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聖女がやって来るみたいです
聖女がやって来るみたいです
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やはりゲーム設定どうりになるのだろうか…
そうすると…
「誰かが誘導しているようです。多分予想しているものかと…」
そう声を上げたのはガラだった。
竜人族であるけれど、忍者マスターの名を馳せた英霊だ。
彼の情報収集能力は凄まじい。
戦闘能力もだろうけれど…
隠密行動や暗殺とかもしていそうだが、そこの辺りは聴かないでおこう…
「確か、ディール帝国には、今サヤカ殿が行かれているとか…」
「そうです。前皇帝に会いに行くと言っていたか…」
「サヤカって、ディール帝国の前皇帝とお知り合いなの?」
思わず素っ頓狂な声で質問してしまった。
ゲームには出てこなかった人物だ。
この国の貴族とかは勉強しているから大体覚えているんだけれど、他国のことははっきり言って自信がない。
今のあの国の皇帝が女帝なのは知っているんだけれど…
うん、そんな寂しい目で見ないで欲しい。
サヤカは前聖女で叔母ではあるらしいんだけど、実際の肖像画を見たわけでもないしね…
多分、教会に行けばあるんだろうけれど、屋敷で引きこもりだったし、家族も過保護だったしな…
前世のこともあって…
色々頭の中で言い訳してみるが…知識不足です。すみません。
「まぁ、サヤカ殿は少し特殊ですからね。本人が言わないことをこちらが説明するのもアレなのですが…それに、マスターのご両親も関係していますし…」
「う~ん、なら、両親に質問してみるよ。」
「そうですね。ジャディール殿下に聞くのもいいかもしれません。慕われてるとも思われて良いかと…」
何でそこにディが関係するんだろうか…そういえば、父とディは古くからの友人で、前回の聖女召喚の時にも関係していたみたいなことを言っていたか…
「なら、ディに手紙…いゃ、伝達魔法陣で連絡してみるよ。父にも…確か王城に用事もあるし、領地で魔獣被害が出だしたと兄達も言っていたから…」
そう言うや、すぐに数枚の伝達魔法陣に魔力を注ぎながら吹き込み飛ばす。
すぐにそれは目の前から消えた。
今頃はディと父の所に届いているだろう。
本当に便利だよね、これ…
「あと、半月後には聖女召喚の儀を執り行うようです。それに参加される者の選定作業で忙しいようですね」
そう言ってディアブロがみんなの分のお茶を準備して、テーブルにつくよう促している。
いつまでも跪かせるわけにも行けないしね。
いくら僕の事をマスターと言って大事にしてくれていてもだ。過去の英霊様なんだから…
「ディアブロはよく知っているね」
「これぐらい、造作もない事です。クフフフッ」
独特の笑い声を上げながら、後ろに揺れる尻尾が見えそうだ。
褒めてと訴えるワンコのよう。
本人には言わないけどね…
ディアブロの情報では、我が家の兄も参加者リストに挙げられているらしい。
勿論、王弟殿下であるディもだ。
王太子殿下を筆頭にしてと言う案もあるのだとか。
そして何故か僕の参加も思案されているらしい。
何故??
僕関係ないよね…いゃ、関係あるかもしれないけどさ…
思わず唸ってしまったよ。
そうすると…
「誰かが誘導しているようです。多分予想しているものかと…」
そう声を上げたのはガラだった。
竜人族であるけれど、忍者マスターの名を馳せた英霊だ。
彼の情報収集能力は凄まじい。
戦闘能力もだろうけれど…
隠密行動や暗殺とかもしていそうだが、そこの辺りは聴かないでおこう…
「確か、ディール帝国には、今サヤカ殿が行かれているとか…」
「そうです。前皇帝に会いに行くと言っていたか…」
「サヤカって、ディール帝国の前皇帝とお知り合いなの?」
思わず素っ頓狂な声で質問してしまった。
ゲームには出てこなかった人物だ。
この国の貴族とかは勉強しているから大体覚えているんだけれど、他国のことははっきり言って自信がない。
今のあの国の皇帝が女帝なのは知っているんだけれど…
うん、そんな寂しい目で見ないで欲しい。
サヤカは前聖女で叔母ではあるらしいんだけど、実際の肖像画を見たわけでもないしね…
多分、教会に行けばあるんだろうけれど、屋敷で引きこもりだったし、家族も過保護だったしな…
前世のこともあって…
色々頭の中で言い訳してみるが…知識不足です。すみません。
「まぁ、サヤカ殿は少し特殊ですからね。本人が言わないことをこちらが説明するのもアレなのですが…それに、マスターのご両親も関係していますし…」
「う~ん、なら、両親に質問してみるよ。」
「そうですね。ジャディール殿下に聞くのもいいかもしれません。慕われてるとも思われて良いかと…」
何でそこにディが関係するんだろうか…そういえば、父とディは古くからの友人で、前回の聖女召喚の時にも関係していたみたいなことを言っていたか…
「なら、ディに手紙…いゃ、伝達魔法陣で連絡してみるよ。父にも…確か王城に用事もあるし、領地で魔獣被害が出だしたと兄達も言っていたから…」
そう言うや、すぐに数枚の伝達魔法陣に魔力を注ぎながら吹き込み飛ばす。
すぐにそれは目の前から消えた。
今頃はディと父の所に届いているだろう。
本当に便利だよね、これ…
「あと、半月後には聖女召喚の儀を執り行うようです。それに参加される者の選定作業で忙しいようですね」
そう言ってディアブロがみんなの分のお茶を準備して、テーブルにつくよう促している。
いつまでも跪かせるわけにも行けないしね。
いくら僕の事をマスターと言って大事にしてくれていてもだ。過去の英霊様なんだから…
「ディアブロはよく知っているね」
「これぐらい、造作もない事です。クフフフッ」
独特の笑い声を上げながら、後ろに揺れる尻尾が見えそうだ。
褒めてと訴えるワンコのよう。
本人には言わないけどね…
ディアブロの情報では、我が家の兄も参加者リストに挙げられているらしい。
勿論、王弟殿下であるディもだ。
王太子殿下を筆頭にしてと言う案もあるのだとか。
そして何故か僕の参加も思案されているらしい。
何故??
僕関係ないよね…いゃ、関係あるかもしれないけどさ…
思わず唸ってしまったよ。
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