117 / 269
聖女がやって来るみたいです
聖女がやって来るみたいです
しおりを挟む
ディも衝撃の事実を教えられて驚いている僕は、ただ茫然とディを見つめていた。
彼の瞳の中に映る自分の姿を見つめている。
「竜人族は『番』に対してマーキングを施し、婚姻したらそこに上書きする事は知っているだろう?」
それは知っている。父が母に贈ったモノを見た事があるし、義理の兄が姉に。兄が義理の姉に贈ったのも教えてもらった。家庭教師からも、各種族間でそのような行為をする事も習っていた。
自分がヒト族であるから、尚更知っておく必要があると言う事で…
だから、その質問に対しては素直に頷いた。
実際にも僕に贈られているし…マーキングの方だけど…
「婚姻証明書は国に届ける書類。これにもそれなりの効力があるが、絶対では無い。我が国では基本離縁はない。死別で再婚する事は稀にはあるがな…」
そうだ、貴族間で子孫は必要なものだ。王族も然り。
結婚で寿命が相手と同じになったとしても、事故や病気で死別しない事はないんだ。
「婚姻証明書が必ずしも効力が有るとは言い切れない理由。それは何か知っているか?」
「それは…知らない…」
「王族や貴族間では、初婚の場合は初めての相手とされている。それは基本だ。相手が初婚でない場合。そう、初めて出ない場合は、その相手の初めての相手が死別した場合とされているんだ。」
「と言う事は…」
「そう、お前がもし他の者に奪われてしまった場合、その相手がお前の初めてを奪った場合は…殺す。お前の夫は私だ。私がお前の初めてをもらう権利がある。だが、今の状態でお前が他国に行き奪われたら…奪った相手が死なない限り婚姻は成立しなくなる」
ディの表情が怖い。
僕が他の相手に抱かれている事を想像しているんだろうか…
そんな事はあり得ないと言い切りたいけれど…
あの時、その可能性があったんだ…
僕が屋敷から…
「お前は俺のモノだ。俺の愛しい…誰にも渡さない。逃しもしない。」
そっと頬に優しいキスを贈られる。
「だから、今からお前を抱く」
そう言うと、喰らいつくようなキスをいきなり贈られた。
彼の瞳の中に映る自分の姿を見つめている。
「竜人族は『番』に対してマーキングを施し、婚姻したらそこに上書きする事は知っているだろう?」
それは知っている。父が母に贈ったモノを見た事があるし、義理の兄が姉に。兄が義理の姉に贈ったのも教えてもらった。家庭教師からも、各種族間でそのような行為をする事も習っていた。
自分がヒト族であるから、尚更知っておく必要があると言う事で…
だから、その質問に対しては素直に頷いた。
実際にも僕に贈られているし…マーキングの方だけど…
「婚姻証明書は国に届ける書類。これにもそれなりの効力があるが、絶対では無い。我が国では基本離縁はない。死別で再婚する事は稀にはあるがな…」
そうだ、貴族間で子孫は必要なものだ。王族も然り。
結婚で寿命が相手と同じになったとしても、事故や病気で死別しない事はないんだ。
「婚姻証明書が必ずしも効力が有るとは言い切れない理由。それは何か知っているか?」
「それは…知らない…」
「王族や貴族間では、初婚の場合は初めての相手とされている。それは基本だ。相手が初婚でない場合。そう、初めて出ない場合は、その相手の初めての相手が死別した場合とされているんだ。」
「と言う事は…」
「そう、お前がもし他の者に奪われてしまった場合、その相手がお前の初めてを奪った場合は…殺す。お前の夫は私だ。私がお前の初めてをもらう権利がある。だが、今の状態でお前が他国に行き奪われたら…奪った相手が死なない限り婚姻は成立しなくなる」
ディの表情が怖い。
僕が他の相手に抱かれている事を想像しているんだろうか…
そんな事はあり得ないと言い切りたいけれど…
あの時、その可能性があったんだ…
僕が屋敷から…
「お前は俺のモノだ。俺の愛しい…誰にも渡さない。逃しもしない。」
そっと頬に優しいキスを贈られる。
「だから、今からお前を抱く」
そう言うと、喰らいつくようなキスをいきなり贈られた。
7
お気に入りに追加
156
あなたにおすすめの小説

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
某国の皇子、冒険者となる
くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。
転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。
俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために……
異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。
主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。
※ BL要素は控えめです。
2020年1月30日(木)完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる