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聖女と巡礼
聖女巡礼メンバーにされてしまったみたいです。
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その後は、特にゴタゴタは起こらなかった。
多分、ルディが采配してくれたんだろう。
ご迷惑かけます。
ディは当然だと言っていた。
浄化で今日は目的地に向かう。
天候は落ちついていて、目的地の近くまで馬車で行き、そこから徒歩だ。
服装は、多少身分が分かるようにはなっているが、動きやすい物になっていた。
アイが、『漫画とかの聖女の格好と違う』と言っていた。
まぁ、わからないでも無い。だって下がスカートみたいな感じではなく、ズボンだからね。
上の羽織っているのは聖女らしい物で、色は汚れが目立つ白にはなっている。
白は汚れが目立つように思えるが、防護や防御。簡単な清浄化の魔法陣が刺繍で描かれているから問題は無いようだ。
森の中を進むに連れて途中、ぬかるんだ場所があり、アイが足を滑らせ転びそうになったが、その都度誰か彼かに支えられていた。
ディの側に行こうともしていたようだけど、そこはルディが先回りして行動してくれていて助かる。
僕の側にディとスレインがいた。
奥に進むに連れて、やはり独特の臭いと空気の重さを感じる。
湿度も何とも言えなかった。
このジメジメした感じも不快だよね…
目的地近づくに連れて、体調不良者が出始め、早めに途中休憩し、医療班に癒しやポーションなどで対応していった。
「カル、大丈夫か?」
「ん…大丈夫…」
ディもスレインも慣れたように歩いて行くが、慣れない僕は必死だ。
へこたれていたら、きっと抱き上げて歩き出そうとするだろう。
それは絶対に嫌だ。僕だって男なんだから!
身体強化をかけて頑張ってみるよ。うん、できる!!
「きゃっ、痛~い!!」
アイが足を滑らせたようだ。
直ぐに側にいたマルクスと、ルディが支えていた。
「ここで一旦休憩する!」
そう伝令が伝えて来て、すぐさま休憩ができるように取り掛かる。
マルクスに治療できる場所までおぶられて、ゆっくりと降ろされていた。
まぁ、この悪路だ。仕方ないと思うよ。
騎士や他の人達は、日頃の訓練の成果か、ひらりと岩を飛び乗ったり飛び降りたりもして見せてたものね。
魔法騎士であるグランだって、一応鍛えてるって言っていた。
アイは少し開けた場所で岩の上に座らされ、そっと優しく靴を脱がされ、ポーションをゆっくりとかけられていた。
かけた後、布にもポーションを浸して湿布のようにして冷やされている。
これで、痛みは徐々に引いていき、十分程度で腫れが引くんだろう。
ほんと、このポーションって凄いよね。
マンガや小説などの世界の物で、『ふ~ん』程度の実感だ。ゲームでもアイテムとしてよく使うが、実際にこんなに効くとは驚きだった。
本当に魔法の薬って感じでここでも『ファンタジーの世界だ』って思ってしまった。
「あのぐらいの怪我のような緊急性がない場合は、低級ランクのポーションで直すのが普通だ。中級や上級はいざという時に使うからから、大切に使うところを考えるんだ。」
「いざってあれだよね。超危険な状態ってやつだよね。なるほどね…」
他の人達も、治癒魔法をかけられたり、ポーションをかけたりして治していた。
治癒魔法は特殊魔法であるから、皆んなが皆んな使用できるわけでないらしい。
行使する方も自分の魔力を使用するらしいからね。
納得だ。
「カル、ここに座って。」
そう言うと、ディが僕を岩上に座らせた。
靴を脱がせて確認する。
「やっぱりな。痛かっただろ?」
そう言うと、そっとポーションをかけられた。
冷たい感触で、少し火照っていた足には気持ちよかったです。
うん、しっかりバレてました。靴擦れ…
そっと撫でられると、傷が消えていった。
魔法の無駄遣いだよ…
脱がされた靴に何やら呪文をかけて穿かされた。
「これで大丈夫だと思うが、次は早めに言うんだぞ。」
「うん、わかった。」
とりあえず返事をして、お礼も述べておいた。
