竜の国のご都合主義？

聖女と巡礼

聖女巡礼メンバーと別行動です。(アイ)

「じゃ、次は僕で。マリエット•グランドル。魔人の国ディール帝国の魔法騎士だ。この黒いローブは魔法を使う騎士と言うわけだ。得意は火と雷の魔法だ。他もある程度は使用できる。」

「マリエット…マリでは女の子みたいで嫌だよね。なら家名の方のグランドルでグラン。うん、グランだ。マルクスとはまた違うタイプの騎士なんだね。筋肉が違う～。マルクスはマッチョでグランはもしかしたら細マッチョ？でも、いろんな属性持ちって、ホント異世界って感じでファンタジー。」

うん、目がキラキラしてくるよ。
グランのスチルも素敵だった。
二人が前衛というか、斥候というかで先頭切って討伐に赴いてくれるのよね。
二人の闘いぶりも良い感じだったんだ。

「私はスレイン。スレイン•オリハルトだ。妖精国のオリクサ王国から竜人の国、アステードのアカデミーで学ばせてもらっている学生だ。エルフ族。羽は隠しているから見えないよ。見せるつもりもない。ちなみに男だから、女性扱いする者は容赦しないから気をつけて。後、次に自己紹介するカル、カルロス・セイクリオン　とはアカデミーでの友人。親友だ。」

「スレインは妖精…ん～～、羽見たいけど、そのうち見せてくれるかも。超期待。確かに綺麗だから、女性って勘違いする人の気持ちわかるけど、うん、了解。で、次は…」

うん？スレインは確かツンデレキャラだったはず。でも、初めはここまでツンツンしてなかったよね。しかも親友？
おかしい。親友なんていなかったはずだ。
主人公のヒロインに初めて心を開いてって感じの攻略キャラだ。

「僕はカルロス・セイクリオン。竜人の国であるアステード王国のヒト族です。一応公爵家の一員。スレインからも紹介されたけど、アカデミーで一緒に学ぶ親友です。よろしくお願いします。」

ここで私の推しが居るはずなのに、いない。
そして、スレインが親友と言った別キャラが…
昨日説明であったのは、この人のことを指して？？

「えっと…ヒト族なんだ。さっき聖職者のおじいちゃんが言ってたけど、黒髪の黒い目の男の子は結構な魔力持ちって言ってたけど、本当？何かスキルとかある？？」

納得できなくて、敢えて追求する。
だって、私の推しじゃ無いんだもの。こんなモブいたっけ？

「あ～っ、カルにはもう『番』がいるから、聖女様とはいえ、ちょっかいかけると後で怒られるよ。ちなみに、カルの旦那様は竜人族のトップクラス。気をつけてね。」

スレインがしれっとそんな情報を流す。
どう言う事？モブに竜人族のトップクラスの『番』？旦那様？？
ここで出会うはずのトップクラスの竜人族は、私の推し。
そう、ジャディール•アステード。通称ディと呼ばれているこの世界の竜人族の一人だ。
アステード王国の王弟殿下。プラチナブロンドとも言えそうな綺麗な髪の騎士でもある。
白金色で、光の加減でキラキラ輝いて見える竜体をもつ美丈夫だ。
彼の運命の番は、確か誘拐されたモブで、結構酷い目に遭ってた。
で、心も壊れて、死亡するルートが多かった。
唯一生き残りかけたのも、最終的には魔族側でこの世界にとっては排除すべきものに成り下がっていたため、最後の慈悲としてディが討伐したんだよね。
運命の番を自分の手で葬る事によって壊れかけた心と命を聖女の愛で留めてハッピーエンドまっしぐら。
うん、このルート、結構好きだったんだ。
それ以前に死んでいる事を知った彼の心を癒してのハッピーエンドも好きなんだけどね…

と言う事は、この『カル』が例のモブ？
何でここにいるのよ。しかもメンバーって、あり得ないでしょ？？