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アカデミー
アカデミー生活中です(アルスト)
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マスターの部屋から出て来た我らは、ガラが捕らえ、監禁している場所に向かった。
そこは、過去にガラ達が活動拠点の一つとして使っていた場所らしい。
今の者達がその場所を知っているかはわからない。
それ程の時の流れがあるようだ。
かなり荒れ果てた入り口から奥に入る。
隠された地下入り口から階段で降りて行くにつれて、空気が澄んで荒んで見えた物が、今も使われているかのように整備されているように見えた。
普通ではあり得ない光景。可能性としては…
「魔道具や魔法陣が、今も活きているんだ。」
「なるほど…」
壁に埋め込まれている魔道具や魔法陣に幾つかは見覚えがある。
自分が開発した物や、同僚達とで開発した物があった。
現代でも使われている物もあれば、忘れ去られた物達だ。
当時のことを思い出し、懐かしくも感じながら先に進んでいく。
奥の奥。そう、重厚な扉を開けて進んだ先には、捕らえた者達を留置する檻が並び、さらに奥は…
拷問部屋か。
そこに既に繋がれているのは一人。
他の者は…もういないのか…
「三人捕らえ、二人は大した事は知っていなかったから処分した。詳しい支持を受けた者はコイツだけだ。」
「だが、処分は少し早かったのでは?」
「必要な情報もない者を留めておいても仕方なかろう。マスターに害意を持つ者なら尚更だ」
そう言いながら近づいて顔を上げさせる。
「これは…」
まだ意識が戻っていない男の首にあるタトゥーは…
「魔塔の者につけられるタトゥーだ。」
「では、また」
「そう言うことになる。他の二人は雇われだ。情報収集や人攫いか…マスターは『ヒト族』の魔力が特に多いとされる黒髪の黒目だ。『奴隷狩り』の依頼だったようだ」
ガラの奥歯を噛み締める音が聞こえる。
自分達の大切なマスターを、あの者はどうしても諦め切れないのだろう。
『欲しい』と言うと気持ちは理解したくはないが、わからないわけでもない。
自分達のマスターであるから、側に仕えさせてもらえれるから『欲しい』とは思わない。が、場合によっては嫉妬はする。
側で支えれない状態。
時に、奪われるのは我慢ができない。
「さっさと始めるか」
そう言うと、ガラは男を無理やり起こした。
しっかりと吐いてもらおう。
命は取らない。この後にも必要だから。
そう、命だけはな…
その後の壮絶な絶叫を上げさせて、情報を吐かせていく。
決して主であるあの少年には見せれない光景がひろがっていった。
そこは、過去にガラ達が活動拠点の一つとして使っていた場所らしい。
今の者達がその場所を知っているかはわからない。
それ程の時の流れがあるようだ。
かなり荒れ果てた入り口から奥に入る。
隠された地下入り口から階段で降りて行くにつれて、空気が澄んで荒んで見えた物が、今も使われているかのように整備されているように見えた。
普通ではあり得ない光景。可能性としては…
「魔道具や魔法陣が、今も活きているんだ。」
「なるほど…」
壁に埋め込まれている魔道具や魔法陣に幾つかは見覚えがある。
自分が開発した物や、同僚達とで開発した物があった。
現代でも使われている物もあれば、忘れ去られた物達だ。
当時のことを思い出し、懐かしくも感じながら先に進んでいく。
奥の奥。そう、重厚な扉を開けて進んだ先には、捕らえた者達を留置する檻が並び、さらに奥は…
拷問部屋か。
そこに既に繋がれているのは一人。
他の者は…もういないのか…
「三人捕らえ、二人は大した事は知っていなかったから処分した。詳しい支持を受けた者はコイツだけだ。」
「だが、処分は少し早かったのでは?」
「必要な情報もない者を留めておいても仕方なかろう。マスターに害意を持つ者なら尚更だ」
そう言いながら近づいて顔を上げさせる。
「これは…」
まだ意識が戻っていない男の首にあるタトゥーは…
「魔塔の者につけられるタトゥーだ。」
「では、また」
「そう言うことになる。他の二人は雇われだ。情報収集や人攫いか…マスターは『ヒト族』の魔力が特に多いとされる黒髪の黒目だ。『奴隷狩り』の依頼だったようだ」
ガラの奥歯を噛み締める音が聞こえる。
自分達の大切なマスターを、あの者はどうしても諦め切れないのだろう。
『欲しい』と言うと気持ちは理解したくはないが、わからないわけでもない。
自分達のマスターであるから、側に仕えさせてもらえれるから『欲しい』とは思わない。が、場合によっては嫉妬はする。
側で支えれない状態。
時に、奪われるのは我慢ができない。
「さっさと始めるか」
そう言うと、ガラは男を無理やり起こした。
しっかりと吐いてもらおう。
命は取らない。この後にも必要だから。
そう、命だけはな…
その後の壮絶な絶叫を上げさせて、情報を吐かせていく。
決して主であるあの少年には見せれない光景がひろがっていった。
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