竜の国のご都合主義？

聖女と巡礼

聖女巡礼メンバーにされてしまったみたいです。

自室に戻り、特別な結界を張る。
アルストからつい最近教わった特殊結界だ。
結界内の事を、見せたくない人は外から見えないし、聞かせたくないものは聞こえない。
僕自身と、僕の侍従が普通に生活しているように見えて、実際は…ってやつだ。
別の映像を、他の者がのぞいていた場合見えるもの。作動するものだ。
これなら、違和感を他の者に与えないだろう。

多重の結界を日中から張り巡らせると、不信感や疑心暗鬼を起こさせる可能性があるからだ。
特に他国にいる場合だ。

上手く作動したのを確認して、僕の大切な仲間。英霊達を呼び出した。

「お呼びでしょうか？」

そう言って目の前に現れたのは、アルスト達だ。

僕の『英霊召喚』召喚に応じてくれた者達。

大賢者のアルスト。
初代聖女の新崎朱莉(アカリ•シンザキ)    アカリ。
叔母であり、聖女　秋本沙也加(サヤカ•アキモト)  サヤカでも、叔母さまなんだよね。
忍者マスターのガラ。竜人族である彼は、銀髪に紫色の瞳なんだ。
常に忍者服で姿を隠しているけどね。
そして、僕の影に潜んで護衛をしながら、姿を現して執事として接してくれている戦闘執事。ディアブロだ。
執事服の下には暗器が多数潜ませている彼は、黒髪で、紅瞳が時に金色にも見える。魔人族　？
戦闘エルフのシェリルは魔法剣士であり、ソードマスターのエルフ族。
翠の髪色に蒼瞳の美丈夫で、女性扱いされるとキレるから、要注意の人物でもある。
僕にはそんな事見せないんだけどね…

みんなが僕の前に跪くから、すぐに立っていつも通りにしてくれるようお願いした。

「で、どうされましたか？」

アルストがそう尋ね。

「先程ご友人とお話しされた、あの件ですよね。」

と、ディアブロが応じてくれた。

「そう、何故か僕が聖女と共に旅する浄化巡礼メンバーに選ばれた。さっき聖女とされる女性にも会ったんだけど、アカリやサヤカとちょっと違って、違和感があったんだ。で、同じメンバーに選ばれた友人とさっき話したんだけど、どうも『魅了』の力を使われていたらしい。何故使ったのか。わざとか、知らずに使ったのかは分からないんだけどね…」
「なるほど…厄介ですな。」

アルストが何やら考え込んでいる。
アカリとサヤカ。他の者達もだ。