「相変わらず、オアツイコトデ…」
側にいたスレインが何とも言えない表情で見て来た。
多分、ルディが采配してくれたんだろう。
ご迷惑かけます。
ディは当然だと言っていた。
浄化で今日は目的地に向かう。
天候は落ちついていて、目的地の近くまで馬車で行き、そこから徒歩だ。
服装は、多少身分が分かるようにはなっているが、動きやすい物になっていた。
アイが、『漫画とかの聖女の格好と違う』と言っていた。
まぁ、わからないでも無い。だって下がスカートみたいな感じではなく、ズボンだからね。
上の羽織っているのは聖女らしい物で、色は汚れが目立つ白にはなっている。
白は汚れが目立つように思えるが、防護や防御。簡単な清浄化の魔法陣が刺繍で描かれているから問題は無いようだ。
森の中を進むに連れて途中、ぬかるんだ場所があり、アイが足を滑らせ転びそうになったが、その都度誰か彼かに支えられていた。
ディの側に行こうともしていたようだけど、そこはルディが先回りして行動してくれていて助かる。
僕の側にディとスレインがいた。
奥に進むに連れて、やはり独特の臭いと空気の重さを感じる。
湿度も何とも言えなかった。
このジメジメした感じも不快だよね…
目的地近づくに連れて、体調不良者が出始め、早めに途中休憩し、医療班に癒しやポーションなどで対応していった。
「カル、大丈夫か?」
「ん…大丈夫…」
ディもスレインも慣れたように歩いて行くが、慣れない僕は必死だ。
へこたれていたら、きっと抱き上げて歩き出そうとするだろう。
それは絶対に嫌だ。僕だって男なんだから!
身体強化をかけて頑張ってみるよ。うん、できる!!
「きゃっ、痛~い!!」
アイが足を滑らせたようだ。
直ぐに側にいたマルクスと、ルディが支えていた。
「ここで一旦休憩する!」
そう伝令が伝えて来て、すぐさま休憩ができるように取り掛かる。
マルクスに治療できる場所までおぶられて、ゆっくりと降ろされていた。
まぁ、この悪路だ。仕方ないと思うよ。
騎士や他の人達は、日頃の訓練の成果か、ひらりと岩を飛び乗ったり飛び降りたりもして見せてたものね。
魔法騎士であるグランだって、一応鍛えてるって言っていた。
アイは少し開けた場所で岩の上に座らされ、そっと優しく靴を脱がされ、ポーションをゆっくりとかけられていた。
かけた後、布にもポーションを浸して湿布のようにして冷やされている。
これで、痛みは徐々に引いていき、十分程度で腫れが引くんだろう。
ほんと、このポーションって凄いよね。
マンガや小説などの世界の物で、『ふ~ん』程度の実感だ。ゲームでもアイテムとしてよく使うが、実際にこんなに効くとは驚きだった。
本当に魔法の薬って感じでここでも『ファンタジーの世界だ』って思ってしまった。
「あのぐらいの怪我のような緊急性がない場合は、低級ランクのポーションで直すのが普通だ。中級や上級はいざという時に使うからから、大切に使うところを考えるんだ。」
「いざってあれだよね。超危険な状態ってやつだよね。なるほどね…」
他の人達も、治癒魔法をかけられたり、ポーションをかけたりして治していた。
治癒魔法は特殊魔法であるから、皆んなが皆んな使用できるわけでないらしい。
行使する方も自分の魔力を使用するらしいからね。
納得だ。
「カル、ここに座って。」
そう言うと、ディが僕を岩上に座らせた。
靴を脱がせて確認する。
「やっぱりな。痛かっただろ?」
そう言うと、そっとポーションをかけられた。
冷たい感触で、少し火照っていた足には気持ちよかったです。
うん、しっかりバレてました。靴擦れ…
そっと撫でられると、傷が消えていった。
魔法の無駄遣いだよ…
脱がされた靴に何やら呪文をかけて穿かされた。
「これで大丈夫だと思うが、次は早めに言うんだぞ。」
「うん、わかった。」
とりあえず返事をして、お礼も述べておいた。
「相変わらず、オアツイコトデ…」
側にいたスレインが何とも言えない表情で見て来た。
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