竜の国のご都合主義?

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聖女がやって来るみたいです

聖女がやって来るみたいです

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流石にみんなの前でこの体制は嫌だと懇願して、『後でお願いをきく』約束で隣に降ろされた。
僕の右側をキープされたが、さっきの状態よりはるかにマシだ。
例え腰に腕が回されていたとしてもだ…

アルスト達は特に何も言わなかったのが、逆に怖かったんだけどね…

ディから先に今の現状を説明された。
国内ではまだ伝えられていない内容も一部あった。

各地域での魔獣被害の増加報告。
それをディアブロにテーブルの上を片付けてもらい、そこに広がした地図を見ながら皆んなで確認した。
地図はディが持参してきたものだ。
それにアルストやガラ、シェリルが自分達の情報も書き加えていく。
アカリと今朝戻ってきたサヤカが苦笑いしながら頷き、ディアブロがメモをとってくれていた。
後でまとめてくれるらしい。
さすがだ…
父には僕から国にはディから報告する必要性が出てくるかもしれないしね…
秘匿事項は秘匿ということで…

被害が多い地域はやはりディール帝国が群を抜いていた。
特に、例のアルングスト山脈付近だ。
例の扉が出現したことも関係しているのだろう。
もしかしたら、その逆かもしれないけれど…

多発に発生したから扉が…という事も考えられるからだ…

サヤカは何か考えている様子だ。
何だろうか………

「実はね、みんなに伝えていない事があるんだけど、良いかな…」

そう遠慮がちに口を開くサヤカ。
いつもと少し雰囲気が違う。
どこがどうと言われたら、自身がないんだけれどね…

「前回、私が聖女として妹と一緒にこの世界に召喚された事は、知っていると思うし、当時の参加者でもある、ジャディール殿下も知っていると思う。もちろん、カルロスのお父さん。私の義理の弟になるアルホンス•セイクリオン公爵もね。歳は向こうのほうが遥かに上なんだけどね…」

そう言って、いったん大きなため息を吐く。
竜人族とヒト族の寿命の差は大きいからな…しかも、聖女はヒト族と言っても異世界からの転移召喚者。年齢が遥かに違うのは仕方ないだろう。
これは前世でゲーム制作に携わっていた者としても理解できているし、この世界の常識にもなっている。

「で、実はね、誰にも伝えてない…いゃ、あの人には教えたんだけど、それ以外には伝えてない事が有るのよね…」

そう言って話し出した内容には皆んなが驚いていた。


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