竜の国のご都合主義?

文字の大きさ
上 下
154 / 269
聖女と巡礼

聖女巡礼メンバーと別行動です。

しおりを挟む
みんなが口々に言ってくれることが少し嬉しい。
でも、果たして良いのだろうか?
確かに、この英霊達がいれば出来そうな気がしてきたけど…

静かに見守っていたディが、僕の肩をそっと抱く。

「良いんじゃないか?この方々のお力をお借りすれば出来るだろう。懸念する事が全然ないわけではないがな。」

そう言って僕の顔を覗き込み、英霊達を見据えた。

「懸念とは?」

大賢者であるアルストが、ディにそう問う。
アルスト自身は何となくは推察できている様子ではあるが、他の者達に納得させるために、あえてそう言ったのだろう…

「大賢者アルスト。私が懸念する事は、あなた方英霊をカル…カルロス・セイクリオン。正式にはカルロス・アステードの魔力を使用して召喚し使役しているはずだ。もし浄化をしていくにあたり、彼の魔力消費が多くなり、魔力枯渇を引き起こさないかという事を懸念した。あの聖女が浄化する際に、不当に扱ったのもあるが、多くに魔力を奪われ、二度も魔力枯渇の状態に陥ったのだ。懸念しても仕方ないと思うが?」

そうそう、僕は既にカルロス・アステードなんだよね。でも、学生だからまだセイクリオンの家名を名乗っていた。英霊達は既に理解できてるんだけど、あえてそう言い直したんだね…。

「ふむ。確かに我らは、マスターから魔力を頂き召喚された身だ。その懸念…理解はできるが、心配は無用。」

そう言ってハハハッ…と笑い出した。

「そこ、笑うところ?僕も少しは気になってたんだけど…みんな平気に活動してくれているし、僕自身特に変わった感じがしなかったから、ついつい忘れがちだったんだけどさ…」

そうなんだよね。確かにこの英霊を呼び出したのは僕。その魔力提供も僕だったはず。
本来ならそんなに幅広い活動ができるとは思えない。
しかも同時に数人も…
ディアブロみたいに影に潜んでくれてる場合はほぼ魔力譲渡ゼロに近いと思うんだけどさ…

「そこはご心配要りません。元々この世界に魔力がない場所などございません。確かに召喚された時や、召喚された当初はマスターの魔力を分け与えられての活動でしたが、もう個々で魔力を補充する事が可能になっておりますれば、各自判断で活動可能です。ただし、マスターのご存命が必須ですがね。」

そう言って、アルストがドヤ顔をしている。
他の面々も頷いていた。

この英霊達。元々も凄い英雄達だけれど、どれだけチート能力を保持しているのだろうか???
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

そばにいてほしい。

15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。 そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。 ──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。 幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け 安心してください、ハピエンです。

【完】僕の弟と僕の護衛騎士は、赤い糸で繋がっている

たまとら
BL
赤い糸が見えるキリルは、自分には糸が無いのでやさぐれ気味です

職業寵妃の薬膳茶

なか
BL
大国のむちゃぶりは小国には断れない。 俺は帝国に求められ、人質として輿入れすることになる。

謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません

柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。 父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。 あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない? 前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。 そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。 「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」 今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。 「おはようミーシャ、今日も元気だね」 あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない? 義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け 9/2以降不定期更新

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

生まれ変わりは嫌われ者

青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。 「ケイラ…っ!!」 王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。 「グレン……。愛してる。」 「あぁ。俺も愛してるケイラ。」 壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。 ━━━━━━━━━━━━━━━ あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。 なのにー、 運命というのは時に残酷なものだ。 俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。 一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。 ★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!

成長を見守っていた王子様が結婚するので大人になったなとしみじみしていたら結婚相手が自分だった

みたこ
BL
年の離れた友人として接していた王子様となぜか結婚することになったおじさんの話です。

子悪党令息の息子として生まれました

菟圃(うさぎはたけ)
BL
悪役に好かれていますがどうやって逃げられますか!? ネヴィレントとラグザンドの間に生まれたホロとイディのお話。 「お父様とお母様本当に仲がいいね」 「良すぎて目の毒だ」 ーーーーーーーーーーー 「僕達の子ども達本当に可愛い!!」 「ゆっくりと見守って上げよう」 偶にネヴィレントとラグザンドも出てきます。

処理中です...