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聖女と巡礼
聖女巡礼メンバーと別行動です。(アイ)
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その後は、ディは自分の用事があるからと、僕にキスをして出て行った。
それからの数日は、この城から近い場所でとりあえず練習みたいな感じだった。
城の近くだからと、今回だけメンバー以外の同行者は、この国の第一騎士団の者達と言っていた。
次回からは、各国から集められた精鋭部隊と行く予定なんだとか。
精鋭部隊の調整を、今日やってしまうんだと騎士団の団長さんが言っていた。
団長さんは精鋭部隊には選抜されていないらしい。
副団長さんと、他数名。この国の各騎士団から選ばれた者がこの国からの代表として精鋭部隊に入っているらしい。
その者達は、今は抜けてそちらに参加中だとか。
精鋭部隊か…どんな人達がいるんだろうか。
気になるのは、私の超推し。
本来ならメンバーに入っているはずなのに、何故か入っていない人。
代わりにモブの男子学生が入っている。
アカデミー在学中とか言う二人の一人だ。
一人は攻略者のスレイン。そしてもう一人はモブ男。
そして、納得いかないけれど、私の超推しの攻略者がそのモブ男と婚姻?
あり得ないでしょ。もしゲームと同じなら、私と超推しがカップルになってって思ったのによ。
はぁ~~~~~
ため息しか出ないよ。
そうこうして騎士団に連れられて来た場所は、遠くにお城が見えるぐらいの距離だった。
お城から言うと、やや南東に位置する場所。
少しだけ小高い感じがする平原から更に南側に林が見えた。
「この向こう側が予定された場所となります。従来は住民の憩いの場である美しい湖があり、ピクニックやボート遊びなどで楽しんでいた場所です。残念ながら、各地の瘴気による魔獣被害の影響で、ここにも小さな魔素溜まりが頻繁に発生し、小柄ではありますが、魔獣が発生しています。多少、魔物の生息も確認されております。」
そう団長さんが説明してくれていた。
もう、さっさと済ませて帰りたい。
「魔獣と魔物、一緒じゃないの?凶暴な方が魔獣だよね?どっちも討伐してたと思うんだけどなぁ…ゲームでは。得られるポイントの違いもあったけど…」
小声でぶつぶつ呟いていたのを聞き取ったルディがわかりやすく説明してくれた。
そんな細かな設定があったんだ。そこまでは気にせずにやっていたよ。
だって、ゲームだよ。無双してポイントゲット。
お互いの好感度を上げながら、攻略対象者と仲良くなって行くんだものね。
そして、お互い協力しながら愛を育む。
「なるほどね。うん、ありがとう。ルディ。」
そう言って飛びついてお礼を言っておいた。
本来なら不敬に当たる行為であろうが私は聖女。
しかも、相手は婚約者もいない攻略対象者。誰もその行為を咎める者は居ないよね。
逆に、微笑ましい者を見るような感じで見守っていた。
まぁ、普通に考えて、聖女と自国の皇子がカップルになれば、将来的に国益にもなる。
私的にはちやほやされる方がいいしね。
だけど…スレインがいい感じでつれない。
モブ男と仲良く話してるのなんて納得できないよ。
何であの男が?モブ男だよ??
『魅了が使えるから、もっと使っちゃえ。モブ男を孤立させて、ディとチェンジすれば良いのよ。欲しいんでしょ?』
また頭の中でもう一人の自分の声がする。
その声がしだすと…引きずられるのが強くなる。
この頃、どっちが本当の自分かわからなくなってきていた。
でも、推しは同じだから…やっぱり私?
それからの数日は、この城から近い場所でとりあえず練習みたいな感じだった。
城の近くだからと、今回だけメンバー以外の同行者は、この国の第一騎士団の者達と言っていた。
次回からは、各国から集められた精鋭部隊と行く予定なんだとか。
精鋭部隊の調整を、今日やってしまうんだと騎士団の団長さんが言っていた。
団長さんは精鋭部隊には選抜されていないらしい。
副団長さんと、他数名。この国の各騎士団から選ばれた者がこの国からの代表として精鋭部隊に入っているらしい。
その者達は、今は抜けてそちらに参加中だとか。
精鋭部隊か…どんな人達がいるんだろうか。
気になるのは、私の超推し。
本来ならメンバーに入っているはずなのに、何故か入っていない人。
代わりにモブの男子学生が入っている。
アカデミー在学中とか言う二人の一人だ。
一人は攻略者のスレイン。そしてもう一人はモブ男。
そして、納得いかないけれど、私の超推しの攻略者がそのモブ男と婚姻?
あり得ないでしょ。もしゲームと同じなら、私と超推しがカップルになってって思ったのによ。
はぁ~~~~~
ため息しか出ないよ。
そうこうして騎士団に連れられて来た場所は、遠くにお城が見えるぐらいの距離だった。
お城から言うと、やや南東に位置する場所。
少しだけ小高い感じがする平原から更に南側に林が見えた。
「この向こう側が予定された場所となります。従来は住民の憩いの場である美しい湖があり、ピクニックやボート遊びなどで楽しんでいた場所です。残念ながら、各地の瘴気による魔獣被害の影響で、ここにも小さな魔素溜まりが頻繁に発生し、小柄ではありますが、魔獣が発生しています。多少、魔物の生息も確認されております。」
そう団長さんが説明してくれていた。
もう、さっさと済ませて帰りたい。
「魔獣と魔物、一緒じゃないの?凶暴な方が魔獣だよね?どっちも討伐してたと思うんだけどなぁ…ゲームでは。得られるポイントの違いもあったけど…」
小声でぶつぶつ呟いていたのを聞き取ったルディがわかりやすく説明してくれた。
そんな細かな設定があったんだ。そこまでは気にせずにやっていたよ。
だって、ゲームだよ。無双してポイントゲット。
お互いの好感度を上げながら、攻略対象者と仲良くなって行くんだものね。
そして、お互い協力しながら愛を育む。
「なるほどね。うん、ありがとう。ルディ。」
そう言って飛びついてお礼を言っておいた。
本来なら不敬に当たる行為であろうが私は聖女。
しかも、相手は婚約者もいない攻略対象者。誰もその行為を咎める者は居ないよね。
逆に、微笑ましい者を見るような感じで見守っていた。
まぁ、普通に考えて、聖女と自国の皇子がカップルになれば、将来的に国益にもなる。
私的にはちやほやされる方がいいしね。
だけど…スレインがいい感じでつれない。
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何であの男が?モブ男だよ??
『魅了が使えるから、もっと使っちゃえ。モブ男を孤立させて、ディとチェンジすれば良いのよ。欲しいんでしょ?』
また頭の中でもう一人の自分の声がする。
その声がしだすと…引きずられるのが強くなる。
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でも、推しは同じだから…やっぱり私?
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