竜の国のご都合主義?

文字の大きさ
上 下
160 / 269
聖女と巡礼

聖女巡礼メンバーと別行動です。(アイ)

しおりを挟む
その後は、ディは自分の用事があるからと、僕にキスをして出て行った。
それからの数日は、この城から近い場所でとりあえず練習みたいな感じだった。
城の近くだからと、今回だけメンバー以外の同行者は、この国の第一騎士団の者達と言っていた。
次回からは、各国から集められた精鋭部隊と行く予定なんだとか。
精鋭部隊の調整を、今日やってしまうんだと騎士団の団長さんが言っていた。
団長さんは精鋭部隊には選抜されていないらしい。
副団長さんと、他数名。この国の各騎士団から選ばれた者がこの国からの代表として精鋭部隊に入っているらしい。
その者達は、今は抜けてそちらに参加中だとか。
精鋭部隊か…どんな人達がいるんだろうか。
気になるのは、私の超推し。
本来ならメンバーに入っているはずなのに、何故か入っていない人。
代わりにモブの男子学生が入っている。
アカデミー在学中とか言う二人の一人だ。
一人は攻略者のスレイン。そしてもう一人はモブ男。
そして、納得いかないけれど、私の超推しの攻略者がそのモブ男と婚姻?
あり得ないでしょ。もしゲームと同じなら、私と超推しがカップルになってって思ったのによ。
はぁ~~~~~
ため息しか出ないよ。


そうこうして騎士団に連れられて来た場所は、遠くにお城が見えるぐらいの距離だった。
お城から言うと、やや南東に位置する場所。
少しだけ小高い感じがする平原から更に南側に林が見えた。

「この向こう側が予定された場所となります。従来は住民の憩いの場である美しい湖があり、ピクニックやボート遊びなどで楽しんでいた場所です。残念ながら、各地の瘴気による魔獣被害の影響で、ここにも小さな魔素溜まりが頻繁に発生し、小柄ではありますが、魔獣が発生しています。多少、魔物の生息も確認されております。」

そう団長さんが説明してくれていた。
もう、さっさと済ませて帰りたい。

「魔獣と魔物、一緒じゃないの?凶暴な方が魔獣だよね?どっちも討伐してたと思うんだけどなぁ…ゲームでは。得られるポイントの違いもあったけど…」

小声でぶつぶつ呟いていたのを聞き取ったルディがわかりやすく説明してくれた。
そんな細かな設定があったんだ。そこまでは気にせずにやっていたよ。
だって、ゲームだよ。無双してポイントゲット。
お互いの好感度を上げながら、攻略対象者と仲良くなって行くんだものね。
そして、お互い協力しながら愛を育む。

「なるほどね。うん、ありがとう。ルディ。」

そう言って飛びついてお礼を言っておいた。
本来なら不敬に当たる行為であろうが私は聖女。
しかも、相手は婚約者もいない攻略対象者。誰もその行為を咎める者は居ないよね。
逆に、微笑ましい者を見るような感じで見守っていた。
まぁ、普通に考えて、聖女と自国の皇子がカップルになれば、将来的に国益にもなる。
私的にはちやほやされる方がいいしね。

だけど…スレインがいい感じでつれない。
モブ男と仲良く話してるのなんて納得できないよ。
何であの男が?モブ男だよ??

『魅了が使えるから、もっと使っちゃえ。モブ男を孤立させて、ディとチェンジすれば良いのよ。欲しいんでしょ?』

また頭の中でもう一人の自分の声がする。
その声がしだすと…引きずられるのが強くなる。
この頃、どっちが本当の自分かわからなくなってきていた。
でも、推しは同じだから…やっぱり私?




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター
BL
 ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。 自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。 ――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。  そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように―― 「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」 「無理。邪魔」 「ガーン!」  とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。 「……その子、生きてるっすか?」 「……ああ」 ◆◆◆ 溺愛攻め  × 明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました

楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。 ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。 喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。   「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」 契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。 エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

今世はメシウマ召喚獣

片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。 最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。 ※女の子もゴリゴリ出てきます。 ※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。 ※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。 ※なるべくさくさく更新したい。

処理中です...