竜の国のご都合主義?

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アカデミー

アカデミー生活中です。(ジャディール)

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しばらく考え込んでいる様子だ。
表情がコロコロ変わる。
いつもは可愛いと思うのだが、この変化は…

何と言うか…
悲しみと絶望。そして懇願。
抱きしめて自分の中に閉じ込めて、常に『大丈夫だ。側にいる。離さない。離すはずもない。愛している』頬に唇を寄せて耳元に呟き続けたい気持ちでいっぱいになる。

だが、今は彼が自分から話してくれる事を待つ。


「はぁ…………、僕、無事でよかった…」

俺の腕の中でそう彼は呟いた。
少し吹っ切れてくれたのなら良いのだが…

愛しい者の顔を覗き込む。私の表情は…彼の瞳に映る自分の姿を確認した。
なんとも言えない悲しみの表情。

俺の彼に対しての心。心配しているこの気持ちは理解してもらえただろう。
だが、彼の知り得る全部を私にまだ知らしてもらえないのだろうか…
勿論、この子の家族にもだ。

もしかしたら、俺たちが隠している事や、伝えていないだけの事など全て知っているのだろうか?
過去の出来事などを読み解いて、自分と置き換えたりして…
自身の母親のことも知って、そこから奴の執着が今自分に向けられている事も…
最悪の事態まで想定しているのか?

胸の鼓動が嫌な感じで早くなる。
もし、この愛しい者が手の届かないところに行く可能性まで自分の中にあると言うのなら…

愛しい物が大きく深呼吸した。
心に決めてくれたのだろう。
何を言われても受け止める。
そう決めているのだが、聴きたくないとボヤく自分が暴れている…


「ディ…ジャディール•アステード様。聴いて欲しい事があります」

敢えてフルネームで私を呼ぶ。
ドキドキしながらも、悟られないように…
私の腕の中から逃れ、詳しく説明しようと考えているのだろう。
姿勢を正して、知りうる全て。そして自分自身の考えも。
そう決意した表情で私を見る。

私の腕の中でもがきながら、敢えてそう声をかけたが、そうしてやりたいとも思ったが、どうしても離すことができなかった。

「このままで聴こう」

自分自身の行動に一瞬驚いく自分がいるが、これも俺。そう、私だ。
納得する。そう、認めてしまえば自然と表情も穏やかになる。
彼の瞳の中の自分はそう映っている。目が笑っていないがな…

「わかりました。実は…」

そして、彼を私の膝の上に座らせたまま腕に抱き締め、彼の言葉。説明を聴いていた。



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