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聖女と巡礼
聖女巡礼メンバーにされてしまったみたいです。
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心の中が吹雪が吹き荒れるように寒い。
どうしたら良い。僕は…
「カル…」
温かく包み込んでくれる。そして、低く落ち着いた優しい声が僕の耳元でつぶやかれた。
「そんなに強く握りしめてはダメだ。傷がつく。」
背後から抱きしめられたまま、そっと握りしめていた手をゆっくりと開かれた。
「どうした?大丈夫か?」
そう心配そうに呟くのは、僕の…
ゆっくりと振り向けば、僕にとっての大切な人がいた。
「ディ…どうして?」
僕はアルストに教わった特殊な結界を張ったはずだ。
僕たち以外、入って来られないと思ったのに、なぜ?
来てくれて嬉しいけれど、でも…
「ふふっ…私が君の側にこれないと思った?いかなる場合でも、側にいるよ。僕達は竜人族特有の特殊な絆が出来ているし、他にもね。」
クルッと体の向きを変えられて抱き込まれる。そっと撫でられる背中もゾクゾクするが、耳につけられたピアスを甘噛みされるとなおさら…
「えっと…」
「私達は、一旦退散しますね。」
「では、マスターをよろしく。」
「私の甥っ子に無理させないでよ!」
「……」
それぞれ小声で呟いて気配が消えた。
多分、それぞれが散らばって行ったのであろう。
いつも影に潜むディアブロも、今は別の場所に行ったようだ。
「さて、どうした?」
そう言うと、額と額をくっつけられた。
瞳を閉じて何かを…
僕の考えた事や見た事、聞いた事を探っている…
思わず突っぱねて拒否しようとしたが、体格差と力の差がものを言うのか、びくともしない。
「ディ…」
「しっ、黙って…」
ものの数分だろうが、僕にとっては長時間に感じる。
思わず瞳が熱く濡れてきた。
「なるほどね…」
そう言うと、額を離し、唇が流れ落ちる涙を拭う。
「夫である私に隠し事はダメだよ。もっと頼って欲しい。」
「ディ…」
「大丈夫だ。私も…そう、俺も浄化巡礼にはついて行く。聖女の護衛ではなく、巡礼メンバーに抜擢されてしまった妻を心配した夫としてだ。竜人族であり、アステード王国、王弟である俺の妻であるからな。しかも、武術に秀でていないヒト族とならば、特にと言い切ってきたから、大丈夫だ。そうそう、『魅了』だったか?竜人族の番に関しては、あれは効きにくいとされている。特に、運命の番で儀式を取り交わした者同士に関しては。だから、俺には効かん。効いたふりはしても良いがな?」
「それはダメです。絶対に嫌…」
いきなり唇を奪われ、言葉を最後まで言わせてもらえない。
全てを貪り尽くさんと、わずかに開いたところから、ディの肉厚な舌が入り込み蹂躙して行く。
口角からわずかに流れ出る。
「あうう…ん~~」
何度も角度を変えて貪られ、力が抜ける。
カクンと落ちそうになる身体をしっかりと受け止められ、抱き上げられた。
唇は離されず、息が切れそうになる。
抱き上げられたまま運ばれ、そっと柔らかい場所に降ろされた。
黒い僕の髪が広がるのを横目にし…
ベットに運ばれたんだ…
どうしたら良い。僕は…
「カル…」
温かく包み込んでくれる。そして、低く落ち着いた優しい声が僕の耳元でつぶやかれた。
「そんなに強く握りしめてはダメだ。傷がつく。」
背後から抱きしめられたまま、そっと握りしめていた手をゆっくりと開かれた。
「どうした?大丈夫か?」
そう心配そうに呟くのは、僕の…
ゆっくりと振り向けば、僕にとっての大切な人がいた。
「ディ…どうして?」
僕はアルストに教わった特殊な結界を張ったはずだ。
僕たち以外、入って来られないと思ったのに、なぜ?
来てくれて嬉しいけれど、でも…
「ふふっ…私が君の側にこれないと思った?いかなる場合でも、側にいるよ。僕達は竜人族特有の特殊な絆が出来ているし、他にもね。」
クルッと体の向きを変えられて抱き込まれる。そっと撫でられる背中もゾクゾクするが、耳につけられたピアスを甘噛みされるとなおさら…
「えっと…」
「私達は、一旦退散しますね。」
「では、マスターをよろしく。」
「私の甥っ子に無理させないでよ!」
「……」
それぞれ小声で呟いて気配が消えた。
多分、それぞれが散らばって行ったのであろう。
いつも影に潜むディアブロも、今は別の場所に行ったようだ。
「さて、どうした?」
そう言うと、額と額をくっつけられた。
瞳を閉じて何かを…
僕の考えた事や見た事、聞いた事を探っている…
思わず突っぱねて拒否しようとしたが、体格差と力の差がものを言うのか、びくともしない。
「ディ…」
「しっ、黙って…」
ものの数分だろうが、僕にとっては長時間に感じる。
思わず瞳が熱く濡れてきた。
「なるほどね…」
そう言うと、額を離し、唇が流れ落ちる涙を拭う。
「夫である私に隠し事はダメだよ。もっと頼って欲しい。」
「ディ…」
「大丈夫だ。私も…そう、俺も浄化巡礼にはついて行く。聖女の護衛ではなく、巡礼メンバーに抜擢されてしまった妻を心配した夫としてだ。竜人族であり、アステード王国、王弟である俺の妻であるからな。しかも、武術に秀でていないヒト族とならば、特にと言い切ってきたから、大丈夫だ。そうそう、『魅了』だったか?竜人族の番に関しては、あれは効きにくいとされている。特に、運命の番で儀式を取り交わした者同士に関しては。だから、俺には効かん。効いたふりはしても良いがな?」
「それはダメです。絶対に嫌…」
いきなり唇を奪われ、言葉を最後まで言わせてもらえない。
全てを貪り尽くさんと、わずかに開いたところから、ディの肉厚な舌が入り込み蹂躙して行く。
口角からわずかに流れ出る。
「あうう…ん~~」
何度も角度を変えて貪られ、力が抜ける。
カクンと落ちそうになる身体をしっかりと受け止められ、抱き上げられた。
唇は離されず、息が切れそうになる。
抱き上げられたまま運ばれ、そっと柔らかい場所に降ろされた。
黒い僕の髪が広がるのを横目にし…
ベットに運ばれたんだ…
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