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聖女がやって来るみたいです
聖女がやって来るみたいです
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えっと…
あの時書いたもの。
出来るだけ後で読み返した時に『これ何??』って思わないように時系列のして書いておいたものだ。
えっと…
ノートのページをめくり、文字を目で追う。
この辺りはストーリーと変わってしまっている。
居なくなる予定だった僕が、実家にいるし、アカデミーにも通っているんだから。
でっと…今のこの世界の状態は…
ガラ達の報告では、アレングスト山脈の洞窟に扉が出現とか言っていた。
そう、ここに書いている『ディール帝国とエステバン王国国境近くに山脈に扉出現』これだ。
山脈のどの辺りかは書いていないし、洞窟はゲーム展開中に…そうここだ。
ペラペラとページをめくって、現れた文字。
『洞窟内を戦いながら走り抜け奥に扉が開きかけているのを発見』
そう、洞窟内に扉が出現してたんだ。
その辺で僕は聖女様御一行に討伐されたり、別の場所で殺されたりするんだ。
プルプル震えて、持っていたノートを落とした。
『聖女』が来る。学園生活が落ち着いて順調だったから、他の地域の情勢に気がつかなかった。
この世界の状況。そう、今現在、この世界が再び混沌に向かおうとしている事態に気がつかなかった。というか、気づきたくなかったのかも知れない。
大陸北側を位置した国、ディール帝国。
北側を位置し、かなりの広さを持つ帝国領の北側に今回も扉が出現した。そう、ゲーム冒頭開始の合図だ。
元々、この大陸北部は、魔素が溜まりやすい土地になっていた。そう言う設定だった。
ゲームと現実がごちゃ混ぜになる。
いゃ、これはゲームに似た現実だ。
忘れてはいけない。ゲームはリセットでやり直しが出来るが、現実は無理だ。
時戻しみたいなゲームやアニメでの魔法は現実にはこの世界に無いのだから、間違えたら死ぬ。
でも、類似しているなら、大体は予想できる。
なら、思い出せ。そしてアカデミーで習った事と照らし合わせて…
ディール帝国側の海を隔てたかなり遠く。現在でもほぼ忘れられた大陸があった。
そこには魔族が住んでいる。ゲームではそうだった。実際は…交易がある訳ではないが、冒険者の話だとそう言っていたと報告があるとされていた。ゲームで大いに関係していたから、多分現在の情報で考えても関係しているのかも知れない。と言うか、関係してるよね。
元々は、この大陸以外にも大陸があり、島も多々あったとされている。
そう、古代文明の時代だ。
魔素は、何処にでもある。多かれ少なかれだ。
空気や水。植物など、何処にでもあるのだから。
それが、それぞれの環境に伴って、貯まる•留まる場所が出来る。そう、『魔力溜まり』が発生するのだ。
火の力が多い所や水の多い場所などで魔力溜まりが発生すると、そこに類似した性質の『魔石』と言うものが出来る。
それらを、一部の生物が食して力を得るモノもいるが、この世界の住民はそれを発見した採掘利用した。
大きさや質はバラバラであるが、採掘した物は、魔力の少ない者などでも使えるように加工して、生活の一部として現在も使用している。そう、魔道具の中に組み込む形で。又、お守りとしてアクセサリーにして持ち歩く者もいる。
その魔力溜まりの魔石採掘現場となる場所は、『魔石地』として多くの者に認識されていた。
しかし、それ以外にも、全ての生命の『悪感情に触れた魔素』が溜まった魔力溜まりが、どうしても発生し、それが厄介でもあった。
悪感情に触れた魔素は、変質して瘴気となる。瘴気による魔力溜まりを人々は『魔力溜まり』と認識した。
その、魔力溜まりから魔獣が発生する。また、普通の獣などがその魔力溜まりに触れて変質し、魔獣となる事もある。
極めて厄介なものだ。魔物とは又違っていた。
魔物は魔力の多い獣の事だ。凶暴であったりするが、こちらは討伐して食用とかにも出来るものだった。
厄介ランキングから言うと、狂暴差の違いで上下する事もあるが、普通は魔物より魔獣の方が力が強い。
で話は戻るが、魔獣も人々と同じく進化し、やがて魔族が生まれた。
人と姿形がよく似た魔族も知恵を持ち、この世界を創造した『神』とは違う『神』を崇め始めた。
『悪感情』が充満しての起こった現象に、別の世界、そう、異世界の力が触れたのが影響と設定していたから、類似しているからそうなのだろう。
魔族達は、自分達に聞こえ、感じた『意識』により、自分達の『神』を持ち、崇めたのだ。
崇める事などにより、『異世界の扉』が出現した。
それは、魔族達の崇める神、そう『悪魔』と呼ばれるモノが出てくる場所となった。
混沌の時代の始まりだ。
人々と、魔族との戦いやそれに悪魔まで加わり、世界は崩れ始めた。
人々は、創造主である神に祈り、神もまたこの悲しい出来事に心を痛めた。
聖女がこの世界を創造した神に導かれ、伴われてこの世に現れた。
そう、初代聖女の新崎朱莉。僕が英霊召喚したアカリの事だ。
神に選ばれし『使徒』とも『従者』とも言われているが、その者達と共に力を合わせて、撃退していった。
悪魔は扉から元の世界に戻った。
だが、この世界に生まれ落ちた魔族達は滅する事はできず、この地より海の向こうの大陸に追いやる事となった。
強力な壁となる結界を張り巡らせ格別する。
全てが治まった後、神の言葉を聴いた『ヒト族の国』ロザリアン神聖国より、さらなる結界を張り巡らせ、その力を維持するよう努める事になる。
その結界の要が、現在も教会や遺跡群にある石碑達。
詳しい事は、神聖国中心に秘匿という形で記録伝承されているのはゲームでの設定で知っているだけで、一般閲覧可能な書物には残されていない。
それでも、やはり力は徐々に衰えたり劣化したりする。
また、護っている土地自体も浄化し、結界の中で護られていても、中に住む者達の『悪感情』が消える事はなかった。
地位や名誉。物欲はどうしてもある。悪い事とは言わないけれど、度が過ぎればね。よって、どうしてもそれが溜まり魔獣が発生してしまう。
各国の騎士達が討伐し、浄化してはいくのだが、数百年周期で現状悪化する時代が起こった。
現在この国では父や兄達も騎士達を連れて討伐したり頑張っているけど、ゲーム通りに起こったのか…
『扉』の出現率は昔から『ディール帝国』が他よりも多い。
そして、今回、ディール帝国領内。エステバン王国国境近くに位置する山脈の洞窟内に出現か…
今回もこの大陸の者達が、『ヒト族の国』ロザリアン神聖国を中心に伝承に則って『聖女召喚の儀式』を行うために、ディ達が動いている…
王弟殿下だから、緊急の国事に対してだ。
あの時書いたもの。
出来るだけ後で読み返した時に『これ何??』って思わないように時系列のして書いておいたものだ。
えっと…
ノートのページをめくり、文字を目で追う。
この辺りはストーリーと変わってしまっている。
居なくなる予定だった僕が、実家にいるし、アカデミーにも通っているんだから。
でっと…今のこの世界の状態は…
ガラ達の報告では、アレングスト山脈の洞窟に扉が出現とか言っていた。
そう、ここに書いている『ディール帝国とエステバン王国国境近くに山脈に扉出現』これだ。
山脈のどの辺りかは書いていないし、洞窟はゲーム展開中に…そうここだ。
ペラペラとページをめくって、現れた文字。
『洞窟内を戦いながら走り抜け奥に扉が開きかけているのを発見』
そう、洞窟内に扉が出現してたんだ。
その辺で僕は聖女様御一行に討伐されたり、別の場所で殺されたりするんだ。
プルプル震えて、持っていたノートを落とした。
『聖女』が来る。学園生活が落ち着いて順調だったから、他の地域の情勢に気がつかなかった。
この世界の状況。そう、今現在、この世界が再び混沌に向かおうとしている事態に気がつかなかった。というか、気づきたくなかったのかも知れない。
大陸北側を位置した国、ディール帝国。
北側を位置し、かなりの広さを持つ帝国領の北側に今回も扉が出現した。そう、ゲーム冒頭開始の合図だ。
元々、この大陸北部は、魔素が溜まりやすい土地になっていた。そう言う設定だった。
ゲームと現実がごちゃ混ぜになる。
いゃ、これはゲームに似た現実だ。
忘れてはいけない。ゲームはリセットでやり直しが出来るが、現実は無理だ。
時戻しみたいなゲームやアニメでの魔法は現実にはこの世界に無いのだから、間違えたら死ぬ。
でも、類似しているなら、大体は予想できる。
なら、思い出せ。そしてアカデミーで習った事と照らし合わせて…
ディール帝国側の海を隔てたかなり遠く。現在でもほぼ忘れられた大陸があった。
