竜の国のご都合主義?

文字の大きさ
上 下
125 / 269
聖女がやって来るみたいです

聖女がやって来るみたいです

しおりを挟む
「おおおおおおおっ~~~~~~!!」
「成功だ!!神に感謝を~~!!」
「聖女様だ!!これで国は救われる!!」

ついに当日、聖女召喚の儀式に参加した僕達は、少し離れた場所からそれを眺めていた。
ディや兄達は少し離れた別の場所だ。
貴族席と言ってもいいんじゃないかな。

喜びの歓喜を周囲が発するのを何とも言えない表情で眺めていたのは僕だけだろう。
だって、ついにゲーム開始と言ってもいいんだから…

この後、神に選ばれた数名とともに浄化巡礼の旅に出発だ。
僕は、あのゲーム上では最終で殺される役所。
絶対に嫌だけどね…
まぁ、ストーリーとはかけ離れているから大丈夫だとは思うんだけれど…

魔法陣跡の中で浮かび上がっていた女性はどう見ても女子高生。
年齢は女性に聞くもんじゃないけれど…
有名女子校の制服をモチーフに可愛らしく描かれていたものと同じだ。

まぁ、よくストーリー的にも中世に似ているこの世界。
本来ならあの制服のスカート丈とかはダメ出しされるのかも知れないが、過去に何度も聖女が来ているこの世界では、あの丈は異世界では常識的物であろうと受け入れられていた。

あくまで異世界ではだ。この世界に来たからにはあの丈はダメだと着替えさせられるんだけどね。
学園の制服も丈はどちらかと言えば長めだしな…

そんなどうでもいい事を考えて眺めて…

向こうにいる神官職や騎士達は大丈夫そうだけど、魔力を奪われ過ぎたのか、一部の者達が倒れてる。
まぁ、今までにも何度かあったらしいから、しっかりと対応されてるみたいだ。


「何これ?!ここ何処ですか??」

うん、黒髪が肩につくくらいの長さの黒目がくりっとした可愛らしい女の子が少し威嚇する様にそう呟いていた。
まぁ、そうなるよな。

今回の主となっていた皇太子と神職の者達が側に行き説明している様だ。

「夢?夢だと言って………あり得ないんだけど~~~!!」
「嘘だよね…夢だよね…」

「ようこそおいでくださいました。聖女様。お名前を教えていただいてもよろしいでしょうか?私は……」

「あの、ここは何処ですか?私、どうして?」

「あぁ、失礼いたしました。ここでは何ですので、場所を変えて説明させて頂いてもよろしいでしょうか?」

説明していたが、周りの興奮状態で難しくなったんだろう。
確かに、こんな場所で、この状態で話を聞く事は無理だろう。
ワイワイ ガヤガヤ言って聞こえづらい…

女性は案内されるままついて行くようだ。
これで取り敢えず終わりか??
そう思ったら、向こうで手の甲を抑えている者がいた。

そう言えば、アカリやサヤカ、アルストからも聞いていたんだ。
儀式の後や途中とかで手の甲に印が現れる者の事。
確か神に選ばれた随行者。

初代聖女のアカリと巡礼の旅メンバーであった大賢者のアルスト。忍者マスターガラ。戦闘エルフのシェリル。
彼らにも印が現れたと言っていた。
聖女の魔力が不足した時に譲渡できる者。そして守れるだけの実力者。
選ぶのはあくまで神。

大体四、五人が選ばれてるらしい。
向こうであの人とあの人。うん、聖職者の人と騎士だね。他には…

何だか僕の手も熱いんですけど??
どう言う事?

僕の手に光る印が現れた。どう言う事?
僕もいくって事??

思わずディの姿を探した。
驚愕の顔をして僕の方に駆け寄ってこようとしている。

僕もそっちに駆け寄ろうとしたら、グイッと手を引っ張られた。

「これはこれは。素晴らしいお印が刻印されていますね。さぁ、貴方様はこちらに…」


そう言うと、官僚風の人と神官風の人にグイグイ引っ張られて他の刻印がされている人たちと同じく別室に案内されてしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

繋がれた絆はどこまでも

mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。 そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。 ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。 当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。 それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。 次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。 そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。 その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。 それを見たライトは、ある決意をし……?

Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜

天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。 彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。 しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。 幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。 運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。

みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。 男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。 メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。 奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。 pixivでは既に最終回まで投稿しています。

さよならの合図は、

15
BL
君の声。

俺の彼氏は俺の親友の事が好きらしい

15
BL
「だから、もういいよ」 俺とお前の約束。

泣くなといい聞かせて

mahiro
BL
付き合っている人と今日別れようと思っている。 それがきっとお前のためだと信じて。 ※完結いたしました。 閲覧、ブックマークを本当にありがとうございました。

処理中です...