竜の国のご都合主義?

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聖女がやって来るみたいです

聖女がやって来るみたいです

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約束通り、ディが屋敷に訪れた。
うん、今日も軍服の格好で、よく似合っているし、かっこいいと思うけど…
忙しい時間をわざわざ空けてくれたのだとしたら、申し訳ないと思った。

「どうした?」

僕が余りに複雑な顔をしたせいなのだろうか、そっと近づきそのまま…
えっ??
抱き上げられて、ソファーに座るディの膝の上に横座りされる。
そして、顎を持ち上げられて、啄むような口づけを落とされた。

今までにも色々な事はされては…まぁきたんだけど、自宅ではここまではされていなかったはずだ。

侍女や侍従がテーブルにお菓子やお茶を置いて退席していく。
何とも言えない雰囲気にあてられてか、頬を染めた者もいた…

「皆んな遠慮してくれたな。では…」

ディがこの部屋にいる事はみんなの周知であるから大丈夫だとも思ったんだけど、器用に結界を張ってくれた。
しかも多重にだ。

「これで邪魔者は入ってこれないし、会話が漏れることもない」

そう言って、ニコニコ笑顔だ。
皆んなを追い出すためにあえてこんな事をしたのか。なるほど…
なら、もう降りても良いよね。

ゴソゴソと身じろいで降りようと頑張ったんだけど、腰に回された腕は離してくれることもなく…

「何してるの?」

そうさらに微笑まれて…

「逃さないよ…」

そう呟かれて抱き込まれた。
耳元で双つぶやかれてしまえば、力が抜けてしまった。

「ごめん、余りにも可愛すぎて…」

そう笑われながら、支えてくれた。
テーブルに置かれたクッキーに手を伸ばし僕の口に運ぶ。

「美味しそうだよ。好きだろ?」

そう言いながらつつかれて、恨めしく睨みながらも口を開いた。

モグモグごきゅん。
うん、美味しい…

ディはカップに注がれているコーヒーを美味しそうに味わっていた。

ディがコーヒー好きなのはこの屋敷の者達は熟知しており、彼にはコーヒー。僕にはお茶と分けて準備してくれていた。
口の中のを飲み込むと、カップをて渡され、美味しくいただいた。

そのまま受け取られて、『さて…』と言われたから、今度こそは離してもらえれると思ったんだけど…

「今のこの国、この世界で起こっていることだが…」

そのまま話に突入するんだね…
諦めて耳を澄まし、時には頷きながら話を促した。

ディから『英霊も召喚して欲しい。情報を分ち合いたい』との希望で召喚してだ。
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