そこには魔族が住んでいる。ゲームではそうだった。実際は…交易がある訳ではないが、冒険者の話だとそう言っていたと報告があるとされていた。ゲームで大いに関係していたから、多分現在の情報で考えても関係しているのかも知れない。と言うか、関係してるよね。
元々は、この大陸以外にも大陸があり、島も多々あったとされている。
そう、古代文明の時代だ。
魔素は、何処にでもある。多かれ少なかれだ。
空気や水。植物など、何処にでもあるのだから。
それが、それぞれの環境に伴って、貯まる•留まる場所が出来る。そう、『魔力溜まり』が発生するのだ。
火の力が多い所や水の多い場所などで魔力溜まりが発生すると、そこに類似した性質の『魔石』と言うものが出来る。
それらを、一部の生物が食して力を得るモノもいるが、この世界の住民はそれを発見した採掘利用した。
大きさや質はバラバラであるが、採掘した物は、魔力の少ない者などでも使えるように加工して、生活の一部として現在も使用している。そう、魔道具の中に組み込む形で。又、お守りとしてアクセサリーにして持ち歩く者もいる。
その魔力溜まりの魔石採掘現場となる場所は、『魔石地』として多くの者に認識されていた。
しかし、それ以外にも、全ての生命の『悪感情に触れた魔素』が溜まった魔力溜まりが、どうしても発生し、それが厄介でもあった。
悪感情に触れた魔素は、変質して瘴気となる。瘴気による魔力溜まりを人々は『魔力溜まり』と認識した。
その、魔力溜まりから魔獣が発生する。また、普通の獣などがその魔力溜まりに触れて変質し、魔獣となる事もある。
極めて厄介なものだ。魔物とは又違っていた。
魔物は魔力の多い獣の事だ。凶暴であったりするが、こちらは討伐して食用とかにも出来るものだった。
厄介ランキングから言うと、狂暴差の違いで上下する事もあるが、普通は魔物より魔獣の方が力が強い。
で話は戻るが、魔獣も人々と同じく進化し、やがて魔族が生まれた。
人と姿形がよく似た魔族も知恵を持ち、この世界を創造した『神』とは違う『神』を崇め始めた。
『悪感情』が充満しての起こった現象に、別の世界、そう、異世界の力が触れたのが影響と設定していたから、類似しているからそうなのだろう。
魔族達は、自分達に聞こえ、感じた『意識』により、自分達の『神』を持ち、崇めたのだ。
崇める事などにより、『異世界の扉』が出現した。
それは、魔族達の崇める神、そう『悪魔』と呼ばれるモノが出てくる場所となった。
混沌の時代の始まりだ。
人々と、魔族との戦いやそれに悪魔まで加わり、世界は崩れ始めた。
人々は、創造主である神に祈り、神もまたこの悲しい出来事に心を痛めた。
聖女がこの世界を創造した神に導かれ、伴われてこの世に現れた。
そう、初代聖女の新崎朱莉。僕が英霊召喚したアカリの事だ。
神に選ばれし『使徒』とも『従者』とも言われているが、その者達と共に力を合わせて、撃退していった。
悪魔は扉から元の世界に戻った。
だが、この世界に生まれ落ちた魔族達は滅する事はできず、この地より海の向こうの大陸に追いやる事となった。
強力な壁となる結界を張り巡らせ格別する。
全てが治まった後、神の言葉を聴いた『ヒト族の国』ロザリアン神聖国より、さらなる結界を張り巡らせ、その力を維持するよう努める事になる。
その結界の要が、現在も教会や遺跡群にある石碑達。
詳しい事は、神聖国中心に秘匿という形で記録伝承されているのはゲームでの設定で知っているだけで、一般閲覧可能な書物には残されていない。
それでも、やはり力は徐々に衰えたり劣化したりする。
また、護っている土地自体も浄化し、結界の中で護られていても、中に住む者達の『悪感情』が消える事はなかった。
地位や名誉。物欲はどうしてもある。悪い事とは言わないけれど、度が過ぎればね。よって、どうしてもそれが溜まり魔獣が発生してしまう。
各国の騎士達が討伐し、浄化してはいくのだが、数百年周期で現状悪化する時代が起こった。
現在この国では父や兄達も騎士達を連れて討伐したり頑張っているけど、ゲーム通りに起こったのか…
『扉』の出現率は昔から『ディール帝国』が他よりも多い。
そして、今回、ディール帝国領内。エステバン王国国境近くに位置する山脈の洞窟内に出現か…
今回もこの大陸の者達が、『ヒト族の国』ロザリアン神聖国を中心に伝承に則って『聖女召喚の儀式』を行うために、ディ達が動いている…
王弟殿下だから、緊急の国事に対してだ。
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