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聖女がやって来るみたいです
聖女がやって来るみたいです(アルスト)
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アカリがマスターの寝室から出て来て、マスターが読んでいたノートを我らの前にそっと置いた。そしてソファーのマスターが座っていた場所に腰を下ろした。
我らもそのノートは気になったが、そっと覗いても全く読めない文字が書かれていた。
それはまるで模様の様であったり、記号の様にも見えた。
「本当はマスターに内緒で見るべきではないのでしょうが、今後のマスターを守るためには必要な情報であったので、情報を共用しようと思います」
「アカリ様は読めるのですか?」
「えぇ、ちょっと難しい事で、全てはお伝えできませんが…マスターもまだ私達に伝えるべきではないと思われて…考えられているような事もあるのですが…」
アカリが何か言い淀んでいる。
聖女の何かであろうか?それとも??
マスターの母君がサヤカの妹君である事を知った時は驚きではあった。
以前、サヤカが自分の事を『叔母さま』と呼ぶように言っていたから知ったのだ。
サヤカは元聖女であるから、アカリと同郷の異世界人だ。
確か『日本』と言う島国からこの世界に呼ばれたとアカリが言っていたし、サヤカもそう言っていた。
この世界で危機的状態の時聖女召喚の儀式が行われ、現れた聖女は常にお一人であったが、サヤカの時は何故かお二人。そう、双子の姉妹としてこの世界に現れた。当時は混乱を懸念して妹君は聖女と認定されなかったため、髪と瞳の色を変えられ隠匿されたらしい。サヤカから聞いた話と、残された記録で知っている。
当の本人にはお会いして話をお聴きしていないので、実際のところはどうかはわからないが…
その妹君のご子息がマスターだ。
その加減で、そのノートに書かれている独特の文字が読めたのかも知れない。
マスターが言いたくないのであれば、問いただすべきではないだろう。
文字の事は今回は置いておくとしよう。
「文字が読めた理由は今回は問う事はしない事にしましょう。マスターの意に反しますから。ですが、内容が今後の注意であれば、回避できるものは回避させるのが我らの仕事の一つと言えるでしょう。是非内容を教えて頂きたい」
そう言って頭を下げた。
どんな内容でも良い。
危険を回避させ、マスターの幸せが我らの幸せだ。
「それでは、ここで読む内容は、他言無用で…」
そう言って読んだ内容は衝撃的であった。
我らもそのノートは気になったが、そっと覗いても全く読めない文字が書かれていた。
それはまるで模様の様であったり、記号の様にも見えた。
「本当はマスターに内緒で見るべきではないのでしょうが、今後のマスターを守るためには必要な情報であったので、情報を共用しようと思います」
「アカリ様は読めるのですか?」
「えぇ、ちょっと難しい事で、全てはお伝えできませんが…マスターもまだ私達に伝えるべきではないと思われて…考えられているような事もあるのですが…」
アカリが何か言い淀んでいる。
聖女の何かであろうか?それとも??
マスターの母君がサヤカの妹君である事を知った時は驚きではあった。
以前、サヤカが自分の事を『叔母さま』と呼ぶように言っていたから知ったのだ。
サヤカは元聖女であるから、アカリと同郷の異世界人だ。
確か『日本』と言う島国からこの世界に呼ばれたとアカリが言っていたし、サヤカもそう言っていた。
この世界で危機的状態の時聖女召喚の儀式が行われ、現れた聖女は常にお一人であったが、サヤカの時は何故かお二人。そう、双子の姉妹としてこの世界に現れた。当時は混乱を懸念して妹君は聖女と認定されなかったため、髪と瞳の色を変えられ隠匿されたらしい。サヤカから聞いた話と、残された記録で知っている。
当の本人にはお会いして話をお聴きしていないので、実際のところはどうかはわからないが…
その妹君のご子息がマスターだ。
その加減で、そのノートに書かれている独特の文字が読めたのかも知れない。
マスターが言いたくないのであれば、問いただすべきではないだろう。
文字の事は今回は置いておくとしよう。
「文字が読めた理由は今回は問う事はしない事にしましょう。マスターの意に反しますから。ですが、内容が今後の注意であれば、回避できるものは回避させるのが我らの仕事の一つと言えるでしょう。是非内容を教えて頂きたい」
そう言って頭を下げた。
どんな内容でも良い。
危険を回避させ、マスターの幸せが我らの幸せだ。
「それでは、ここで読む内容は、他言無用で…」
そう言って読んだ内容は衝撃的であった。
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