だ。
ドブの匂い。ヘドロの匂いとも言うべきか??
「何あれ、気持ち悪~~~~」
思わず、『うげぇ~っ』と言いながら舌を出す。
何とも下品だと思われようが、正直な気持ちがそのまま現れた。
と言うか、これって私?いゃ、確かに私なんだけど…
こんなひどい状態なら、さっさと浄化してあげたいと思うのだけれど、もう一人の私が拒否をする。
騎士やメンバー達が這い出てくる魔獣を排除しながら道を開ける。
イヤイヤしながら、ルディにわざとらしくしがみつき歩いて行った。
「何これ、臭~い。」
そう言って、ポケットからハンカチを取り出して鼻を塞いだ。
それを苦笑いしながら、ルディが途中で止まり、見守り体制になった。
多分瘴気が濃すぎて近づけないのだろう。
聖女以外は近づくのが容易ではないと言う設定だったしね…
「アイ。お願いします。」
そう言って促されるも、もう一人の私が前面に出てきて頑なに拒否を示す。
触るのも嫌なのだろう。足が上手く動かない。
いわゆる逃げ腰状態だ。
「そうだ!!今こそモブ男を使ったらいいんじゃね?」
私の口からそんなセリフがサラッと出た。
ていうか、何に使うの?
「ちょっと、カル、こっち来て!!」
そう言って彼を呼ぶ。
モブ男とスレインは一緒に魔獣を退かせていたところだった。
「呼んでるよ。」
「呼んでるね。」
二人で目を合わせて、仕方ないっと言った感じで側にきた。
スレインは何とも言えない表情で、モブ男を心配そうに見守っていた。
「どうされましたか?」
呼ばれて側にきたモブ男をぐいっと掴んで押し倒す。
自分の行動に自分自身が驚いた。
身体がもう一人の自分に乗っ取られた感じだ。
倒れ込んだかれは、思わず両手を淀んだ中に突き入れて倒れ込んだ。
跪き、両手を突き入れた感じで倒れ込んだから、淀んだモノに触れたのは彼の両手のみ。しかも、肘の近くまで入ったみたいだ。
気持ち悪い感じが這い上がるのか、一瞬吐きそうになっているようだ。
その背中を媒介にして、一気に力を流し込む。ついでに彼の力も使い切ってだ。
一気に流れ込む感じで、彼の身体がぐわっと反応した。
彼が触れている場所から光輝きだし、一挙に淀みが消えた。
良い感じだ。これなら十分。
「成功です。さすがだ。」
「聖女様。素晴らしい!!」
周りからの歓喜が聴こえてきて、パッと背中から手を離し、クルッとみんなの方を見てからルディに飛びついてみんなの元にかけて行く。
みんなの笑顔が何とも言えない。
気分いいよ。
いつのまにか身体を取り戻して、高揚感でいっぱいになった。
もう、さっきの出来事なんか忘れてしまっていたんだ。
『それでいいのよ。ふふふふっ…』
もう一人の私の呟きを聞き流していた。
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