竜の国のご都合主義?

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聖女がやって来るみたいです

聖女がやって来るみたいです(レイナルド)

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アステード王国王城内はロザリアン神聖国からや各国からの情報を集め、対応に勤しんでいた。
特に、今回現れた『扉』が、いつもと全く違ったのだ。
いつもは各国どこかの上空。だが、今回は地上。しかもディール帝国とエステバン王国国境近くに広がるアルングスト山脈にある洞窟内だ。
過去の統計から、ディール帝国に出現率が多かったため、注意はしていたようだが、まさかの場所。
監視の目をくいくぐり、今にも扉が開きそうな状態でたまたま山脈に赴いていた冒険者が発見した。
山脈の麓に村に魔獣被害が勃発し、ギルドに討伐依頼が寄せられた為だ。
現地調査および討伐で赴いた数名のチームが発見し、急ぎ国に報告となったらしい。

国からも騎士団を派遣して境界線を張り、監視及び討伐で各国の出方を待っている状態だった。

この国の国王であるレイナルド•アステードは、弟ジャディールの報告と自分自身の護衛兼筆頭執事であるレイルからて渡された書類を確認していく。

さて、どうするべきか…

「兄上?」

眉間を揉むようにして考察を巡らせる。

「これはもう、聖女様に来ていただくしかないだろうね。ロザリアン神聖国からの書状も半月後には行うと言って来ている。誰を派遣するべきか…」

前回は、弟であるジャディールと、アルホンス•セイクリオン及び数名を派遣させた。
あの時も色々と面倒であったが…前回と同じメンバーを派遣すべきか?それとも別を?

国同士という事もあり、それなりの地位も必要であるし、あの儀式はある程度以上の魔力も必要だ。
当時はまだ『運命の番』を持たない二人に、見合いも兼ねて行かせることとなった。

竜人族にとって、『運命の番』の重要性は理解できるが、高位の若者がいつまでも独り身なのはいけないと、父や家臣達の強い要望での派遣だった。
国境近くには結界がある為、『番』認識が国を跨いだ場合しにくいのと、相手が人族であれば、運命でなくても『番』になれる可能性が高かったためだった。
実際行って、アルホンスは『運命の番』と出逢えたわけで良かったのだが…
相手が相手で大変だった。
素晴らしい女性であったが、その女性を狙う者がいた為に、色々と大変だったのだが…

派遣予定者のリストを確認する。
王族の誰かは一人必ずいく必要性がある。
息子である皇太子に行かせるか…そうなると、またセイクリオン家の者にも随行してもらう必要が。
後は…

アルホンスの顔が思い浮かぶ。
あの時、次は別の貴族をとも言われたが、適任者がな…

「どう言い訳すれば良いやら…」
「私は行きませんよ。」
「わかっている」

そう、皇太子より、弟に行かせるのがと思ったが、弟の方も『番』の問題で離れないだろう。
これ以上引き離したら、二度と仕事を手伝ってもらえないし、兄の私を嫌うだろう。

やっと見つけた『運命の番』にちょっかいを出している者達がいる。
あの者に何かあれば…

いゃ、ちょっと待て、あの者を守るためと言って行かせるのも良いかもしれない。
少し言葉を気をつけてだ…



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