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聖女と巡礼
聖女巡礼メンバーにされてしまったみたいです。
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「どっ、どう言う事?」
訳がわからず、そう問いただす中、ディアは僕のキズを舐めて癒していた。
えっと…
「う~ん、何とも羨ましい…ではなくてですね。マスターはそのディアに私と同じ名前を与え、しかも血を与えてしまってます。ディア自身もディアブロの名前とディアの呼称を受け入れて、マスターの名前を教えていただき、呼ぶ許可をいただいた。よって、繋がりが出来たようですよ。そういえば、過去のとある文献で、異世界の生態で、親が子を捨てる事があるとか。その子もそうなのでは?どう見ても、この世界の者と違いますしね…(ディア。翼仕舞いなさい。他の者に見られたら不味いだろ。)」
最後の言葉は聞き取れなかったが、ディアブロとディアとでは理解ができたのだろう。ディアが何かゴソゴソしている。
「マスター、その者の面倒は私が見させてもらいます。同じディアブロ同士ですからね。スレインも良いですね。」
ディアブロの威圧で、スレインは弓をしまい、顔色を一瞬悪くしながらも頷いた。
「ディアも、マスターの事は、皆と同じくマスターと。まぁ、場合によっては…マスターの許可もあるし良いでしょう。」
「うん、ありがとう。」
見えていた擦り傷が全て消えて、可愛い膝小僧が見える。
うん、やっぱり小さなディアブロだ。
「でも、僕の傷も消えたけど、ディアの傷は?」
「僕、自分で治した。」
「そっか。自分で…治せるんだね。」
「聖女様とは少し違う治癒魔法って感じですね。」
「ディア、君、何処から来たの?」
とりあえず、確認はしておこう。
「ん~、わかんない。いらないってポイされて、黒いドロドロから出て来た犬に噛まれた。もう消えちゃってるけど、怖かったの。」
そう言って、うるうるした瞳で見つめられて、足にしがみつかれた。
どう見ても三歳から四歳あたりの子供だ。
ドロドロはさっき見つけた魔素溜まり。そこら犬の魔獣に襲われて倒したけど、怖くて隠れていたと言うことか?
「言語は契約時に習得したんでしょうね。すごいですね~。」
そう言って、ニコニコのディアブロと、何ともいえない顔のスレイン。
拾ってしまったもの…しかも、契約してしまっては捨てる事もできないし、こんな小さな子供、うん、無理だ。
ディアブロが世話してくれるなら、まぁいっか。
怒られるのは覚悟しておこう。
「なら、みんなの所に戻ろうか。」
「はぁ…………分かりました。マスターの意向に添いましょう。」
「うん、ありがとう。」
「ディア、こちらに来なさい。」
「ぼく、マスターの………は~い。」
僕の手をギュッと握りしめたが、ディアブロの顔色を伺って、しぶしぶ彼の側についていった。
さて、向こうはどうなってるかな?
こっちは他の気配は無さそうだから、多分大丈夫だろう。
ディアブロが警戒していないしな…
そう思い、みんなの元に戻った。
訳がわからず、そう問いただす中、ディアは僕のキズを舐めて癒していた。
えっと…
「う~ん、何とも羨ましい…ではなくてですね。マスターはそのディアに私と同じ名前を与え、しかも血を与えてしまってます。ディア自身もディアブロの名前とディアの呼称を受け入れて、マスターの名前を教えていただき、呼ぶ許可をいただいた。よって、繋がりが出来たようですよ。そういえば、過去のとある文献で、異世界の生態で、親が子を捨てる事があるとか。その子もそうなのでは?どう見ても、この世界の者と違いますしね…(ディア。翼仕舞いなさい。他の者に見られたら不味いだろ。)」
最後の言葉は聞き取れなかったが、ディアブロとディアとでは理解ができたのだろう。ディアが何かゴソゴソしている。
「マスター、その者の面倒は私が見させてもらいます。同じディアブロ同士ですからね。スレインも良いですね。」
ディアブロの威圧で、スレインは弓をしまい、顔色を一瞬悪くしながらも頷いた。
「ディアも、マスターの事は、皆と同じくマスターと。まぁ、場合によっては…マスターの許可もあるし良いでしょう。」
「うん、ありがとう。」
見えていた擦り傷が全て消えて、可愛い膝小僧が見える。
うん、やっぱり小さなディアブロだ。
「でも、僕の傷も消えたけど、ディアの傷は?」
「僕、自分で治した。」
「そっか。自分で…治せるんだね。」
「聖女様とは少し違う治癒魔法って感じですね。」
「ディア、君、何処から来たの?」
とりあえず、確認はしておこう。
「ん~、わかんない。いらないってポイされて、黒いドロドロから出て来た犬に噛まれた。もう消えちゃってるけど、怖かったの。」
そう言って、うるうるした瞳で見つめられて、足にしがみつかれた。
どう見ても三歳から四歳あたりの子供だ。
ドロドロはさっき見つけた魔素溜まり。そこら犬の魔獣に襲われて倒したけど、怖くて隠れていたと言うことか?
「言語は契約時に習得したんでしょうね。すごいですね~。」
そう言って、ニコニコのディアブロと、何ともいえない顔のスレイン。
拾ってしまったもの…しかも、契約してしまっては捨てる事もできないし、こんな小さな子供、うん、無理だ。
ディアブロが世話してくれるなら、まぁいっか。
怒られるのは覚悟しておこう。
「なら、みんなの所に戻ろうか。」
「はぁ…………分かりました。マスターの意向に添いましょう。」
「うん、ありがとう。」
「ディア、こちらに来なさい。」
「ぼく、マスターの………は~い。」
僕の手をギュッと握りしめたが、ディアブロの顔色を伺って、しぶしぶ彼の側についていった。
さて、向こうはどうなってるかな?
こっちは他の気配は無さそうだから、多分大丈夫だろう。
ディアブロが警戒していないしな…
そう思い、みんなの元に戻った。
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