竜の国のご都合主義？

アカデミー

アカデミー生活中です。(ジャディール)

友人の屋敷、セイクリオン公爵家を後にし、愛しい者の元に飛んでいく。
アカデミーの敷地内に降り立ち、かけて行った。

彼の部屋は知っている。
勢いよくドアを開けてしまったのは許してほしい。
あぁ、無事だったようだ。
いつもの可愛らしい愛しい者が、キョトンとした表情からなんとも言えない表情に変わる。
あぁ、そうか。いつも見る服ではなく、兄に呼ばれて城に行ったから、この服装に驚いたのだろう。
王族の者が許される軍服のようにも見える正装。
軍服よりは華美であり、羽織るマントも特殊だ。
貴族の女性達に人気でもあったか…

急いで駆けつけてたせいか、額にもうっすらと汗が滲んで、髪も少し乱れているが、許容範囲なのだろう。
そういう反応をされるのも良い。
見た感じは大丈夫そうだが…

「大丈夫か？怪我とかは？」

無理やり立たせて、身体中をチェックする。
直接皮膚を滑るよう触れてはいないが…可愛らしく反応している。
頬が染まり、誰にも見せれない表情だ。
見るのは私だけで良い。

「大丈夫だよ。気になる視線はあったけれど、護衛についてくれていた者達に護られていたから、問題ない。心配してくれてありがとう」


常に護衛がついているし、自分の子飼いもつけている。
ここに着くまでに集めた情報からも知ってはいたが、それでもだ…
彼が決して嘘は付いていないのもわかっているが…

「心配した。君に何かあれば、私は生きていけない…」

大袈裟だと思われるだろうが、それでもだ。自分が震えているのがわかる。
失う恐怖をまた感じたのだ。
さらに腕の中に閉じ込める。
腕の中の温もりを感じる。
恐怖で自分の身体が冷え切っていたのに驚いた。